慣れない街では風がうねってて
目まぐるしく僕を迷わせる
どれほど背中を押されようとも
ブレーキを踏んだままなので
なんの意味もなかったんだ
傷だらけの中古車は
駐車場でたそがれて
夕 ....
山の頂に雪は積もりました 寒々しくも
もちろんのように 六月の 東の端っこ峠にも
週間 蔽い尽くした開けの空の下
風の笛を吹くように
あしたも
そのあしたも来るということを
簡単に信じちゃ
いけなかった
その言葉は
重ねた過去からの
甘い憶測で
あしたが今日までと変わらないなど
保障されない
懐かしさは
....
すべてのたましいが
リンになって
夜を燃える
海は
黒く世界を閉じて
ちゃぽん
何処かで魚が跳ねる
私
泳げないから
たぶん沈んじゃいます
ずぶずぶ、って
そういって ....
醤油が
涙の味に思えて
よく考えたらそれは
だしつゆで
涙には
だしがきいているのだと
気がついたわけだ
だしつゆかけて
菜の花を茹でて食べた
しばらく泣いていないので
....
この 思いの
行き着く先は 蒼く
仄かに
月は揺れる湖上の 夜に
揺れる わたしは遠く
あなたを遠く
遠く
思いに 揺れる
月
とてもシンプルな音を立てて
きみは生きている
噎せ返る緑の中を駆けるときも
たましいの全てを委ねて眠るときも
まるでありのままの世界を描くように
混じりけのないの声で笑って
....
目を閉じて見つめる
記憶の中・・・・
小さい頃のわたしが
若葉の蔭で
耳を澄ましている
「何を聴いているの」
と たずねたら
「こもれび」
と 言って上を向いた
....
さゎさゎさゎ さゎ す〜ぅ
よせては かえす すなのはま
きょうという ひに
たとえば それは みずいろの
そらの はしっこ
流れ落ちるギターの音
太鼓の響き
誘われてここに来ました
知らない道
散歩の途中
そんな
夏の夜に
冷たいお酒
涼しい夜風
気持ちいい
隣に座った女の子と
少し話 ....
窓の向こう ほお杖ついて
しとしとしと いつ止むの?
忘れ物 風のいたずら 落ちて 悲しみ拾えずに
春だというのに 止まない 雨に
ため息こころぶん 落ちて ゆく
....
ご先祖様の温もりが
土に宿っているから
日本は大丈夫なん
命の糸がそこらじゅうにめぐらされてるん
太陽の恵みには そうしたもんがこめられてるん
そう言ったおばあちゃんが
交差点のま ....
追いかけてきたものは、何であったか
追いかけるべきものは、何であったか
あの蒼々 あの爽々
届くはずもないと{ルビ諫=いさ}められても
羽ばたく自由まで
奪われたわけじゃない
....
私を繋げてくれるモノ
光のくずは
朝のなかをかがやく
屋根にならぶ
しずくの
影
雨の音は
あたたかな蒸気と きみを はこぶ
まどぎわにあそぶ
まだ 新しいひとみで
洗われてゆく 世界をみつ ....
朝か、もうすこしあとにおきだし
パンをたべ
仕事をし
お昼をいただいて
掃除や仕事をし
たいへんおなかが空き
夜ご飯を皆で囲んで
寝る前までに
いくつか日々のことをこなします
私 ....
こんにちは アブラムシ
あなた何歩でこのルーズリーフを横切れるかしら
ツノをふりふり おしりふりふり
行っちゃうの?アブラムシ
窓を見つけたのね
透明の翅をもじもじして ぱっと消えた ....
こんな晴れた日
野の緑はしなやかな腕を
天に向かって伸ばし
陽射しに仄かな生命を温めている
草むらをすり抜ける風は
蜜蜂の
しじみ蝶の
か細い肢に付いた花粉を
祈りに変えて
次の ....
{引用=明け透けな 夜の温度を 手ではかり}
*
{引用=
きょねんのわたしが
さくらのしたでそつぎょうをしているころ
まだはだざむいこうえんのベンチで
あなたは
またはんぶんに ....
五月
木々の葉は一様に緑なのではなく
光を透かしている組織の集合体
根元から吸い込んだ水分が
先端まで流れ
蒸発という形で、外部へ溢れ出す
風薫る季節
ようやく長袖を脱ぎ捨てた素 ....
水たまり ゆらゆら 白くのぼり 消ゆる
あたたまって 心 雲になるは ゆらゆら
申し送りの 風とともに 消ゆる
季節といえば それだけで 過ぎてゆく
はるかな る ゆらゆら
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を
欲しいと思う
やわらかく笑う
ということを覚えたのは
いつの頃だったろう
新しいピンヒールが
足に馴染まなくて
ア ....
あまりに長い間ひとりでいたせいか
ある日わたしはふたりになってしまった
わたしたちはさすがに元ひとりだったので
顔も体つきも声も性格もそっくり同じだった
「さみしかったよね。」
「う ....
{引用=
わたしが小さく息をしたら
この胸の奥の おくで ひりりといたむ
そんなことを
あなたは知らずに
}
いつか贈られたCDを川へ投げたら、15回くらい水を切った。
医者にタバコとトコトコを止められている。
圧壊する潜水艦の窓に、父の船が見える。
優しくなりたいと呟きながらど ....
もしも願いが叶うなら
風のカナリアになりましょう
綺麗と誉れる籠を出て
道なき森を羽ばたいて
君の行方を輝かす
名もなき唄になりましょう
家を飛び出し幻の
故郷求めてがむ ....
空は 晴れて
緑が 萌えて
鳥は 唄う
どうしようもなく
春で
朝で
まぶしくて
どうしようもなく
私は
女で
せつなくて
風が「る」のような ....
こんぺいとうくらいの幸せがいいな
かくれんぼ上手の冷たい季節
やっとしっぽ、つかまえた
それっくらいの発見で、こんぺいとうの幸せ一粒
赤い駅弁、あかるい器
きらいなしいたけが入ってた ....
会いに行くって言われたい
今から行くって言われたい
待ってるだけでいいと思ってるわけじゃないよ
ただ
そういう夜があってもいいじゃない
隣りのあおいちゃんじゃなくて私に
お向かいの向井 ....
ぼくは詩人
あらゆるものを感じ
それを言葉に変えていく
それがぼくのぼくとしての使命
たとえば森の中
その茂った緑の中にある明るさ
それは光
ぼくを包むやさしい空気
そ ....
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