ふるびた日記の片隅に残した言葉を 忘れても
わたしの中の心の片隅に残した言葉は 忘れない
雪が解けるように消えていった
それだけの時間と それだけの思い出なのに
どれだけの気持を綴 ....
このまま ずっと このまま
ときおり 雪わり草 待つように
道草の花の 夢をみました。
このまま ずっとこのまま
それでも このまま
春 渡り行く風も
窓辺に もたれて居り ....
春なのね って 雨が降る
まだ冬よ って 雪が降る
ゆらゆら 解けかけて また 凍る
悲しくて 悲しくて
雨が降る
きらきらり と
ゆらゆら と
たいせつな人の変化は
すべての流れにかかわっていく
血と肉を分けあった間柄では なお
かつての激流に心臓がなる
渦に飲まれまいと足を踏んばり
固く固く握りしめて
開くことのなかった ....
真っ暗だよ ここは
さっきは無人島にいて
波の音や小鳥のさえずり
ときおり とてんって 椰子の実が落ちたりしてた
青い空には雲が駆けてた
でもいまは真っ暗
だって宇宙だもの
宇宙 ....
1.「ナオタへ」
{引用=すこやかなよるに
知らないこと を
ふたりで 机にならべた
フライ返しで
ナオタは
ひとつずつ
ひっくり返した
ナオタは
ゆびがやわらかくて ....
昼に見上げた薄い月の
その不確かな存在感とよく似た
獣が私に住んでいる
恐らくそれはずっと其処で
私に気付かれる事を
待っていたのだろう
それにしても沈黙は余りに長く
お互いの黒 ....
星が見たいの どうしても。
地方から上京したての彼は
翌日 東京にあるプラネタリウムを探してきた
講義を終え掲示板の前で落ち合う
いつものように私は彼の後ろにまわると
彼の背負っているリ ....
マトリョーシカの
ながした涙は
乾いてのぼっていった
風が吹いている
虹のむこうに
見上げる
雪のあいま
ひらめく桜のあいま
海のつづきに
***青い星の歌によせて*** ....
ころがる
しずかな すいへいせんの上
あさ
お茶をわかしながら
てのひらで
背骨をなぞった
恐竜のように
そらへとつづく梯子の ように
あなたが
つづいている ....
風と雪が一体になって
すべて吹き去ろうとする
なんて
東京の人は信じないだろな。
こんな初めての日はすごく嬉しい。
秋田での出会いや繋がりや見聞きした全ての出来事も
消えてしまうだ ....
キラキラ星は掬う指先から
ながれていく
落としていった光りを
かきあつめている
いつか
欠片にして胸にとめるため
星が燃えあがって
生まれたところへ還る ....
手袋の
こすれるすきまから
しろい空気を ふー、と
吐き出すと
それは
青い空にのぼってゆく
きれいなけむりに
よく
似ている
それで
つむじは むずむずして
町も ....
ふわ ふわ ふわ
雪が舞う
雲をはなれた
雪の結晶は
空を巡り
思いきり手を伸ばして
触れた指と指をからませ
おおきなふわふわになる
牡丹の花のように
ふわ ふわ ふ ....
阪神大震災から13年だそうです。
お昼のニュースで知りました。
_____
この地震は私にはほとんど関係がない。
「ほとんど」ということは少なからず関係している。
たった今 気がついた。 ....
天 からおちる
白 い花
惚 けてもいい
指 頬 首筋
お尻 まで濡れ
知る
雪
そこは 小さな駅で
ときどき SLも通る駅で
小さな改札口の前には
電車を待つ人のために
素朴な木のベンチがあります
ベンチと改札口の間は
すぐ近くにある大きな駅に行く人の
通り道に ....
洗面器の底
透明な水の中
魚のうろこが沈んでる。
触れると
突き刺さるほど冷たい水の中に
魚の姿はない
キレイを積み上げたものの色が濁ってく
真っ赤な金魚がお好みですか?
....
カーテンの裾に星粒。
掌にのせると
溶けてしまいそうなので
そのままにして
靴下は
目に見えなくても
大丈夫
遠くで、
誰かが
静かに
幸せを見つけていますように。 ....
昨日哀しみを突き放し
今日の瞼は何も隔てない
地表を渡る細波を
裸足でなぞり
葉の無い枝のように
四方へと手指を広げている
数羽の鳥が羽を休める
屋根の上には
ソーダ色の空が
....
手ごろなサイズの
透明の瓶の中から
一番不安定な私を一人
選び出して
ピンセットで摘まみ出す。
自由になった筈の私は
瓶の外では生きていけない。
彼女が放り出されたのは
なにか ....
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです
光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
....
ぼくがいなくなっても
さみしくないように
きみのまくらもとに
ちいさなかみさまを
おいておくよ
あるばんにだれにも
はなせないことがあったら
ちいさなこえで
ちいさなかみさ ....
手にとって
読み返す葉書
紙の山に埋もれていても
あなたの文字は
見つけられる
その文字が
私を君と呼ぶ
綴られた言葉を
私はきっと
諳んじてしまう
遠く失った恋が ....
明日くるを忘れさせた 空
一人 風に触れることもなく過ぎていった 午後
お漬け物と繕い物と ひなたぼっこ
メールのだるい
やりとりが嫌になってくるから
メールとか手紙とかあんまり
気が進まなくて逃げていた
もしくは
仕掛けたりして
逃げられたり
嵌められたり
だれともつながってないと
な ....
だんだんと 昼陽の短くなって
朝な 夕に かじかむ手
はぁ って 息かけるんだけど
なんだか やっぱり 冬が来るんだなぁって
お寒いのは お好き?
お日さまも昇れば 暖かな部屋
少 ....
湿ったソファーに沈みこんだ
少女の
くちびるからもれる
母音の
やさしいかたちを
泡にして
水槽のふちに
浮かべている
*
贈られた模型を
にこやかに受け取り
持ち帰って ....
こんなに空が綺麗だと
あなたを思い出します
お願いがあります
私もあと何十年かしたら
あなたに会いに行きます
それまで
左手の薬指
予約しておきます
あけといてください
あ ....
いくつもの僕のうたのなかに
僕がいる
けれどそれはもう
いまの僕じゃない
僕のたましいは
僕のうたを
うらぎりつづける
そう
僕はいきているのだ
....
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