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こどもたちが
口を真っ赤にしながら
園庭であそんでいる
誰かをつかまえ
気に食わなければ噛みつくために
こどもたちは
細い睫毛にひとつずつ
金銀の王冠をつけており
その毛並みは ....
痣が むこう三軒隣りのお姉さんの腕に塗り込まれていた
(おはようございます)
そう 言わずに 黙礼を交わし合って 互いの痣を青く
....
違法駐車を繰り返す 狂う
音をたてて歩き続ける 狂う
死ねって何度言った ?
唇が
繰り返す
....
「恋ってなに」
飛べるもの?
恋人って
なに、
あなたと一緒に ....
家に帰ると 鞄の奥深くから取り出した
携帯に公衆電話から着信があった
そういうことをするのは多分 馨ちゃんだけで
でも何となく 電話をするのは憚られたので
電話してくれた? ....
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、
着席する、石は、
水、ではなか ....
多くの 祈りを 見たが 清廉潔白な 中毒者は おらぬ
お前! 酷く 甘美な 睡魔より
上の 晴れ渡った 獄中に 向かえ
多くの 木々が 生まれる
多くの 木々が 明滅する
お前! 凛然とそこ ....
ふらつきながら繰り返した。
あなたの、その仕草だけが残ってる。
新しい季節は、私だけを置いてゆくけれど、終わらない季節の始まりは、いつだって私に優しいの。
遠い、遠い ....
抱きしめて 歌を (歌を、)
あなたの 匂いや
あなたの 皮膚や
あなたの 内の世界
特急電車が好きだった 普通電車と違って
特急電 ....
妹はよくセックスは嫌いだと言った
「恋人も嫌いさ だって鬱陶しいもん 恋って何だろう ふん
そんなもんがあるとしてさ
・・・私さ ね 人が隣にいる体温が、熱さが好きなんだ
....
多くの婚姻を見るものの、俺には、愛の形式が分からぬ。酷く、哀れな深夜に、女を正視出来ぬ。
俺は 多くの 絶望を 愛していた
彼らの 表情の 暗さ
隠滅とした 飲み場 挫折の 明るさ 俺の 愛 ....
? 冷雨
踏みしめるたびに僕の右足の靴底が
ひゃあひゃあ
鳴っている
今日はやけに
ひゃあひゃあ
鳴っている
*****
? その息吹を ....
生後三ヶ月を風呂につける
いきていやがる
いきていやがる
生後四十七年が
血の繋がらない孫のようなもんを
ゆにつける
あくびしやがる
いねむりしやがる
はねやがる
うりの ....
ゆびわに
そっと磁石をちかづける
朝
ななめのばしょで
かたむいた空にみみをつける と
ゆびさきから
そまる
淡いあさやけのいろで
誰も彼も
うすまってゆく
呼吸 ....
突然君は振り返り、すぐ後ろにいた僕と目が合った。
欅の木に椋鳥たちが帰ってくる少し前で、街灯に灯りが灯った直後で、足許まで夜がやってきていた。ちっとも優しくない優しい風が、君の髪を ....
(残り時間はどれくらい残っているの)
そんな風に焦ってしまう私の中の不安定な【部分】が、いつだって私にはお似合いなの
壊れかけた砂山へとポツポツと降り出した雨は、いつだって優 ....
中日友好35周年と人間友好記念日
この日何万人が両国で往来しているとか
日経全面豪華広告
スピーチ 宴会
北京王府井イベント
周恩来と田中角栄との握手の瞬間の温度
その歴史 ....
わたしたちの目の前で
落ちるブルー、ブルー、ブルー、
*
ブルー、ブルー、ブルー、
いちにちの、落ちる、朽ちる、空はやがて
静かに液化して海となり、闇となり
ざ…、 ....
銀の鱗たちの抱擁に
十重二十重に被覆されたまま
世界の深奥に 沈むもの
嵐 過ぎて後
マンホールの隙間より聞こえる
ゆるやかに 鼓動するもの
いつか伊太利亜 ....
君の言葉はまちがいなく真実なんだけれど
僕が目にした現実が全てを否定する
確実にこの想いは存在しているはずなのに
否めないありのままの宇宙の真理は
梅雨空に本来の姿を映し ....
小さく折れ曲がり
玉蜀黍畑にうずくまる
光と共に、空から
夥しく剥がれ落ちる玉蜀黍の葉の
激しい葉脈を見上げる
光、
青、深緑、
夏、
という、灼熱
....
(天井にはたくさんの実がなって、今にも落ちるような気がする)
犬と抱合しましたの。 痩せた短毛の犬です。
私は十六日前に生まれた女。唖です。
この骨の肉は、絡み合ってようよう見えそう ....
国のためには死ねないけれど
恋人のためなら死ねると思う
そんなことを言う若者が増えてきたので
国は美しい女の振りをして
全国の若い独り身の男たちに
情熱的なラブレターを送りつけた
まん ....
どうせみんな
機械から生まれて
機械に繋がれて
死んでいく
ラヴ・マシーン
メキシコシティ生まれの農夫には
かえるところがない
八戸生まれの漁師には
かえるところがない ....
あなたを睨む
と
眼が痛む
守り隠すように
あなたは柔らかな腹部を下にして
その為に息苦しい眠りの上表には
あなたの背が波打っている
私は扇風機を止める
....
真っ赤な帽子をかぶって
自転車に乗って
川沿いを走る
そのあとには
くちづけだけが残る
彼女は 詩だから
彼女は 詩だから
窓辺にアリスとかハートのクイーンを飾る
....
今からある情景の描写をするが
それはけっして
何かのメタファーではない
それを読んで
書かれていること以上のなにかを
読み取ろうとしたりすることは
まったくの時間の無駄である
/
....
グスターフは 静かに 時を 待って いた
湾口の 砂州は 彼の ふるさと で
きょうは どうしてか
鼓笛隊が 空を 横断 して ゆくよう だった
お ....
こんな拙い言葉では 届かないかもしれない
だけど だからこそ
あなたが視線で追った わたしの一つ一つの言葉が 一行一行が
そのまま浮き上がって 瞳を通して 身体のどこかに 直接流れ ....
戦争に行ったら
兄は変わってしまいます
精神がガクっと
音を立てて
おい、大丈夫だから来い
なんていう力強い言葉を跳ね除けてしまう
幼くして病を戦った
そんな ....
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