ラロラロルルル
雨が降る
レリレリホホホ
飛んでみる
ロハロヒフンフ
水たまり
ヘレロラフェフ匕
越えれない
ルゥルラホンフ
それでもいいさ
見交わす、
立ちのぼる、
瞳の中にまるで陽炎のように揺らめいている
うす紅色の櫻の樹木
強い追い風に吹きつけられながら
一匹の猫が
民家の塀を
豹の速度で駆け上ってゆくさまが見える
掠 ....
かの靴と梢の春と雑草と
やさしさがあふれるような風が吹く
やさしさがあふれるような街に住み
やさしさがあふれるような人にあい
やさしさがぼくの心をくるんだよ
ごまかしてなんていないんだ ....
○「流されていく人生」
世の中は流れている
僕は流されている
流れにさからってもムダだ
さからったらもっと流される
自然に流れされた方がいい
世の中は流れている
僕は流されている ....
突き抜け
上昇し沈み込む、
限りなく際限なく
熱に貫かれ 声、
発せるということの
奇跡
歌、うたえることの
有り難さ
意味 以前に 声の言葉の響き在り、
わたしはひたす ....
じぶんの重みに
押しつぶされた日の光が
大地に一度 身を落として
あたりを囲う 同じものたちの
小さくも楽しげな 溢れかえり
そこにある岩肌の
わずかな塩味に
あいさつのように
その明 ....
湖のほとりで 歓送迎会が宴たけなわ
大広間のステージ台へ背もたれ向け座る
センターから外れる円卓、
あなたが 椅子に割り込んできた
別の課へ異動していくあなたとは
正式 ....
滲むように昇る
朝の陽、
なにものも犯せぬ
この世界、
此処に留まる
此処がすべて
此処に入る、深々と
魂、歌に放ちながら
言ノ葉、声に散らしながら
この奇跡を、 ....
夜の闇が怖いから電気は消さないでくれと君は言う
ソメイヨシノが咲いても散るのを知ってるから悲しいとも言う
飛行機に乗るなんてとんでもないとも言う
くたびれたぬいぐるみを永遠に捨てられ ....
ある時
自分という存在は無い
と思った
こう思ったことで自分の大切な部分を守ったのだ。
今になっても時々
自分という存在は無いと思う。
五月のなかばをすぎた頃
夜、水を張られた近くの ....
あんまり桜がきれいだから
少し寄り道していこうか
寄り道はいくつになっても
心が踊る
野焼きを済ませたばかりの土手は
あっけらかんとした楽しい黒焦げ
ショートカットにしたばかりのうなじ ....
まだ
緑の生い茂った頃につく花梨の実は
毎年のように
手が届かないところについていて
酒に漬けると美味しくなるとか
蜂蜜を加えたら喉の薬になるとか
はす向かいのKさんは毎 ....
高架橋の手前で母子とすれ違う
歩道へ吹き出してくる走行車の反響音
二車線道路が湖岸の県道まで下っていた
すれ違った時
赤子はカラフルな膝掛けに包まれていた
ちょこっとだけ小首 ....
物体や
さまざまな存在に
役目という命がある。
私の万年筆には
書くという役目の命がある
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
会社の敷地内にある
貯水池
アシかマコモか
つんつんと緑、日ごと明るさ増して
今朝も彼は来ている
渋い濃度ある黄金色の水面で
伸びてきた若草は
彼の青灰色した全 ....
季節風が未練がましく吹きつのり
北野天満宮の梅苑に白梅が咲き始めた
春が来るのか
昨日よりは
今日よりは
明日よりは
理想の 胸に馳せめぐり浄らかな人生を
描いて ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください
かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
雨のあと、僕らは廃園で見た
レインコートを着た怪人
手足が長くて、大きなシャベルを持っていた
まるで今しがた何かを埋めていたように
土に汚れたレインコートを
その色を その手触りを
....
先週は半袖でいられたのに急に
風の冷たくなって
靴下も履いていない あの子は
三ヶ月くらいだろう
膝でリズム取る
まだ若い男
の揺かごに ぷらんぷらん
あの子のあんよ ....
声を触っているうちに
忽然とある日ひとだった
言葉は貧弱だけれど
壊れることのない強さと温かみがあった
恋をしていたのだと思う、生きるということに
固形の身体と
呼吸はいつしか覚え ....
順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。
しばら ....
それが一匹、目の前にいる
それは狂暴ではなく、捕獲も容易だが
肉が硬く、臭くて食べられない
猫や犬のように見た目が可愛くもなく、
吃驚するほど大量の餌を必要とするので
飼育にも向かな ....
まぢかに雨の感じる夜
屋根がある
布団がある
申し訳ない気もちになる
雨の強い音が心をうがつ
やむにやまれず
窓を閉める
少しの静寂に居つつ
雨はまだ僕を呼んでいる ....
○「人生百年時代」
ばあちゃんたちは
老後のために
金を貯めている
その金を
サギが狙っている
○「精力剤」
中高年は
もうひとつのチンアゲにも
働きかけている
○「畑の土 ....
一睡もできなかった、朝
産毛はきんいろにひかって
ふっくらと水をたたえた丘に
まだかわかない涙のあとを見つける
そのときに思いしります
あまりに深かった穴と
その埋めかたについて
い ....
ほこり
砂粒
いとくず
羽毛
ライ麦パンのかけら
消しゴムのかす
書き損じた紙くず
こぼしたミルクの薄い被膜
三日月の形の爪
開くことなく死んだシンビジウムの黄色の蕾
裁縫の針の銀 ....
時間とかタイミングとかマッチする渋滞とかに巻き込まれない
温室で育てたバナナ大成功手間暇かけて美味しさは倍
冬に観るイルミネーションより綺麗寒さと澄んだ空気煌めく
民宿や旅館のような ....
花の話をしていると
何で花の話をしてるんだろうね
という話になって
僕らが花だからじゃないかな
ということでよく見ると
お互いに花だったね
とわかって
笑って
咲いて
入学す ....
だんとんだん だんとんだん
恐い夢を見た朝は
丘にマンサクの花を訪ねてみてください
澄んだ黄色のクニャクニャした花弁
メドウサの髪 縺れる糸手毬
すこし浮き浮きし ....
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