明け方から空はおもく
だれも重力からはのがれられない横顔で
つたい落ちる街の額を
始発がつーっとひらいていった

開拓者たちのネイビー
捕食者のパープル
シスターたちのピンク
嘔吐する ....
しんしんと
降る夏の雪

僕は外套を脱ぎ
マフラーを外し

蝉は鳴かない

音をなくす者の
白い昼に降りた

蚊は飛ばない

四肢を振り
流れるツタ

煉瓦のような
 ....
夏は哀しい季節
万物生命が
命を燃焼させるから
ただただそれが
とても哀しいのです
 網戸の向こうには、山岳の稜線と薄明るい空がはざかいを浮きだたせている。草むらではコオロギなどの虫の音が、凌ぎやすい朝のうちにと盛んに音を紡いでいる。朝の涼風が頬にあたり、ひさびさのインスタントコーヒ .... メゾン・ド・ウジキントキ






●●●●●●●●●●●●●●●ひぐらしの声が 波だ〇
●●●●●●●●●●●●●●くらしの 高温注意報の〇〇
●●●●●●●●●●●●●はしばし ....
 ここ二〇日ほど勤務や家業で、休みなしに働き、体に違和感を感じていた。
 朝方、今日の弁当は?と妻に聞かれた。十三日から開始した登山道・あるいはその周辺の除草作業だったが、そのきつさや膨大な作業量を ....
林床にはブナ林特有の雑木が生え
そこを刈り払い機で刈っていく
すさまじいヒグラシの鳴き声の海が森を埋め尽くし
私たちの耳に、錐もみ状に刺さっていく

急な斜面を足場を作りながら雑木を刈る
 ....
だいすきだった詩人が
詩のことなど忘れて
湯を沸かしている

うすいまぶたに光が乗る

忘れて、
忘れて、
忘れて、
生きなさいね。


わたしの耳は聴く
すみません。
ちょっとかいてもらえますか?
あ、背中じゃないんですよ。
リュックの中にノートとペンありますんで。

え?いやぁ、私はご覧のとおり、
右手に長男、左手に長女のいるベビーカーで ....
短い髪の毛を揺らして歩くセーラー服
単調な音を鳴らすしまむらのスニーカー

畦道の傍らの、コンクリートに転がった
蚯蚓の焼き尽くされた死体が
まだら模様に広がる夏

自転車の回転 ....
テレビのボリュームを下げる頃には晩酌の酔いもすっかり覚めている。
眠気を通り越してしまう         小腹も空いてきたよ、なんて
     と思って近い台所をあさるのだ。 (すがやかほれば ....
{引用=松本へ行く道すがら、ルート19号のダム湖を取り巻く緩やかなカーブに沿って、ぼくは軽自動車を走らせていた。流しっぱなしのYouTubeからは尾崎豊の『15の夜』が流れ出す。なんてこった。またなん .... 人は、なれるもの
昨年までエアコンがなく

といえば全裸で
過ごすものであったのに
今となっては朝から冷房を入れて
そのくせ布団に
這入っている

人は、なれるもの
家族が一 ....
誰かの物になるよりも、
いつまでも誰の物にもならない
図鑑に載らないような生き物でいたい。
透明で、どこまでも届かないような
そんな生物でありたい。

今夜も、海は、白い。

ここ ....
誰が見てなくても
少しだけしっかりやろう

今夜は違うんだ

僕は姿勢をいつもより正して椅子に座ってる
君からの電話はいつくるんだろう

今夜は気持ちが少しだけ落ち着いてる
目もつむ ....
人にかける言葉の
優しいひとを選びたい

選んでどうするのかと
問われても明快な答えもないが

そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず
規定するあなたがたの定規はどこまでも ....
新しい年度が始まり
新たな気持ちが芽生えて
わくわく感が増す

春の潮騒が後押ししてくれる
自然の優しさが身軽にしてくれる

耳を澄まして
春の潮騒を聞く
静かな心に寄り添う

 ....
真実の仕合わせと
偽物の仕合わせを
きちんと見分ける眼なんて
持ってなかった

ひとときの感情に振り回されて
見失った大切なもの

振り返れば
ずっとずっとずっと
続いている自分の ....
ここに記すことは
僅かばかりの蓄財の子への法的な譲渡に関するいくつかのことがら
そしてその他言い尽くせぬ様々の経緯、背景、心境を集約し遺そうとする意思
その意思はギリギリまでに削ぎ落とされ、真実 ....
きみはときおり
溶けてしまうね……



