曙時に穴から這い出し
尻尾を立て太陽に体を向ける
体温増加が目的ならば
一匹ぐらい
背中を暖めていてもいいだろうに
どうして皆が同じ方向を向いているのだろう

父は
ぼくと弟を傍らに並 ....
お父さんは
甕にめだかを飼っています

夏 陽射しをまともに受け
お水ゆだってあえいでるめだかの夫婦
あんまり可哀そうで私
みどりのホテイさま浮かべたよ
めだかたちほっとして
こづくり ....
   {引用=わたしの正気は陰鬱だが
わたしの狂気は陽気な歌
木魚バンドネオン炭酸水
      (証城寺住職 囃子ダダイ)}


証城寺の性悪少女

ひどくあくどいのだ
そのだんま ....
僕が転んだ
白い雲がながれていた
僕が転んだ
麦の穂を風が掃いた
僕が転んだ
膝に石を刺した
しんとした痛みを
ただこらえた

なにもいない
わらい声もない
野辺のみち
そらの ....
 幼い日
 ふたりで日向ぼっこをしながら
 影をみていた
 ぼくの黒い指先が
 少女の頬に触れようとする
 と 触れるその直前で
 影だけがふやっと膨らんで
 ぼくより先 少女に ....
先週末のやまびこの車窓
もうほとんど終わってしまったんじゃないかと思っていた
金色の風景が流れていた

一関のねじりはさがけはモリゾーみたいなのに
山を越えた千厩ではよく知ってる横一線
 ....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
峰と峰とのつなぎ目に鞍部があり、南北の分水嶺となっている
古い大葉菩提樹の木がさわさわと風を漂わせる
峠には旅人が茶化して作った神木と、一合入れの酒の殻が置いてある
岩窟があり、苔や羊歯が入り口 ....
ぬれて可愛い犬のあたまを撫でてやる
自分の手が よいもののようにみえてくる

ほんとうのことを言っていればいいと思っているひとのとなりだと
まるでほんとうでないように見えるわたしの手が
 ....
雨のおとが体に刺さって下に抜けて行く
その先のまちで

男が酒を飲んで煙草を吸い
女が風呂に入り石鹸の香りを嗅ぐ
花は季節に散る

どうということもない
あたたかな食卓が
どれだけに ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
頭と骨と鰭を付けた鯉が
泳ぐのを見た
首を落とされた鶏が
庭を走るのを見た

背骨のない蛸が泳いでも
背骨を抜いた鮎は泳げない

骨牌のような積み木(ブロック)が
髄で繋がっている背 ....
ふいに風が吹いて
窓がごおごおと揺れているのがわかった
中にいるわたしは本を読むのをやめて
少し水を飲んでから
また読めもしない本に顔を戻す
本の中では狂った男が
ひとりきりで清潔な納屋に ....
月曜日に来た人は とても穏やかな顔をして
私の頭を撫でてくれました
月曜日に来た人は 火曜日には火遊びの仕方を
私に教えてくれました
月曜日に来た人は 水曜日私の小言を片付けて
流 ....
先祖代々の墓石の隙間を潜って 緑の節目が
石塔の地下から 企みを生やす

萎れたシキビや花筒の中で息絶えた小菊を
嘲笑うかのように石塔の狭間を一本の青竹が
墓場の敷地すら貫き
天 ....
屋根一杯に
鳩がいる
何かの見間違いかと
車窓から目を凝らす

もしや瓦の形の鳩じゃないか、と

でもやっぱりそれは鳩だった
生きている鳩そのものだった

ねえ、あれ鳩ですよね
 ....
この界あの界しとしとしとしと雨の降る
人人人人泣き笑い
驚き掴んでは失われ
雨は降って沢成り川成り海成り波うねり
銀河宇宙の渦に巻き戻され
しとしとたんたん時の過ぎる

己、胸奥の空洞
 ....
あれとって
とかいう瞬間の落下
これがわたしだとさしだしている宇宙へ
過去の捏造された記憶から
さしいれられた手紙にしか
書かれていない
きみはないてもいいし
わらってもい ....

