ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で

わたしも
立ち止まったままの
蝸牛

さまよえる
迷子

冷たい風が
「シッ!」
っと ....
一夜、すぎ
油の匂いのする聖水の
油膜を
洗い、すすげない、
その匂いにキャンキャン鳴いている
かしこい顔の犬を追いはらい、
泣きそうな君を
バス停までだけどね
見送ったのに、
君の ....
記憶ってなんだろう
僕の記憶って

記録は嫌いなんだ
風にまかせて書き留めたほうが
たぶん素敵だから
悲しくても
涙を流すこともできず

くやしくても
叫ぶこともできない

誰をうらめばよいのか
問うこともできず

寒々とした
野にさらされている


その積み上げられた姿が
 ....
まあ
このくらいで
いいでしょう

すべては過ぎ去るもの
衰え朽ちてゆくもの
明日は在るかどうかはわからない

ならば空になれ
鳥になり海を渡れ

繰り返し繰り返す過ちを忘れ去り ....
御存命でしょうか
なんて言われたらあなたはどうします
餌が鳩を縛るまま
衰退は止められなかった、と
御存命でしょうねたぶん
ただ、絵筆に描く人が見あたらない
それが哀しいのです

 ....
透明に見える水が本当は青色だって知ってた?

真実を見抜くその瞳も
本当は透明なんかじゃないんだよね
わたしがその事に気付いた時
君は動揺を必死に隠そうとしていた
その瞳に色を宿して

 ....
哀しい記憶を包んで、紫

滑らかで柔らかい膨らみ、紫


愛しい幻覚

永久(とこしえ)に眠れ
この冷たさに敗戦を直感する
そうだ敗けたのだった
風景は「終わった後」のものとなる
昔にもこの土地はあった
ガードレールもアスファルトもない頃から
ずっと続いている進化しない夕焼けを
昔の ....
 四日、私たちは不調の機械をだましだまし使いながら、なんとか山林のノルマ面積を整備した。午前中、少し遅くなったが終わらせたのだった。
 軽四のワンボックスのエンジンを掛け、ヒーターを最大にする。防水 ....
フレームだけを残してフロンティアが
朽ちている、錆びたフレームを隠すように
蔦が這い、忘れられた、いろかたち

老人が指差す、そこが境目だと
フロンティアがあったと、かつての
開拓地を指し ....
約束もしていないのに
お互い振り向いたら
どちらかが目を逸らす

穴の空いた僕と
透明な君と
惹かれ合うのは当然だけど
諦めるのも必然

でも探り探りだから
しばらくは一緒にいられ ....
原子レベルの
量子テレポーテーションが成功して

もうすぐ
小さな物質が
転送できるようになるらしい

まるでSFの世界の
転送装置のような働きも
夢ではなくなるかもしれない

 ....
朝焼けのそのムコウより

夕日の果てまで行ってみたいな

最後の煌き(きらめき)帰って行くまで

見送っていてあげたいな



追いつくことが出来るなら

夕日について行っ ....
ころころ
ころころ
ころがって

わたしのタマシイ
磨かれたのか

泥だんご
一生懸命磨けば
ぴかぴか光る

艱難苦難
坂道ころころころがって
もうすぐゴールにさしかかる
 ....
音もなく
果実が枝から落ちた
アスファルトに広がる無残なそれらは
太陽のように輝いていた
あの果実とは思えない

これは大事件だ
心の中で大声を上げて
誰かを呼んでみた
寄ってくるの ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ

次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
問い返すたびに僕が増えてゆく
ジミヘンのファズノイズでもあるまいに
あるいはピンクフロイドのエコーズ

探す程に海は深く遠く風ばかりが吹いている
僕のこころの荒涼が優しく増殖してゆく
 ....
夏の陽が透ける
柳の梢を見ると
春の桜も紅梅も
心の梢に消えず
秋の時雨を飲み
葛の眺めに風畑
冬の雪雀は凍え
霰の豆を追掛る
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
あなたが雪なら
離れていよう
解かしてしまうから

わたしが雪なら
そばにいたい
温もりで解けたいから

ふたりが雪なら
結びついて
ひとつの氷になりたい

雪が生まれたら ....


