水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく

やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら

降りていく
宇宙の底 ....
柔らかな薄桃色の掛布団
夕暮れの雲に覆われた空
真っ白なシーツをふわりとまとう敷布団
おやすみなさい
積み上げられた徒労を包み
疲れた笑いを
しずかにほどいて
瞼を透かす朝のことなど
 ....
とても良い朝には
きみに電話をして

かわいい化け物の話とか
食べきれないピザの大きさなんかを
評論してみたいんだ

ときどき売りにゆく
柱時計がボーンと鳴り

寺山修司が競馬新聞 ....
足場は細く
どこまでも長い
尾根を歩いていた
草木は低く
岩肌はもろい
周囲を見渡そうと踏み出した
足を滑らせ
落ちる
底のない
服は破れ
皮膚は削れる
すこし宙に浮く
落ちる ....
((蒼穹を飛んでみせてよ))

    ((そんなのいやだ))


((どうして?))

      ((だって、「蒼穹」なんていう言葉は古すぎるもん))

 ((じゃあ、「青い空」 ....
にんげん
ぎりぎりになったら
嘘と本当がわかんなくなるよね
あのウイルスが
どこまで恐ろしいのか
まだどこにも
本当はないんだよね
米国のメディアが
あの船の扱いを非難しているらしいけ ....
凍りながらかけてゆく
つま先の音が
まぶたの裏でひかっている
薄むらさきの血液が花を
さかせていた
降ってはかえる雪の
野は
斑にはるをくちずさみ
ついになった色から透けてゆく
した ....
  東京
  透けた卵管が
  標識のたかさに浮いて
  われらを 孕もうとする

  香港
  銃声のようにみじかく
  中毒のようにながい
  発狂が四角に建つ

   ....
在りし日の 
オスカー・ピーターソンの指は
鍵盤の上を無心に踊り
宙に奏でる音符の流れで、僕に云う 

(生きるって、悪くないよ
 時には素敵なこともある)

「この世に、虹はあるのか ....
日曜日の午後に雨に濡れていた
雨が滲み込んでいく土地は
いつしかインフラ工事も終わり
街が産み落とされようとしている

興奮と鎮静の狭間で理性を失うことは身体に良くない
すこし海の底まで堕 ....
たゆたう面影の午後を錯覚として生きているのだとしても。
あなたは葉っぱだ。大きな蓮の葉の形した
あなたはラッパだ。
素敵なクリスタルの星星を宇宙に輝かせる

そうして私の信仰は止むのだろう
 ....
さん、らん、する、さん、さん、と降りそそぐ、ひかり
の卵、ひかりが、生み、落とす、きのうへの、あしたへ
の、記憶、あなたがいない、そのことのために、はつね
つする、記憶、、、さん、らん、する、さ ....
僕はマリオネットである
ただ、本当にマリオネットという訳ではない
まるで、マリオネットの様に動くからである

人にこれを買って来いと言われたら
すぐにでも買いに行く
人にこの仕事をお願いし ....
溶けていくチョコレート
だらだら伸びて
いつか水溜まりに
沈んでいくのは
わたしの想い
消えないまま
濁っていく
おばあちゃんの知恵は生きていて
呼吸をしていて
役に立つ

おばあちゃんが死んで
知恵は知識になった

ある日
知識が空から落ちてきて
若者が拾い上げた

若者は
知識を手に入 ....
はいずりをするきみのお仕事は
周りの人を笑顔にすること。

口の端っこをぎゅっと上げて
上と下に二本ずつ生えた白い歯を見せながら
声を出して笑っていよう。

「そこにいるだけでいいんだよ ....
楓は老いることで色づくのだと知り

見事だと思った


去年の事



もののあわれといとおかし


桜より梅がいいなと思う

今日この頃






桜が咲 ....
ある所に少年がいました
少年はいつも元気に暮らしていました
朝早くから起きて水を汲み
それを終えたら鶏の卵を取りに行き
そして、母親と一緒にご飯を食べる
それが少年の日常でした

村の人 ....
どういふことだ
まだ
ひとのかたちをして
星の上にゐる

急がなくてはいけない

廃村のはずれの小さな草むらに
菜の花が咲きはじめてゐる
……風にゆれてゐる
やさしいやうな ....
蟻みたいに地道に生きてきた筈なのに
キリギリスみたいに何も蓄えられなかった

