すべてのおすすめ
この瞳が
太陽の光を
嫌がっても
この鼻が
草のにおいを
忘れても
あたしはいきていくんでしょう
これからもいきていくんでしょう
この耳が
そよ風の音を
こぼしても
この ....
あなたは 息を しているのですか?
あなたは 呼吸を 止めているのでしょう。
私の 並べ立てた 言葉の 配置に
無呼吸の 弟子が
立ち並んでは
盲目の 仏像
に
問い掛けるので ....
地の神様は朝霧と共に山を駆け昇る
風の神様は雲を引き連れて空を渡り切る
日の神様は炎を揺らしながら天を焦がす
日と月を追いかけて
神々が睦月に旅を始める
冬には雪をしんしん降 ....
ときおり隣りのおやじは
歌い出す
ムード歌謡とかいうやつを
でも別に嫌いなわけじゃない
とりおり隣りのおやじは
大声で電話で話す
玄関先で出会うこともある
....
両手のひらをまっくらに染めるような思いで
とらえるのではなく囚われて
何度のあさを終わらせても
....
遠くにいきたい
遠くにいきたい
ささやく声にみちびかれ
この髪の毛を風になびかせ
かろやかな足取りで
時に立ち止まり
光りと影のおりなす景色を眺めながら
遠く ....
円くなる月に気持ちを照らされ
遠のく月に寂しさを募らす
秋は深まり
吹き抜ける木枯らしに
人肌恋しと月を見上げる
煌めく星は
人知れず深遠になり
恋焦がれる気持ちは募るばかり ....
足は
深い草の中だった
踏んでいるつもりで踏む足音は
深く柔らかな草の中からだった
うらぶれたいだなんて、高架下
うらぶれたいだなんて、アスファルト
いつからか ....
我が浮力は何ぞ
この鳥ならば考えたに違いない
何を見ても灰色
否
我じたいが灰色に充たされた浮体であるとき
眼から脳までの
ながいながい距離
山岳を漸くにして越えると
途方もな ....
祈る 祈る
歩く 歩く
私は 言語を 発さない
ため
祈る 祈る
死ぬ 死ぬ
私は 言葉の 園で
舞い踊る
ため
行く 行く
黒人奴隷が 又 一人
身近な 子供を 連れて
....
波が寄せる海から
風の吹く丘へと上がる
着るつもりだった服は皆
夜の内に焼いてしまった
毛皮をぬいでしまったから
私たちはすっかり裸
そうして裸のまま、手をつなぎ
丘をのぼる ....
昨日 はす向かいの家の犬が
三匹の子犬を産んだ時
アフリカ国境のキャンプで
百人の子供が生まれたらしい
朝 すれ違ったランドセルの女の子が
下駄箱の靴に忍ばされた画鋲で、親指 ....
あなたがその腕力で私の身の自由を奪うのなら
私はこの言動であなたの理性を狂わせてみせる
あなたが言葉巧みに私を操ろうとするのなら
私はそれに乗ったふりをしてあなたの征服欲を嘲笑ってみせる ....
たんぽぽのように ふわりふわりと あなたの所に行って
あなたのくったくのない微笑を見ていたい。
そこで 芽を出し ずっとあなたの傍にいたい。
・・・でも本当はありのままのわたしが あ ....
死亡した 空間
1時
から
丑三つ時までの
空白 無言の 天使
うねる 賢い 生徒達
私の 労働に つい
孤独を 感じる
ので
死亡した 時間
4時
から
朝焼け 蝿が 転 ....
誰かわたしを飼ってください
朝 かろうじて
そう わたしの耳がささやいたとき
ひとが姿を現しはじめた
かつて わたしがどんぞこで
まだ 形をとりもどしていない頃だった
....
嵐の夜
白と黒の町
{ルビ礫=つぶて}のなかの
廃屋をめぐるまわり道
螺旋階段に立つ人々
雨のなかの天使を見下ろしている
瞳から瞳へ落ちてゆく滴
水彩の ....
焼死体が三つある
引き出しの奥に腐ったオレンジが
わたし
湿り気のガラス窓で
手を切る
切ない気分でいる
洗濯機の中
誰も知らない命が
無邪気に
....
降りやまぬ雨
風が吹き
雲が流れている
水の中
流れ流れて
雫が温かい
それは なあに
むこう側に君
こちら側
水の中
たそがれて
....
わたしが毎晩家にいると
友達がみんなバカにする
約束も無いのに男を待っているなんて
負けてる証拠だとバカにする
お風呂の扉の前まで電話を持ち込んで
シャワーの間も電話がかかってくることを期待 ....
あ
もしもしオレや
おいオマエ今どこにおるねん
またアメ村あたりを
酔っ払ってフラフラんなって
歩いてんのとちゃうやろな
ええかげんちゃんと家に帰れや
オマエの嫁さん
あのブッサイクな ....
わたしにゆるされることは手をかさねること
六月の墓地でしゃがみこんで草笛を吹くと
わたしの手はやわらかい土のように
生まれたてのなめらかな手を覆う
(ささやくのはありふれたうたのよ ....
九龍城
住む 住む 憧れ 住む
生きる事に 関し
私達は 棺の中に
住まわなくてはならない
バイオリンが 青酸カリの
弓弾きを 撃ち殺し
たのは
住む 住まない
私が 生きる ....
朝が来ない
出せもしない手紙の 長い夜
想うのは君のことばかりだった
遠回りして
君の教室の前を通り過ぎてみようとしたとき
階段のところでいきなり 出会ってしまっ ....
これから先何年経っても忘れない
そう思ったことさえ忘れてしまう
あなたもきっと忘れてしまった
お互いに忘れてもう二度と会えなかったら
死んでしまったことと同じ
わたしはきっと忘れない
血を ....
不安のコートを身に纏い
不可思議な街を闊歩する
出来そこないの街角で
偶然の出来事が僕達の人生を
決めてしまう
明日出会う人は
今何してる
それでも不安のコー ....
ぼくときみのねがいを
ぼくときみのこどもたちの
そのこどもたちのこどもたちのこどもたちの
そのまたこどもたちのこどもたちのこどもたちのあたりまで
つたえるにはどうしたらいい かんがえているうち ....
傾く 下女の 痴呆の 濃さは
飼い主の 憎女よりも いやらしく
そもそも 出生がない
俯く 下女の 狂気的な 濃さは
下僕の 筋肉を 嘗め尽くす 炎よ
そもそも 棺がない
冷たい砂浜に、誰か
体で泣いている
空生まれの灰が沈んできて
波へ死んできて
折り畳まれてゆく、その灰の
海はノイズだ
今は、眼を閉じて
耳だけの ....
秋に
葉と葉が
まだ生き合っている
その音が、して
その影と影が、あって
その匂いまでが、生じていて
生じては離れてしまうそれらが
見つめ合っていると ....
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