ふるえるとき、
泣いている、がたがた、さみしくて
ふるえている。

そのとき、
なかみのまま、
外にでていけない。

なかみのとき、
いるとき、
いるように見えて、
いないとき。 ....
樹にもたれて、手のひらをひらいた。

死んだ鳥の上に、木洩れ陽がちらちらと踊る。
陽の光がちらちらと踊る。

鳥の死骸が、骨となりました。
白い、小さな、骨と、なり、ました。
 ....
 現フォ投稿は週一のノルマを期していた。が、最近は登山道除草に追われ、且つ勤務仕事の山林仕事で日々困憊し、活字を書く気になれないでいる。詩などを書いてみようとキーボードを打ち始めては見るものの、まった .... 放課後、
人目をきにする、
体育館裏の日陰で、
男の子たちだけで、
こっそりたのしんだ、
女の子たちがしていた、
ゴムとびあそび、
てあそび、
あやとり、
そんな、
あおい花、
 ....
あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年 ....
植物の中で夜が育つ
水の名前を呼べば
脈打つ石造りの平原
素の風が間もなく
インク瓶の縁に沿って
眠りにつく
木造の旧家屋その皮膚に
愛していた人
鉢植えだけが増えて
遺伝だ ....
藤棚をみて終わりにしたい

そう思いながら隣の庭が消えてしまう

積み置かれた状況 不要物 

必要なものだけを鞄に詰め込んで

きみは何処へ行くというのか

即興で書いている ....
 

 自転車置き場で空を見上げるのがいい。そ
こに、風でも吹いてくれればなおいい。そん
なとき携帯電話の電池でも切れていて、何か
大事なことや、大した事じゃないことや、君
にとってはもの ....
帰路は
新月にしずむやみのはし
こと座に一服

リリ、

(きこえた?
(ああ、きこえたよ
(鳴いてるのかな
(鳴いてるのかもしれないね

夏を野辺送りし秋がやってくる

猫 ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
汚れた指で、
鳥を折って飛ばしていました。

虚ろな指輪を覗き込むと、
切り口は鮮やか、琺瑯質の真っ白な雲が
撓みたわみながら流れてゆきました。

飛ばした鳥を拾っては棄て、拾っては棄て ....
かき氷のいちごシロップのにおい
午前中の図書館の学習室のにおい
昼下がりの児童公園の熱い風のにおい
夕立のあとのアスファルトのにおい
プールサイドの塩素のにおい
線香花火の燃えつきたあとのに ....
焼けつく夕日が焼けつく 脳裏を焼いて 焼き付く夕日
まぶしく夕日がまばたく まばらに赤く 火をまぶす

赤錆びて ブランコ 赤錆びて 回る子の鎖
うらぶれて倉庫の 何世紀 遠いどこそこに かぶ ....
ずる休みをして、駅の喫茶店でホットケーキをたべた。何にもならない恋みたいな良いことが落ちていないか、街をうろうろする。本屋をはしごして本の匂いを嗅ぎ、またちがう喫茶店で紅茶をのんだ。色だけが濃くて ....   


返還された軍用施設跡を覗きに
まだ子供だった僕らはフェンスを越えた

建物はまだ残されていて
バーらしき場所には
ボトルが転がっていた

中途半端に積まれたパレットに腰掛 ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない

灼熱の街を黒い革靴でさまよう
 ....
夏が街を焼く昼間に
君の背中シャーベット
それで、もしも笑ったら
この星は砕けてしまうから
愛にならないように
でたらめな名前をつける

わにのウインク とか
ストロボ電柱 とか
 ....
改札を抜けて、特急へ、準急へ
各駅へ
すみやかにゆきわたる
(還る)

のびていくかげぼうしの
澄んだ鼓膜をとおり

(低いファの音がぼーん、と)
ぬぐってもぬぐっても
幾度も響く ....


インインと{ルビ頻=しき}り啼く蝉の声、
夏の樹が蝉の声を啼かせている。

頁の端から覗く一枚の古い写真、
少年の頬笑みに指が触れる。

本は閉じられたまま読まれていった……
 ....
砲口のまえで、
つねに張りつめている、
灰色のくもり空のした、
まなざしは玉結びのように、つねにかたく、
未開にもひとしい、山道を、
まるで履きなれない軍靴で、
踏みしめて、
ゆくように ....
いまは夏休みということだ
同じアパートの一年生がアサガオを持ち帰り
朝晩水をやっている
ここ数日の暑さも少しやわらいで
きょう風はさかんに木漏れ日をゆらしている
濃い影から飛び立った 一羽の ....
 忘れ物 に なったハンカチ
 あわいもも色 うさぎを飼って
 駅の向こうから来る
 おんなの子を見て
 つれていって
 と、輪をかいた
 石のむれをしずめた 海と
 とおい空 かすれた ....
夏の水の力を借りて
包丁を研ぐ
冷たい石の周りで
世界は沸騰し騒騒しい
蝉は
悲しみを
果てまで
追い詰めて鳴く

時折
人差し指で
刃に触れて確かめる
すり減りながら
鈍色 ....
雨が降っている
雨だと思う
すべてが細くなる
無い言葉
はずれた草花
消えていく庭は
町工場のところで
途切れてしまった
ノートの中にある
わたしの罫線
罫線に隠している
 ....
髪の後れ毛が
もやしのひげのように
蒸れた風とけっ託して
汗と貼りつく

ぽにーているならぬ
わたしのひとつ結びは
ねこのしっぽでありたい
脊髄のさきにあるまでの、感情

あな ....
 月の夜だった。欠けるところのない、うつくしい月が、雲ひとつない空に、きらきらと輝いていた。また来てしまった。また、ぼくは、ここに来てしまった。もう、よそう、もう、よしてしまおう、と、何度も思ったのだ .... ふたり分の沈黙を乗せて
笹舟は遠ざかる
意識を過去へ葬るための
ひとつの光の繭となって

むかし使っていた腕時計が
どこかで針を揺らしている
重ねた手が夜の魚のよう
夏の体温に静かに跳 ....
野球の音が聴こえる
野球をする音が聴こえてくる
誰もがみんな
胸の中に野球を飼っている
整備の行き届いた市営グラウンドから
夏草の生い茂る河川敷まで
球足の早いゴロが一 二塁間を
抜け ....
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