その影は
 駐輪場で談笑しているオバチャンを
 横目で捉え
 建設中のマンションの傍を行き
 細道抜けて 
 一軒の 美容院へ向かいます

 二時間後
 チリリン!
 ガラス扉が開 ....
まだあたらしい平日、
月曜日とおなじくらい性質(タチ)のわるい、
前半のまだ前半、
週末の解放と賑やかさへとたどり着くゴールテープまでは、
まだほど遠く、
しかし、身体のなかのエンジンはもう ....
最近よく良いことが起きる
奇跡なんかではなく
そうなることが決まっている

視野が広がったような
目の前が明るく見える

良いことすれば
良いことが続く
身も心も元気で溢れる

 ....
たどたどしい指が生み出す
バッハのプレリュードを
小さな鉢植えに収まったサボテンだけが
棘をかたむけて聴いている

他の観葉植物は枯れて
手元に残ったそれは
巣立っていった息子が置いてい ....
優勝したレーサーが
表彰台に立ち
彼は語った
風と一つになった


彼は事故で
この世を去ったが
その言葉とともに
伝説のレーサーとなった

わたしは今
目を閉じ
風の音を ....
 お湯を沸かしながら
 まだ眠い気だるさには
 モカブレンドのドリップコーヒー

 昨夕スーパーの陳列棚に一袋だけ
 お買い得商品のプライスで残っていた
 この一杯の 目覚めが心地良い
 ....
裏路地、提携する眼
蔓延る窓
分裂する窓
その狭間で女は窓を拭き続ける
手にしたウエスは適度な温度を保ち
それはまた彼女の無口だった

無口の中には一人の海がいる
私と私たちは ....
空になりなくて

なりたくて なりたくて

ひたすらに 青い空に

青くて 青くて

青くて 青くて

青いことで とやかく言われない

空になりたくて
電子タバコにしてから
口元に火を近づけるということがない
息子に教えたいことがない
おれからではなく、自分で見つけたらいい
おれはもうすっかり満足だ
おれはもう歳を取らない
じゅうぶん歳を ....
{引用=夏の飾花}
大荷物を咥えて蟻が後じさる
アスファルトの上をたった一匹で
美しい供物
琥珀色に透けた翅
七宝焼きの細いピン留めのような
ミヤマカワトンボの骸を牽いて
小さすぎて読み ....
「この道を生きる」
そう思い
自分の役を演じた
一日の終わり

「生きるって素晴らしい・・・」
そう呟いた
在りし日のあなたの声を思い出し
川の向こうの夕空を見る

何処からか風は ....
雨上がり、路面電車が
湿りの中で発光したまま
緩やかなカーブを破壊していく
何の変哲もない病室に
復員したばかりの真昼と青空
そこでは誰もが幸せそうに
夕食に出た鰊料理の話をしてい ....
遠い遠くの、あれは海?
わたしの心を満たしている。
それは快楽にはほど遠く、
何か罪めいた予感に満ちている。

あれは海? 遠く遠い。
砂浜に寝転んで昼顔の花を見ながら、
いつか、いつだ ....
未だ血圧の上がりきらない朝
乳白色の靄がかかった意識の西側から
コーヒーの香りが流れ込んでくる

オールを失くしたボートさながら
廊下をゆうらりと彷徨いながら
食卓のほとりに流れ着く
 ....
 最期を迎えるならば

 例えば
 深い深い夜
 病室のベッドに居て
 国道一号線走る運送屋の
 大型トラックの音に
 ただ耳を傾ける事の出来る
 そんな自分でありたいのかもしれない
 ....
 落ち葉をひろって
 たったそれだけのことで
 一日が眠りつく
 つらい、けれど大切な別離があって
 急にころがる
 あなたの ひとつぶ
 それを どうか嘆かないで

 中心に感じて
 ....
中学時代から付き合ってきた
きみはもういない
焼酎が大好きで酔っぱらうと
「ありがとさん!」を連発していた
きみはもういない
何か相談事があると
真っ先に相談に乗ってもらっていた
きみは ....
  


