すべてのおすすめ
真夜中に、
嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
だけど嵐の音じゃなかったみたい
目を閉じている間に、
季節が変わってしまって
途方に暮れてる小さなジーナ
ふれる ....
震えの奥底から湧き上がる泡沫をとても羨んでいます/
月夜の波間にて、 浅い息継ぎを繰り返しながら仄かに輝く海を泳いでいます
何時も誰かの手を握っていないと浮かんではいられなくなってからというも ....
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で
....
背中あわせに
座った僕たち
手を伸ばして
あなたの手を探る
髪の匂ひ
白く柔らかな手
顔を見たことがない
顔さえ見たことがない あなたの
背の ぬくもり
夢では ....
九十六よ
九十六よ
何故 数は 繰り上がらない
何故 数は 繰り下がらない
九十七よ
基督の 手を 打ちぬけ
その他を 傲慢な 嘘を
つけ つけ
九十八よ
下には ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた
歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
世界の終わり
円になって座る緑の子供たち
暗い風景に泳いで雪虫を口から出していた
壊死しだす末端はしだいに
君の為だけだと呟いて枯れていってしまう
....
冷蔵庫を開け閉めするように彼女の瞼も動いた
真っ白な空間を食べるようにただひたすら
肉色をした塊は空気を飲み込んで、吐いて
線路の上で液体と固体に別れた鳩のように鳴いていた
....
路地裏の地下の居酒屋の
脚の腐った肱掛椅子よ
アルコオルの飲みすぎだ、気をつけろ
{ルビ主=あるじ}みたいになっちまう
禿げたあたまは僧侶のようだが
畢竟やっぱり女った ....
あんまりおまえが焦がれたから
帰ってきたよ、
あのひとが・・・。
丘のむこうで、うごめいている
あの白い花は、
おまえじゃないかい?
あるひとが
ほら、
おし ....
窮屈な塩素の木に垂れ下がるのは死体ではありますが、
先は無いということなので勝手に解釈をさせて戴いて居ります
ドレークの海からの便りだけを其の浜辺は大事にしているので、
役に立つと ....
声の聞こえる道、通っていく道
生まれてくることが、生きていたいと思ってた
三月の花が、九月に散ろうとすれば
いつだってそこからは、そこからは
*
始まりはどこにでもあ ....
N O B O D Y
なんだ 結局
体焼いたって誰も出てきやしない
骨だけになっちゃって
あーら
あなた誰かしらん
お ナ マ エ は?
点線をたどっていけばいいとか
....
水たまりを揺らす雲
深い底を過ぎる人
時の鳥が舞い降りる日に
透明の 次の 次の 次の
とうめい
震える音が冷たく
高みに白く屹立する城
流れつづける輝き
憧れて ....
塔婆に 憧れていた 筈の
世界が 突き刺さっている
黒い 胃が 姦淫を
明るい 師走の 坊主の
耳に 流し込み
右目のない 少女が
眼帯を 取る
自由の 女神だ
墓地 ....
狭い檻の中に棲む
つがいの獣
明日を語らずに
今日を愚痴る
狭い檻の中で諍う
つがいの獣
嘲る口元には
朝餉の飯粒ふたつみつ
軋み合う魂より
産まれ出でし
いがみ合 ....
ちからはちからへ垂直に落ち
からだはからだへ傾いてゆく
気まぐれな風の格子
雪道に揺れる草の影
重なるようで
重ならぬもの
煌々と冷たく
空を持ち去る
何も書かれて ....
夕暮れ
曇っている
電車
走る
わいざつな銀河の中を
見えない草をかきわけて
走る
その中で
すれちがう
スレチガッテイク
わたし
わたしたち
生まれる手前から
死んだ後 ....
死するものの輝きがひとつの歪んだ戦慄のなかで遠景をひろげている、過去から届くさかだつ呼び声は次第に熱化して僕から幽石を焼き切ってしまう、僕は雨の中で生まれたのだろうかあるいは海の中であるいは問うことの ....
そんなわけで
行くあてもないおれたちは
足元の小銭を拾いながら
真冬の街角をとぼとぼと
歩き回るぐらいしかすることがないんだ
無遠慮な視線を巧みにかわして
無機物の保護色を纏いながら
自 ....
優しくありたい
麦の 名付け親である
やさありは
泥の 炎である
炎の 中には
渦が 種をまき
炎が 燃やす
ために
優しくありたいは
麦の 呼称なのである
....
いつもの手紙の更新を、また忘れたりしながら
滑り落ちるような坂を
今日は黙って落ちる
街外れの図書館はいつも通りの匂いがして
さらさらと視界が変換されていく
名前を名前と呼んだのは何 ....
きつねの師匠が言いました
この道はきつね道
とても厳しい道ですよ
きつね道を行くものは
みんないつか死ぬのです
脳が退化し
便や尿を垂れ流し
胃に直接流動食を流し込まれ
喉に穴を開けら ....
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを
「きみは いきろ ぜったいにいきろ
まっくら闇
煌々とひかるのがきみのひとみだけ ....
てくび
また
やっちゃった って
短いメールが私に届く
病院は
静かだねって
別の友は
2週間で体重が
5キロも減った
休職願いを出すという
そうか
そうだね
もう
....
――切り立ってごらんなさい。つまさきで。手の先を。あなたの手のひらには死の網が浮き出ている、巻雲の申し子だ、耳の中で変色する早苗の葉音を頼りに、内園からつなぎとめておくのです。私はおさない被告人、砕け ....
今年最後の海を見に行った
午後六時
駅から海までは住宅街の中をしばらく歩く
にぎやかな町ではないので夜は早い
ビルディングの間からは見えない星座がたくさん瞬いている
海岸沿いの国道に ....
地面は かわいそうの塊ですか
小学校で教わりました
動物の死骸は土に変わると
野菜の残骸は土に埋めると
お母さんに聞きました
おじいちゃんは
土に還って眠っていると
地面は ....
前に娘
後ろ椅子に息子
三人乗りで
自転車をとばす
重なった影法師が
むくむく育ち
故郷でよく見た
山の形と同じになった
つながった稜線
家族が並びあう姿
あぁ
毎日見て ....
時々
ドキドキ
疎外された気分に
なって
少し雲をみる
覆われるように
垂れこめている
少しの間包んでくれ
マフラーを巻きなおす
自分だけのページが出来た
生きている
言い切 ....
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