ティンカーベルよ ティンカーベルよ
犬絵

降られても 傘ささないで
ハンドポケットで歩いていく
いんわいで にぎやかな 夜のまち
人波の道のさきにみえる幻から目を離さず
メールもせず いわんやケータイさえもたず
ただ 歩き続ける彼女は いさぎよい
ゆうべは眠れなかった 真っ赤な真摯な目は
もはや会うこともない 人の姿を
どんなことをしても捜し出そうとする
ほとんど怒りにきらめいている
けっして泣かない 誓ったから泣かない
だから逆に雨がいいのかもしれない

死んだら会えない 意味がわからない
だから今夜は鉄のように冷たい心引きずって
一人であることを確かめる為には
涙よりは 雨の雫がお似合いだろう
黒いティンカーベルよ

ティンカーベルよ ティンカーベルよ
好きになっては いけないか


自由詩 ティンカーベルよ ティンカーベルよ Copyright 犬絵 2017-09-30 11:21:31
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