下りに乗ってしまえば
あの日の二人が見える
ような気がする




    君が
    嘘はつかない
    という嘘をつくように

    僕は
    ....
○「今日」
年を取ると
今日が「何日」というのを
言えなくなる

○「人生の季節」
若いときが
さまざまな人との出会いを通して
人生を豊かにしていく季節なら
老いたときは
さまざま ....
 すぼんだ花が
 いやにいとしくて
 捨てられずに
 眺めていた

 去年の春 と題して
 絵をかいた

  いやな女ね あたしって
 
 煙草がいたずらに灰になるのを見ていた
 ....
 蝉の声に讃えられている
 誇らしげな 夏
 そして 私の傍ら走り去る
 一陣の風

 人通りない交差点
 銀輪またがる その人の姿を目にした途端
 足が止まる

 肌に まとわりつ ....
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す

つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
 ....
両面テープの夏
順番が赤ちゃんの指のように
そのままの柔らかさで並ぶ
あなたは何事もなかったかのように
テープを剥し続けている
食べたい冷やし中華に置かれた
名前の無い名札
息の仕方だけ ....
 ある女が 酒房に惹かれ
 やかましいその片隅に
 毎夜坐っていた

 沈んだ目が時折光る時
 女はカリカリと氷をかみ砕き
 強い酒に挑んでいる様に見えた

 何日かすぎた頃
  ....
ビーコン

昨日から左腕が痛いので





エルれのおやすみ


たわいもないっこと

うでいて






おやすみ
鏡に映る自分
ずっと眺めていると
どっちが本当の自分なのか
分からなくなる

誰もが感じる
そんな感覚

私は目を閉じた
残像だけが残る
闇の世界
その向こうの
鏡の中の私は
 ....
○「表現」

全裸の女性とビキニの女性とでは
どちらがより興奮するであろうか
僕は後者であろうと思う
それは後者の方が
より強く想像力が働くからだろう
表現も似ているのかもしれない
僕 ....
ホソカミキリムシよ、
君はぼくのひみつの友達、その一人、
君もまたいつの日かのぼくに似て、その身動きはまったく取れず、
やがて本格的なスピードで走行され始めてもなお、けっして振り落とされまいと、 ....
黄色い命の隊列、
燃える水となり流れ進み

私は未だ聴き続ける、

あの日霊園で買った菊の花束
それら手向け包み込んだ

白骨の、

独り黄色い命の残響を
さて、どの道死ねるので
絶望を失った
私は
いつまでも思う
ありがとうと


みんなの
魂という命は
永遠に
いっしょだ。そう
思い続ける力
日朗歩野さんのおすすめリスト(1044)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
影法師[まち角19]- リリー自由詩3*23-7-22
火曜日- 本田憲嵩自由詩623-7-21
良いこと- 夏川ゆう自由詩523-7-21
夏の日のプレリュード- そらの珊 ...自由詩11*23-7-21
- 銀薔薇自由詩2*23-7-20
一片の空- リリー自由詩8*23-7-20
裏路地- たもつ自由詩7*23-7-19
空になりたくて- 短角牛自由詩5*23-7-17
診断- ゼッケン自由詩423-7-17
ものうい夏_- ただのみ ...自由詩4*23-7-17
風の唄- 服部 剛自由詩123-7-17
撃鉄- たもつ自由詩523-7-16
遠く、遠い……- 朧月夜自由詩2*23-7-16
食卓に朝を置く人- 夏井椋也自由詩14+*23-7-15
最期をむかえるならば- リリー自由詩8*23-7-15
なみだ- soft_machine自由詩7*23-7-14
きみはもういない- ホカチャ ...自由詩5*23-7-14
待ち癖- AB(な ...自由詩623-7-14
独り言7.14- ホカチャ ...自由詩5*23-7-14
待つ女- リリー自由詩4*23-7-13
一筋の汗[まち角17]- リリー自由詩4*23-7-13
手のひらの丘- そらの珊 ...自由詩19*23-7-12
冷やし中華、始めても- たもつ自由詩12*23-7-12
酒房の話- リリー自由詩9*23-7-12
ぴこーん- うし自由詩123-7-11
- 銀薔薇自由詩5*23-7-11
独り言7.11- ホカチャ ...自由詩9*23-7-11
ホソカミキリムシマン- 本田憲嵩自由詩823-7-10
慰霊- ひだかた ...自由詩423-7-10
※五行歌_二首「さて、どの道死ねるので_絶望を失った」- こしごえ自由詩2*23-7-10

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