君に会えると
言った後で
君に会えないと
嘘付く花びら

たんぽぽの
輪郭が消える頃
夜はスカートの
下に潜り込み

君に会えるまで
数えた黄色の
長い爪を集めた
花占いが
 ....
左足が小さくなったのだろうか
どうしてもスニーカーが脱げそうになる
なんとか必死に踵のところで
抑えつけるようにして
やっとの思いで引きずっている
右足はそんな様子はちょっともなく
スニー ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人

街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
嵐は
吹きすさび
すべてを舞い散らかしているよ

母の死骸は花びらとなって
わたしの風に抱かれている
天高くつたい
成人後にまた再生した
死によってこそ記憶された
おおくの命を
そ ....
うつくしいひとたちに遇ひ

うつくしいはなしを聴きました

空はたかく 澄んでゐました

かなしみはもう とほくにありました

よろこびは すぐそばに そして

手のとどか ....
遠い春
過ぎてきたのかな
本当に
くたびれるほど
歩いたのかな
何もしないうちに
終わっていきそう
このまま
眠れるのなら
いいけれど

夏は待ってくれない
そして
置い ....
お義母さま
あきの こごえです
朝風に 精霊バッタの羽音が
そっと 雫を 天に すくいあげています

何が終わったのでしょう
もう はじまりはじめの空
むかしむかしの反対のはじまりのはじ ....
ここが夢か現実かなんてきっと一生わからない。揺るがないものなんて何ひとつないんだと、停電した部屋のすみでキットカットをかじっていた。あたしただのバグで、この部屋はゴミ箱で、正常値を保つために世界から取 .... うおお
雨が降っているぅ
と叫びたいのに
憚られる想いがして
綴るに留める

世知辛い世の中になったものだと
時世を不愉快に思いもする

だからといって抗うこともできず
為す術もな ....
名も付けられぬとりどりの色をしている砂の文字列に埋もれて
やわい肉を縮めこませ
耳を塞ぎ
あなたに握りしめられればその途端
脆くパリンとわれてしまうような
うす青い貝になってしまいたいときが ....
熱風が吹く夏の午後
僕は木陰に座っていた
何一つ考えることなく
ただ予感がヴィジョンを結ぶまで

草木が揺れ
積乱雲が流れ
風景は異郷と化し
一日も百年も等しくなって
裸の少女が夢見 ....
不幸な人は、さらに不幸な人を見て
安心する、
さらに不幸な人は、もっと
不幸な人を探して安心する。

この世界中で一番不幸なひとは
自分のことで精一杯で、
他人の不幸を
気にしているゆ ....
赤い鞭が腕を滑って
削ろうとした生命線よりも
傷跡をひとつ手首に増やし

生きてることを感じられるために
私は今日も罰を受けています

剥き終えた林檎の皮のように
渦巻く心で毒を溶かす ....
目を開けたまんまの
ぬるぬるの
水を切るように泳ぐ生き物
魚になって
川を泳ぐんだ
川面の虫を捕らえて
ぱくりと
岩陰へ潜む
心地よい風は水
液体の風
だから風の摩擦を感じる

 ....
あれっきりだけれどお元気ですか
月と火星を指でつなぐくらいの距離
びゅんと、目をつぶっていれば三時間くらい

インターネットがぼくらの秘密基地から
渋谷の交差点になったころ
あいもかわらず ....
 
 手で掬った水のように

 築いてきたものが

 確立させている考えが

 どうあがなっても もがいても

 こぼれていく こぼれている

 手の平に残った一滴に問いかける
 ....
アップデートに本体が耐えるかどうかが心配なんだが
そんなに最新のVer.でいきてゆける訳ではないんだ

情報格差とは素敵すぎる造語で仕掛けられた欺瞞なんだろう
いつも調整しながら生きている老体 ....
一日の終わりに西日を拝める者と 西日と沈む者
上り坂を登り終えて病院に辿り着く者と そうでない者
病院の坂を自分の足で踏みしめて降りられる者と 足のない者
西日の射す山の境界線で鬩ぎあいの血が
 ....
雨と点滴はどこか似ている