冬が訪れてきて
寒さがしみじみと身にも心にもこたえる

冬の先に春は待ち構えてない
季節は断崖に続いているだ ....
自由に集い
株分けした苗を
持てるだけ抱く
好きな花を選び
誰の指示もいらない

喜びは自分で創るもの
雑音に一喜一憂しない
濁った気持ちを持ったなら
花は枯れてしまうでしょう
 ....
廃れた町には何もない
ただそれは理解されてないから
何もない様に見えるだけ

廃れた町には空っぽの家がある
廃れた町には錆びた自転車がある
廃れた町には骨だけになった何かがある

廃れ ....
{引用=朝}
朝を見た
眼球は冷え切り網膜は焼かれ
白銀が太陽光を押し広げている
湛え切れず溢れ返り飛沫を上げている
微かな凹凸にも蒼い陰影が添えられて
美しいという言葉は不釣り合い
目 ....
もう雪に飛び込むことはない
冷たくなるのを知っている上に
濡れたズボンの重さを引きずり
誰かが貫いた心臓みたいに
白い棺がひとつ並んでいた
とても寒いなと感じたけれど
眠るつもりじゃなかっ ....
辟易してしまう
理性的な頭でいられる
自分の中で粉散する
超越的態度を
現象に
そうだ
不条理な現象を
他人事として
語る自分のそれは
天才的正論を舌して
悦に没我して ....
街角に溶け込んだ
スーツを身に纏っている「クモ」
時折口角を上げ
会話をしながら下見をする

誰が持つ何を狙うか
手に入れたら何処で落ち合うか
見えない道を頭の中で繋げていく

壮大 ....
よる
あふれる
かなしい
ゆめだけ



あさ
こぼれる
かわいそう
ことばだけ



ひる
みちる
うれしい
ひかりだけ
もう長くない、もう息が続かない、間違えた星に生まれて私たち がんばってきたね もういい、もういいから、もういいからって首筋に両手をあてがいあって笑ってた 死ねない、死なない、そうさせてくれるのはこの季 .... ぱちん
爪を切る時に
一瞬で飛び出して
翼を持っていたことに気づく
指を離れた途端に
合図が伝わらない部品になり
何も掴めなくなったな
誰も笑わなくなったな
僕達この先どこまで行こうか ....
もとこさんのおすすめリスト(1092)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
濡れタオル屋- たもつ自由詩13*20-2-21
夜底- ひだかた ...自由詩420-2-21
空を突き刺す魔女の箒のような裸の並木- Lucy自由詩8*20-2-19
あさ- 梅昆布茶自由詩12*20-2-18
稲妻石- Seia自由詩220-2-17
蒼穹(青)- おぼろん自由詩5*20-2-17
さあ共犯者を探しにいこうか- umineko自由詩4*20-2-16
pinhole__fish- むぎのよ ...自由詩9*20-2-16
都市について- 草野春心自由詩420-2-16
ジャズマンとの対話- 服部 剛自由詩220-2-16
なんて考えてる- あおいみ ...自由詩320-2-16
ラッパイナップルビー- 杏っ子自由詩4*20-2-15
さん、らん、、、- 岡部淳太 ...自由詩5*20-2-15
マリオネット- 瀧石夢真自由詩420-2-15
渡せなかったチョコレート- 卯月とわ ...自由詩320-2-15
おばあちゃんの知恵- パン☆ど ...自由詩2*20-2-14
よちよち- 梓ゆい自由詩120-2-14
春一番が吹いたそうです- かば自由詩320-2-13
鬼灯少年- 瀧石夢真自由詩120-2-13
初春- 石村自由詩14+20-2-12
泥濘が何処までも続く- こたきひ ...自由詩320-2-12
妖精株式会社- 丘白月自由詩120-2-11
廃れた町- 瀧石夢真自由詩320-2-11
点の誘い・線の思惑_五- ただのみ ...自由詩5*20-2-11
パラレルワールド- ミナト ...自由詩320-2-11
超越論的マスク- ナンモナ ...自由詩4*20-2-10
クモ- 邦秋自由詩2*20-2-10
一日- ひだかた ...自由詩5*20-2-10
- 星染自由詩3*20-2-10
月の墓標- ミナト ...自由詩320-2-10

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