会えなくても
本当の
友達は
ずっと
友達だ
私という
この魂という命が
私という
この肉体に宿っている
私たちはどの道別れる
得たと思うと同時に失う
と何度でも ....
特に何も思うこともない夜
スーパーに歩く 暗い道
歩道橋の上から聞こえる
音 ボクシングジムからの
人気のない 車ばかりが行く通り
バンコクでも見た気がする光
バイクと 車の 織り ....
お月様 浮かんでる
水色の空のなか
未だ未だ明るい
夜空の手前
お月様 不思議だなぁ
白く透徹と弦を張り
何か絶えず思考し送信して
この地球にこの私に私達に
お月様 浮かび上が ....
一人でふたり分の荷物を整理する
なんて過酷で残酷な(笑)
やり始めるとやっぱり記憶に飲み込まれそうで
それでも時々、楽しくて
壁のシールを剥がせば そこだけ白くて
こ ....
路の端
行きすぎるヒトの脚許
恐れもせず
ヨチヨチ
細い舗道で歩調ゆるめるヒトたちの視線
浴びる君はなんとか
横断すると
また 喫茶店のガラス扉の前
軒下う ....
○「正しさ」
学校時代は
正しさは一つと教わったが
正しさは
立場によって変わってくる
正しさは
状況によって変わってくる
正しさは
利害によって変わってくる
戦争になると
何が正 ....
善くも悪くも
人間は人間だ。
みにくさも きたならしさも
すてきさも うつくしさも
人間のそのもの
反面
教師と
思えばいい。
悪い人が
居たらね。
仕方無いから
....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ
えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく
えくぼ
笑 ....
カメラを構え
しんと静まる
あの感じ
シャッターが切れる直前の
無限に近い感じ
出来上がる
誰にも見せられない
風景にしてしまった
取り返しのつかない
圧 ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
給料日 仕事上がりに立ち寄るATM
その銀行の隣に花屋がある
軒先、白い看板には飾り文字で「花音」
店内は細長いスペースで奥行きあり
入り口に色とりどりの花の苗が陳列していた
....
白い形の声が落ちていた
門扉が壊れて困る、という
間違い電話だった
切ることもできず
わたしはイトヨリダイ
だったと思う
そのような体をして
傾聴した
暑くて
素麺のお裾分け ....
中学時代からの心友だったK君が
急に亡くなった
食道がん肺がん咽頭がんなどの
大病を乗り越えて
俺はがんでは死なない
と酔うと言っていた友が
肺炎で急に亡くなった
103歳のお母さんを一 ....
人の生きていることに意味は無いと
ベトナムのバイクタクシーの 後ろで
ぬるくも心地よい風を僕は受けていた あの日
エビ料理を それから 食べて
また 盗みに入られている気のするホテルに
僕は ....
このまま、眠らないでいると
うす紫の夢を見るじゃん
嘘のつがいが 空を
飛ぼうとするじゃん
飛ぼうとして、飛べなくて
それでもいいかって笑うから
嘘の全部が 愛になっちゃうじゃん
....
川の側テントを建てて三日間現代的な生活はせず
カルピスの濃い味が好き友は言う口に残った白い塊
雨の後曇ったままが続く今日営業先で愚痴を聞かされ
雪なのか雨なのかよく分からない今日は寒 ....
○「終活」
終活は死に支度である
そして死にざまは生きざまである
○「無心」
自分の気持ちや考えが
強いと
相手の気持ちや考えが
見えなくなる
○「非難」
みなそれぞれ
....
手をコピーする。左手をコピーして、右手を
コピーする。腕をコピーする。左腕をコピーし
て、右腕をコピーする。顔をコピーする。光を
見ないように、目をつむってコピーする。肩と
胸をコピーす ....
雨あがりの夕まぐれ
駅前通りの小路で見かけた
たどたどしい足どりの小さな長靴
ランドセルは背負っていないけれど
スクールスカートを履いて
片手に持つ二つ折りの画用紙
....
その視線はどこを見るでもなく
誰を みるでもなく
そして何に
留まるでもない
体になじむポロシャツと
洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん
きっとシルバー人材センターか ....
○「不幸」
他人の不幸は蜜の味
自分の不幸は地獄の苦しみ
自分を世界で一番の不幸者にしてはならない
○「これからの詩とは」
人工知能がつくる詩と
人間がつくる詩と
どこが違うのだろう ....
どんなに小さな町にも
大きな幸せが育まれている
大きな町に大きな幸せが必ずあるわけではない
大きな心には大きな幸せがやってくる素養がある
大きな心の単位はなんだろ ....
○「心友K君の思い出1」
何でも気軽に相談できる中学時代からの
心友K君が急に亡くなった
結核食道ガン肺ガン咽頭ガンなど数々の大病を乗り越えてきて
「俺はガンでは死なないよ」
と酔うと言 ....
風の中に雨がむせび
雨の中に女がむせぶ
長く長く
細く細く
胸の中に
容赦なく風が吹きこむ度
血潮のいとおしさに女はむせぶ
過ぐる日 ....
膿を出すためにいくつかの手順を踏まなければならなくなっていて、それは醜い祈りだ。
耐えられない寂しさのために何かを傷つける必要があると信じている。
愛しいものははっきりしている、傷つけては ....
波がそよいで
靴底に、沁みる
遠い水を{ルビ浚=さら}い
海が伝う。
{引用=あの日}
そっと {ルビ掬=すく}い
手の内にきえる
一瞬、少 ....
誰にも故郷があって
それが心の拠り所と呼べるものでなくても
またその地を踏んでみれば 何か思うものがあって
私はなぜだか 駅に降りたら涙が込み上げてきた
帰ってこれたことが ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している
海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網
身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り ....
仏壇のロウソクに火をともし、それから線香をあげて、
いつも手を合わせて、そのように月にいちどは戻ってくる、
いもうとが、父の日に花束と缶ビール1ダース分をプレゼントしている、
天気の ....
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