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家族がぶら下がっている洗濯竿
洗濯槽の中で 
腕を組んだり 蹴り飛ばしたり
しがみついたり離れたりして 振り回され
夕立に遭い 熱に灼かれながら
それぞれの想いに色褪せては
迷いの淵を 回 ....
挨拶から始まる朝は来ない
顔を見たなら悉く突き合うまで
さして時間はかからない

めんどり二羽の朝の風景
イラつく調理場
割れる玉子
割れない石頭

言い返さない方が利口
聞き流せ ....
交差点で行きかう人を 市バスから眺める
私には気付かずに
けれど 確実に交差していく人の、
行先は黒い地下への入口

冷房の効きすぎたバス
喋らない老人たち
太陽に乱反射する高層ビルの窓 ....
そこには多くの家族がいて
大きな机の上に並べられた
温かいものを食べていた

それぞれが思うことを
なんとなく話して それとなく呑み込めば
喉元は 一晩中潤った

天井の蛍光灯が点滅を ....
一日の終わりに西日を拝める者と 西日と沈む者
上り坂を登り終えて病院に辿り着く者と そうでない者
病院の坂を自分の足で踏みしめて降りられる者と 足のない者
西日の射す山の境界線で鬩ぎあいの血が
 ....
生協の宅配カタログと老女の一人暮らし
一週間生活するには一袋に四個入りで十分です
余るようなら
トイレットペーパーで鼻をかみ
水に浸けて汚れを落とす
それくらいは日常的

新聞だってクシ ....
山育ちの子が海を知った
知らなければその深さも大きさも
わからないまま死んでいく
たった一日の出来事を
赤い水着を着た縁取り写真の子が
記憶を差し出す、午後五時九分の日没

赤穂海岸で俯 ....
人攫いが家に来た
     革靴はいて背広着て
     お父ちゃんを借金のかたに連れ去った

人攫いが家に来た
     病気ばかりする子はいけないと
     私を家に帰しに来た

 ....
もとこさんの為平 澪さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
洗濯物- 為平 澪自由詩320-9-8
めんどり- 為平 澪自由詩520-6-27
転がる- 為平 澪自由詩220-3-22
台所- 為平 澪自由詩1719-3-6
西日- 為平 澪自由詩318-7-16
トイレットペーパー- 為平 澪自由詩5*18-4-1
赤穂の海はまだ満ちて- 為平 澪自由詩12*18-3-12
ひとさらい- 為平 澪自由詩2*18-2-22

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