涙のようにつたい落ち
大地なる体を潤そうとする

友の瞳が夢を見ているうちに

雨よ止んでおくれ

彼が誰かに恋するには気恥ずかしく
与えようとするのが ....
七月の畑の
ナスの丸い実を
左手に切り落とす
紫の針が
指先を削ぐ

右足の爪先に
陽を丸く落とす
立ち上がり 雲に翳り
鳥の翼が素早くめくられる

私達の早朝の証である
縛ら ....
わたしがおばあちゃんになるまで
あるだろうとなんとなく思ってた
レストランが
「閉店いたしました
長年のご利用をありがとうございました」
さようならのプレートが
汗ばむ夏の風にゆれてた
 ....
小さなサイコロが
ころがっていく

平坦に見えた道に
傾斜がかかりはじめたから
なにもかもが
かろやかに
だけど
のがれることはできない

さよなら

さよならも
すなつぶも ....
雨が降り続く夜

逢える予定だったのに
急に別の予定が入ったらしい

逢えない夜は
寂しさが顔を出す
夕飯は何故か味気ない

長い長い夜
一人だと更に長く感じて
寂しさが増してい ....
腰が重いので
立ち上がるのが難儀だった
今朝の自慰行為は恥ずかしい
幼い頃に戻ったようだ
そしてまた寝て仕舞う
午前中は自堕落だ
自転車が過ぎるバイクが過ぎる午後五時台
昨日午後七時六分 ....
運命のように
そこへ落ちた種だったのか
それとも意志だったのか

雨の晴れ間
煉瓦の隙間に芽吹いた健気な
目立たない草を抜く

弱い日差しの下
幼い命を選別する
神のごとく
悪の ....
枯れ葉が欲しい

掻き集めて
潜り込んで
隠れていたい

きっと
かさかさする
ちくちくもする

それでいい

うずまって
でんぐり返しして
ばらまいて
また掻き集めて
 ....
つけっぱなしのカーラジオが
砂飛沫をあげ走り抜ける朝
僕はこの街の片隅で
ウサオとウサミを突っついて
キリルキリルとハラハラしている
絶望的に群青の空には
黙々とした入道雲が湧き
砂山の ....
ぽっかりと空いた時間に何をしよう

流れる雲はいつもよりちょっと忙しそう

吹く風は私をちっとも気づかってくれないし

花はまたねとゆらゆら揺れている

石ころはちっともこっちを見 ....
友よ、
夏の朝は蝉の羽に描かれた透明な街路図
すべては透明に満ち足りている
夏の灼熱の陽光は
まるで新鮮な水かなにかのように拡がってゆく
辺りの建物の窓や街路樹の緑 色濃い花々に
輝きと潤 ....
ふんふんふんふん

どうしたってさ いろいろあるよね
びっくりさ

父さんに捨てられた
ぼくが
父さんを捨てたひ

ね、笑うかい

{注イデアを宝石と呼ぶ人=瀧村鴉樹『胎児キキの ....
もとこさんのおすすめリスト(1092)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
輪郭- ミナト ...自由詩218-9-5
左の足から- 坂本瞳子自由詩2*18-9-4
ケン玉- ……とあ ...自由詩618-9-3
花嵐- 田中修子自由詩818-9-2
- 石村自由詩15*18-9-2
遠い春- ゆうと自由詩1*18-8-31
ラ・ラ・ラ族- るるりら自由詩22*18-8-30
.xxx- 青花みち自由詩5*18-8-27
真夜中に降る雨が- 坂本瞳子自由詩3*18-7-24
とりどりのいき- 田中修子自由詩10*18-7-24
贈り物- ひだかた ...自由詩6*18-7-21
不幸なヒト- 八木ヒロ ...自由詩218-7-19
汚染- ミナト ...自由詩218-7-19
- 山人自由詩3*18-7-19
Re:あいもかわらず- 青の群れ自由詩918-7-18
こぼれ落ちる- 佐白光自由詩5*18-7-18
アップデート- 梅昆布茶自由詩14*18-7-17
西日- 為平 澪自由詩318-7-16
呼吸- まみ自由詩7+*18-7-16
七月の畑- オイタル自由詩618-7-15
クローズド- 田中修子自由詩9*18-7-15
夏の入り口へ- そらの珊 ...自由詩2018-7-15
逢えない夜は- 夏川ゆう自由詩218-7-14
日記を書く- 間村長自由詩418-7-13
どこかから飛んできた- Lucy自由詩9*18-7-13
枯れ葉舞い- 坂本瞳子自由詩3*18-7-12
7月12日- たこ自由詩318-7-12
ぽっかりと- 天鳥そら自由詩9*18-7-12
蝉時雨- 本田憲嵩自由詩1218-7-8
父さんをすてた日- 田中修子自由詩4*18-7-7

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