あなたに会ったよ
夕方 金曜
こみあう郊外のマーケット

カートを押して
気づけば
目の前にあなたがいた

みつめる僕の視線を
たくみに外す
あなたのしぐさに
胸をつか ....
{ルビその挑戦は魅力的に見える=ドアに貼り付いたタロットカードの"愚者"から良い匂いがしてくる}
{ルビそれは挑戦だからもちろん結果に成功と失敗がある=タロットには正位置と逆位置 ....
 
「 ここはあたしたちがみつけたばしょだから

  あんたどっかべつのところでおべんとうたべなさいよ 」

 と云われた女の子は

 ひとり 歩いて歩いて

 森をぬけ

 イ ....
木目に触れてつま弾いてみる
腕にしみる音だった
慌てて左手で右腕を抱く
静かに響きが止んでゆく

無粋ないたずらはするまい
たとえ喫茶店の壁が木目であっても
誰かがベースを弾くように
 ....
想像してたより
酸っぱいね
これが恋ならば
甘ったるいものを好む君には
向いていないのかもしれない

ドキドキと心臓が鳴るたびに
運動嫌いの君を思い出す
同じような想いをしているんだろ ....
難解な曲が多いビートルズの中期の作品の中で、異色ともいえ
る、驚くほどシンプルなこの曲。「ハロー」「グッドバイ」、
「ストップ」「ゴー」、「イエス」「ノー」など正反対の言葉
を曲の最後まで繰り返 ....
咲くだけしおれる花の芽をつんで
これが愛だったらいいのにねえ
わらう

バスの座席が暗く淀むから
歩いて帰る
ぬかるみを

(これが愛だったらいいのにねえ)
ぬかるみを歩いていく ....
今も昔も変わらず
清き流れ 桂川

石割山の桂の木の下から
最初の一滴が染み出し
やがて千年の森繁る富士山の湧水と合流
桂川溶岩流の上を流れゆく

人の命も然り

一時も絶えること ....
ハチミツを垂らしたような首輪で
繋がっている空を眺めると
どこかで優しい声が聞こえる
月の砂漠に迷い込んでいた

あれが好きとかこれが嫌いとか
輪っかを投げるうちに出会ったから
正面を向 ....
もとこさんのおすすめリスト(1092)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
くらやみ蝸牛- 立見春香自由詩1319-12-18
一夜、すぎ- 秋葉竹自由詩1019-12-17
記憶- 梅昆布茶自由詩619-12-17
怨念をのせた北風- st自由詩819-12-17
結び- あおいみ ...自由詩319-12-15
失地- アラガイ ...自由詩13+*19-12-15
透明なアオイロ- 卯月とわ ...自由詩919-12-14
夢紫- 邦秋自由詩4*19-12-13
この冷たさに- mmnkt自由詩219-12-12
二〇一九年初冬- 山人散文(批評 ...2*19-12-7
寂びる- 帆場蔵人自由詩319-12-7
二人- TwoRivers自由詩2*19-11-28
テレポーテーションはしたいけど- st自由詩319-11-28
明日の来ない恒星- もっぷ自由詩2*19-11-28
泥だんご- 玉響自由詩319-11-27
果実投身事件簿- 卯月とわ ...自由詩919-11-27
- mmnkt自由詩319-11-26
- 梅昆布茶自由詩1319-11-26
真仮名に腰を下ろして- 丘白月自由詩219-11-25
密会「小寒い艶話」- アラガイ ...自由詩9*19-11-25
- 丘白月自由詩3*19-11-24
マーケットで- ryou自由詩119-11-24
挑戦への情動- 幽霊自由詩219-11-24
journey- 墨晶自由詩2*19-11-24
喫茶店にて- 木葉 揺自由詩619-11-23
終わりを読む僕- 卯月とわ ...自由詩4+19-11-23
ビートルズ・「ハロー・グッドバイ」の謎- st散文(批評 ...419-11-23
ぬかるみ- はるな自由詩219-11-23
桂川の畔にて- 玉響自由詩119-11-22
三日月- ミナト ...自由詩319-11-22

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