あんまり得意やないんやけど
て とむ がゆうて
しゃあないなぁ
て じむ が
箸をのばしてきよる
なにが 違たんやろ
せやなく
なんで変わらへんのかったんやろ
誰かの思い ....
満月 あなたはひどく怒って
穴だらけの夜を叩いた
道路や橋は
眠ったふりをした
夜は
しゃがらんしゃがらん
叩かれるたびに
穴を埋めていく
みんな起きていた
あなたがかなしそうに怒っ ....
海辺に打ち上げられたクラゲを見ましたね
巨人のコンタクトレンズと言うので
笑いました

疲れて適当に入った居酒屋で
出てきた器がどれも美しいので
しばらくおとなしくなった私たち
でした
 ....
油まく模様のみなもには色々がくる
熟れた椅子の脚や膨らんだ仔ねこらが
うつした空を破りながら流れてき
こまをなくしたバイオリンなど
海にとどくより岩くぼに憩う
そろそろ沈むことなど気にも ....
蟻の角はまだ あるのだろうか
遠吠えや 躓きや 読みかけの頁は
まだあるのだろうか

目をあけて見やる身辺に
ころころと付属する色色を
憎んだり愛したりもせず
ただそれと知って引きず ....
人形も関節から
壊れてゆく、ら
しい。継ぎ目は
いつだって弱い
場所だからね。
かつてあなたが
若かった頃、肘
も、膝も、首も
指の中に取り付
けられた小さな
関節たちも、み
な ....
引き寄せて歌の精よ耳元に
オンとイのほつれ目
楼蘭の砂から掘り起こされた女の髪のよう
忘れられたイトが絡まった
黴臭い沈黙から ふと
夜は陽炎のようにゆらめき立って
歪み捻じれたこの道を筆 ....
湯上がりに
バスタオルを上下させ
チンコをチラチラ見せる
パフォーマンスを
死ぬほど喜ぶ貴女

放射能と違って
目に見えるけれど
それでもかなり危険な液体を
最近はとんと噴射すること ....
夏はなんだかすごくさびしかった。これまではそんなことはないのに。さびしくなるのは冬か秋か春と相場が決まっている。
いろんなものが取れかけているわたしは、また色々のことを思い出す。思い出したり、考 ....
炎天下の
縁側で
はんおりの
チューペットアイス(ぶどう味)の
つめたあまさをくわえつつ

あ。蝉ジジジジッてって
落ちた。

ではなくて

つめたあまいのくわえつつ
ひんやり ....
魚屋さんには
夕陽がさす

それは
雨が降っていても
モールの中でも
かまわずに


その匂いの中に
さしてくるのだ
とうつむいたり

それじゃ
見えるものも見えなくなって ....
つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです 

うたたねの山々は ....
七さんのおすすめリスト(1494)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ミーアキャット- イナエ自由詩7*16-10-15
甕の底から- 田中修子自由詩4*16-10-13
証城寺の性悪少女- ただのみ ...自由詩8*16-10-8
僕が転んだ- 「ま」の ...自由詩2*16-10-5
- 白島真自由詩15*16-10-2
のぎへん- AB(な ...自由詩316-10-2
白のブルース- Lucy自由詩19*16-9-29
峠の山道- 山人自由詩8*16-9-26
ぬれた犬- はるな自由詩516-9-25
台風の夜の音重ね合わせて- 田中修子自由詩12*16-9-23
当り前- nonya自由詩17*16-9-23
backbone- イナエ自由詩5*16-9-22
清潔な納屋- 春日線香自由詩316-9-21
月曜日の人- 為平 澪自由詩10*16-9-19
竹花- 為平 澪自由詩8*16-9-17
鳩の家- そらの珊 ...自由詩1016-9-15
時流〇時刻- ひだかた ...自由詩2*16-9-15
どっちでもない状態- モリマサ ...自由詩316-9-15
芋月仲間が秋夜に揺れる音- AB(な ...自由詩6*16-9-14
満月- はるな自由詩916-9-13
- ふるる自由詩7*16-9-9
矢部川_借景- soft_machine自由詩4*16-9-7
日々の粉- はるな自由詩616-9-6
わたしのアンティークドール- そらの珊 ...自由詩15*16-9-5
呪術師の末裔- ただのみ ...自由詩7*16-9-4
チンコ・チラ- 花形新次自由詩3+16-9-1
ことしの夏は_のこと- はるな散文(批評 ...616-8-31
チューペットアイス(ぶどう味)- コトコレ自由詩416-8-30
夕焼けが足りない_16(対角線)- AB(な ...自由詩116-8-29
あいづち- るるりら自由詩14*16-8-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50