二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」


いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....
あちこちで花が咲いてしまった。もう少し待って欲しかった。
ま新しいランドセルを背負ったむすめは、昼にも夜にも、こわいと言うようになった。わたしは(どうしてそんな愚かなことをと思うけど)なにが?と ....
やさしい君が
手をひいて
あるかせてくれる
外を

そして
大丈夫
大丈夫だという
見て ほら
あの橋をわたろう
細いけれども
大丈夫
という
笑っている

でもわた ....
● (曙)


薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
光に触れ ....
{引用=週末}
雨はガラス越しの樹木を油絵に似せ
開きかけた梅を涙でいっぱいにする

雨は河住まいのかもめを寡黙にし
水面の泡沫は作り笑いに変わる

だが雨は歌っている 
運命のように ....
春の約束
永遠に叶わない約束
散るときを知って
失墜しながらそれでも
対の自分をさがす
さがし逢えたら手を繋ぐよ
ひとのまばたきより短い時間を使って

もしも一対になれたら
空へはば ....
二〇一六年二月一日 「アルファベットの形しかないんかいな、笑。」


 何日かまえに、FBフレンドの映像を見て、いつも画像で、ストップ画像だから、ああ、素朴な感じでいいなあと思っていたら、映像で ....
風は帰っていく
見えない世界へ
この世の熱を帯び
(孤独の歓喜に覚醒し)
極北の地に、極北の地に
すべてを担い
帰っていく
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」


『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
 風のにおいがする、花の音がする。逃げてゆく春の背だ。
 だれかをこころの底から愛したことがあったかどうか、ふと、八重桜のうすひとひらに触れそうにして胸苦しくなるんです。あなたもです、私もです、お互 ....
二〇一五年十三月一日 「芸術は自己表現はない」


 自己の表現と、自己表現は違う。2015年9月29日のメモ「いまだに芸術を自己表現だと思っている連中がいる。きょう、職場で哲学の先生たちがお話 ....
二〇一五年十二月一日 「毛布」


 きのうのうちに終えるべき仕事をいま終えて、これからイーオンに毛布を買いに行く。クローゼットに毛布が1枚もないのだ。捨ててしまったらしい。これまた記憶にないの ....
二〇一五年十一月一日 「海に戻る。」


 ぼくはまだ体験したことがないのだけれど、おそろしい体験だと思うことがある。自分がどの時間にも存在せず、どの場所にも存在せず、どの出来事とも関わりがない ....
ぼくを見捨てたもののためにぼくは死ねるだろうか


晴れた日の正午に
だれの記憶にも残らないやり口で


光のなかで明かりを消すように


永遠より午後の芝居を好むように夜は長 ....
前方不注意で迷い込んだ森で
僕の死骸は笑っていた

それが実に正夢で
私は確かに発狂している

もう望んでない
もう恨んでない
上澄みだけが
強がって

僕を守ろうとした
無意 ....
 昨日。朝からの雨と風で、もしかしたら最後の勤務は営業休止になるのかもしれない。と、スキー場勤務最終日を期待したが、営業休止の連絡の電話は鳴らず、今シーズン最後の道の駅で時間をつぶすことにした。三月に .... {引用=焼香}
{ルビ鶫=つぐみ}を威嚇する
{ルビ鵯=ひよどり}の
声は形より
広々とこまやかに
震えた
春の微粒子
住宅地の雪解け水を
長靴で測り
黒いコートに受ける
日差しを ....
二〇一五年十月一日 「℃℃℃。」


℃■■■■■■■■■
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■■■■■■ ....
高いところから
低いところへ、
広いほうへ
明かるいほうへ

夥しい言葉の群れが
かたまり
解れ、また 縺れ
しまいに
いちまいの 布のようになった

それを拾いあげ
 ....
  見えないが それは
  熱の蛇が 這っているのだ
  かんぜんな 石を湿らせ
  なにもかもが黙る

  
  熱の蛇が
  這っていくのが見えない
  街はいつも 叫んで ....
二〇一五年九月一日 「明日」


 ドボンッて音がして、つづけて、ドボンッドボンッって音がしたので振り返ったら、さっきまでたくさんいた明日たちが、プールの水のなかにつぎつぎと滑り落ちていくのが見 ....
真夜中の台所で 小さく座っている
仄暗い灯りの下で湯を沸かし続けている人
今日は私で 昔は母、だったもの、

秒針の動きが響くその中央で
テーブルに集う家族たちが夢見たものは
何であったの ....
おとこが夜中にやってくる
そのおとこは生まれたことがないのである
いっしょにゆこう
どこへ
とおくへ
くちびるでかすかに笑っている
いそいそと身を起こして
服を着て出ていこうとすると
 ....
土曜日の午後はいつも満室
会うのは今日で最後
ベッドに並んで
チャットアプリを削除する
さようなら。元気でね

父の命日
墓石の花立に梅の枝を挿す
ねえ、元気にしてる?
遅くなっ ....
二〇一五年八月一日 「恋」


 恋については、それが間抜けな誤解から生じたものでも、「うつくしい誤解からはじまったのだ。」と言うべきである。


二〇一五年八月二日 「ディーズ・アイズ。 ....
海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る

列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく

だがひとえに言ってしまえ ....
有刺鉄線をいじっていたら
異常にこんがらがって溶け始めた
俺の熱のせいか、指先は既に燃えていた

 閉じ込められたまま閉じ篭もったまま

砂漠に墜ちたプロペラ飛行機
赤いいきもの達が列を ....
玄関を出るときいつも気になっていた
軒先に干されていた玉葱たち
錆びた脚立の三段目に簀子をまたがせ
置かれた大量の玉葱

大きなビニール袋の下では
腐ってしまうその中身を
丁寧に木板の上 ....
二〇一五年七月一日 「I made it。」



かるい
ステップで
歩こう


かるい
ステップで
歩くんだ

もう参考書なんか
いらない

問題集も
捨てて ....
訪れたのは君に会うためじゃない
そもそも君は此処にはいない
谷の翌檜が風邪を引いたので
薬を届けに行くところだ

足のない風が五線譜をくすぐり
君はひと振りの枯れ枝
弦に乗せた指が踊り始 ....
七さんのおすすめリスト(1396)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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よっつの梯子- AB(な ...自由詩8*21-4-20
頭痛の小悪魔- ただのみ ...自由詩5*21-4-18
対の羽- そらの珊 ...自由詩15*21-4-17
詩の日めくり_二〇一六年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-4-17
風の行方- ひだかた ...自由詩1021-4-16
詩の日めくり_二〇一六年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-4-10
春提灯と咳緋鯉- 田中修子自由詩11*21-4-4
詩の日めくり_二〇一五年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*21-4-3
詩の日めくり_二〇一五年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13+*21-3-27
詩の日めくり_二〇一五年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15+*21-3-19
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死骸- TwoRivers自由詩14*21-3-15
今日からは道の駅には寄らない- 山人散文(批評 ...7*21-3-15
反省なんかしない- ただのみ ...自由詩7*21-3-14
詩の日めくり_二〇一五年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-3-12
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詩の日めくり_二〇一五年九月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-3-6
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詩の日めくり_二〇一五年八月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-2-27
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詩の日めくり_二〇一五年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩16*21-2-20
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