信号機に架かる
朝の虹を
ながいあいだ眺めて
お腹から
消えていく
涼しくさわやかな風も
去っていくみたいに


海のなか ....
 久々に二時半に尿意で目覚めた。最近、あまり良質の眠りがとれていないのにと心でぼやきながらトイレに立った。寝床に入りもう少し眠りをと願ったが、最近また体重が増えた妻のいびきがうるさく、結局寝れずにその .... 廃田の草を刈っていると突然大雨となった
しばし、刈り払い機を雨の当たらない所に置いて
雨の中に立ったまま私は辺りを見ていた

これからのことを打ち消すように
雨は降りしきり、そしてまた
何 ....
6/1
古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く

6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずん ....
湿る金属 の臭いと 舌の先

{引用=金属は湿っている
唇は乾いている

それは六月二十三日
信号は点滅している}



主の無い 蛍袋と 荒屋敷

{引用=壺屋の水は ....
夏に買った
金魚鉢は
金魚を飼うための
金魚鉢なのに、

いまではもう
青空を飼ってしまっている。

いつか知らないうちに
金魚が青空に
溶けてしまったという、
嘘みたいな嘘 ....
昔の古い人
今となっては

産まれたばかりの赤ちゃん

産まれていないときは母親になる人のお腹を
よく蹴った

今となっては昔の古い人も
まだ産まれていないときは同じようにお腹を蹴っ ....
天に舞い上がった
ひと粒の砂よ
雨の核となりて
陸に戻れ

アスリートは髙らかに詩を歌え

アスリートは詩を歌う
アスリートは詩を歌わない
アスリートも詩を歌えや
アスリートは、詩 ....
挨拶から始まる朝は来ない
顔を見たなら悉く突き合うまで
さして時間はかからない

めんどり二羽の朝の風景
イラつく調理場
割れる玉子
割れない石頭

言い返さない方が利口
聞き流せ ....
結局、俺はいったい何者なんだ
その答えはかいもくわからない

人間始めて
今日まで人間続けているけどさ
明日は人間やめてるかもわからない

勿論
このまま人間続けていたいけどさ

 ....
窓の外、私の心、雨模様
天上の隙間から
ポツリ、ポツリと落ちてくる
雨粒は、まるで涙の雫
涙で心を濡らさぬように
私は、心に器を置いた

水差し、花瓶、一輪挿し
グラス、徳利、夫婦茶碗 ....
もとこさんのおすすめリスト(1092)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
とうめいな体験- 平井容子自由詩520-9-5
summer_snow- ゴデル自由詩1*20-9-3
哀しみ- 渡辺亘自由詩120-8-28
稜線- 山人散文(批評 ...6*20-8-27
メゾン・ド・ウジキントキ- るるりら自由詩420-8-21
休日- 山人散文(批評 ...6*20-8-16
ブナ林にて- 山人自由詩16*20-7-24
詩のことなど- はるな自由詩620-7-20
かいてください- 木葉 揺自由詩10*20-7-20
新盆- ゆるこ自由詩6*20-7-20
道すがら- アラガイ ...自由詩10*20-7-20
ルート19号の幻想- 道草次郎散文(批評 ...6*20-7-20
- 三月雨自由詩3*20-7-19
深層- ねこ(ki)自由詩220-7-19
満月の夜- 道草次郎自由詩6*20-7-19
カート・コバーンに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩19*20-7-18
春の潮騒- 夏川ゆう自由詩320-7-18
あの日あの夜あの時の感傷- こたきひ ...自由詩220-7-18
エゴイズムを超えるために書かねばならなかった詩- 道草次郎自由詩420-7-17
純愛物語- 秋葉竹自由詩720-7-17
毎日雨が降っている- 山人散文(批評 ...5*20-7-7
これから- 山人自由詩17*20-7-2
6月の日記- 印あかり自由詩9*20-7-1
梅雨も明ければ- AB(な ...自由詩9*20-6-30
金魚の音- 秋葉竹自由詩1120-6-28
昔の古い人だから- こたきひ ...自由詩120-6-28
アスリートは髙らかに詩を歌え- 足立らど ...自由詩320-6-27
めんどり- 為平 澪自由詩520-6-27
サイトを開いて閉じる迄に- こたきひ ...自由詩120-6-27
雨降り、心- 小林ケン自由詩3*20-6-27

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