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風を待つ帆船と同じ速度で混沌に因る僅かな乱れはやって来る、でももうそんなものに狼狽える歳じゃない、それは蕁麻疹みたいなもので、なにかしら対処をすれば収まるものだということを俺は知っている―それを知 .... 放射線の網の中で寝返りを打ってひとマスずれた世界へ落ちる、衣服の色がほんの少し違うとかそんなレベルの誤差、日頃から些細なズレを見つけながら生きてる俺にはそんなもの異世界とは思えない、特別することも .... ほんの一瞬のため息みたいなきっかけで降り始める夏の雨、傘を持たない僕たちは高速の高架下に急いだ、雲の上の貯水槽が割れてしまったみたいな降り方だった、それでなければ、広範囲に拡散された滝のようだった .... 轢死のような夜を過ぎて、細胞たちは摩耗していた、気分の萎えた腕みたいにだらりと垂れ下がったカーテンを殴るように開いて、狂信者のような八月の太陽を部屋に迎え入れる、間髪入れず始まる灼熱のパレード、そ .... 狼たちは咆哮を繰り返しながら血の匂いがする方角へ走る、真夜中はほんの少し音の響きがいい、俺は群れを横目で見ながらすれ違う、それは結局のところ社会の一員であることと同じなのだ、オリジナルという観念が .... 地面に落ちたふたつの実はもうどうすることも出来ないほど腐り果てていて、ああこのまま土に還るのだと…少し悲しい気持ちになりもしたけれど、でもそれは無駄なことではないのだと気付いてはっとした、それを食 .... 自然公園には干乾びた人々の夢が沢山落葉に埋もれていて今日の俺の漠然とした恐れもそのひとつとして零れ落ちていく、時折灰が降るような音がするのはそいつらが騒いでいるのか、午後は痴呆症の老人の笑みのような幸 .... 乱雑な狂騒の中で何とかかたちになろうともがいているいくつかのものたち、崩れ落ち翻る一瞬の、つむじ風のような思考がそこら中に牙を立てようとして頭蓋の内側は引っかき傷だらけだ、まるで土葬された人間が土 .... 錆びついた傷口に噛みついた自我が、身体からぶら下がり血を垂らす、内側から炎で炙られるような痛み、それは現実とも言えたし、質の悪い夢とも言えた、どちらかに決めるか決めないかは俺次第で、いつだって結論 .... 小さな裂傷に板切れを突っ込んで開き続けるような痛みと不快感が続いていた、エアコンで不自然に冷えた手足の感触を確かめながら、今日したいことと出来ることの取捨選択に精を出していると、その選択そのものに .... 灰色の週末に憂鬱な手紙と葡萄酒、ガレージの中は半分がら空き、天道虫さえこちらに気を遣う始末、ああいい、問題ない、俺がひらひらと手を振るとようやく居心地のいい場所を探すことに夢中になった、それ以上外 .... ベッドに潜り込んだ状態異常の夜はすんなりと眠りに連れ込んではくれなかった、考え過ぎかもしれない、昼間気温が高過ぎたせいで身体が落ち着かないだけかもしれない、けれどいずれにしても結局眠ることが出来ず、俺 .... 牢獄の幻が脳の片隅で鎖の音を鳴らし続ける長い退屈の午後、僅かな転寝の後で世界は入れ替わっているのかもしれなかった、でもだからって別に俺自身は同じものだし、特別することは変わらなかった、俺はいつだっ .... 遠い夜が囁いている、朽ち果てた自我の向こうから、悲しみは樹氷の様に凍てついては煌めき、気の早い遺物となってぐずぐずと生き残る、それは叫びだったはず、それは叫びだったはずなんだ、夜のようだったが薄明 .... 鋭利な刃物が頸動脈に狙いをつけている、極彩色の夢を見た朝は、初めにそこが天国なのか現実なのか確かめることから始まる、天国ならラッキーって思うし現実ならウンザリする、でも未来があるのはいつだって現実 .... もしも僕の手に銃が握られていないとして、君はそれについて、僕が殺意を持っていないということになるのだろうか、だとしたらそれは凄く下らない認知の仕方だし、ひとつの結論としてとても愚かしいと僕は言わざ .... お前の臓腑の中で冷たく湿った夢に溺れたい、外気温はウンザリするような数値を示しているだろう、でも俺はそれを確認したくない、もしも俺が銃であれば二度と目にすることも出来ぬくらい綺麗に破壊するだろう、 .... 女は朝早く家を出て行って、俺は彼女の最後の言葉をシンクの中で火葬する、昨日まで続いていた雨は止んで、ブルーの薄いスクリーンが貼られてでもいるように空は均一に青い、真夏の様な猛烈な光と熱が暴れ始めて .... 剥落していく昨日と、壊死気味の今日のボーダーライン、何もかもがぼろぼろで鬱血した世界だから、本当に美しいものが眩しいほど輝いて見える、俺ぐらいそのことを理解している人間はそんなには居ない、確かめた .... 俺がキッチンで魚の鱗を飛ばしているころ、君は花壇の雑草取りに夢中になっていた、キッチンの窓は花壇の正面にあるので、俺は君のそんな実直なまでの姿勢を存分に眺めることが出来た、草花への愛情、美しく咲く .... 無機質なノイズの跳弾、ペールギュントのリズムにも似て、レストハウスの廃墟の中で、シンパシーの渦に巻かれる、行きつ戻りつする時間、現実なんか参考にならない、リアルな時の捉え方は、定石通りじゃほとんど ....
洗貝新さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
踊りな、人形たち- ホロウ・ ...自由詩325-9-14
My_Enemy- ホロウ・ ...自由詩4*25-9-7
終わり続ける夏の日- ホロウ・ ...自由詩5*25-9-1
動き続けてはいるが解釈は異なる- ホロウ・ ...自由詩5*25-8-31
吠えるよりも先に噛みつく場所を決めておけ- ホロウ・ ...自由詩4*25-8-24
どうせ迷うなら命を賭けて- ホロウ・ ...自由詩5*25-8-16
呑気な不意打ちの午後- ホロウ・ ...自由詩3*25-8-9
詩情は畏まって座っていたりしない- ホロウ・ ...自由詩5*25-7-24
真っ当な鎮圧- ホロウ・ ...自由詩2*25-7-6
結晶は胎児の様に血塗れの臓腑から摘み上げられる- ホロウ・ ...自由詩3*25-6-29
One_Day- ホロウ・ ...自由詩3*25-6-22
呪いの夜- ホロウ・ ...自由詩4*25-6-17
pass_blood- ホロウ・ ...自由詩2*25-6-6
それは静かにゆっくりと燃え上がり、また、しばらくは燃え尽きる ...- ホロウ・ ...自由詩1*25-6-2
結局、血が騒ぐ- ホロウ・ ...自由詩1*25-5-25
24/7ノイズ- ホロウ・ ...自由詩3*25-5-21
水中に居ると何かを思い出せそうな気がする- ホロウ・ ...自由詩8*25-5-17
氷河の朝- ホロウ・ ...自由詩5*25-5-11
此処であり、何処かでもある- ホロウ・ ...自由詩3*25-4-27
はじまりが歌えているかどうかが- ホロウ・ ...自由詩2*25-4-5
出来るだけ積み上げるんだ、終幕の景色はとても高いところにある ...- ホロウ・ ...自由詩2*25-1-26

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