そこには多くの家族がいて
大きな机の上に並べられた
温かいものを食べていた

それぞれが思うことを
なんとなく話して それとなく呑み込めば
喉元は 一晩中潤った

天井の蛍光灯が点滅を ....
節度のある幸福
なんか
いらないんだわ
除菌スプレーくさい
おんなたちのなわばり

ドーナツの行列にも
校庭の整列にもつながれなくて
ゆく先の石をいちいち数えてた

それでも熊 ....
こんにちは。わたしはエナガ。スズメ目(もく)の野鳥よ。わけあって野鳥保護センターで暮らしています。センターは都市郊外で、近くには雑木林があるから、よく遊びに出かけるわ。野鳥としての自立を目指しているか .... 父は固まりかけた膿を溶かし
排出するために発狂している
脳の中に落とし込まれた不穏な一滴が
とぐろを巻き、痛みをともない
いたたまれなくなると腫れ物ができる
やけに透明で黙り込んだ熱量を持つ ....
高速バスの窓辺から 風景は切り刻まれ
囲まれたインターの隙間や綻びを見つけてバスは逃げ切り
トンネルで安眠を貪り 気がつけば
高架下には貼り付けられた灰色の街と
名札のついた背伸びしたがる顔の ....
節分の夜に細々と二階の窓を濡らす音がして
外に人影が見えた

こんな遅い夕食時に帰ってくるのは
パチンコで負けて家に入り辛いお父さん

家内と呼ばれる鬼は
温かい部屋で猫と一緒にゴロゴロ ....
ちぃたかた

今朝発見された
言葉もない頃の手向けの花は
やがてその形も無くしてしまう
のかもしれないけれど
それが僕らの世界のはじまり




フランケンムース

年中クリ ....
ど どもる
ど も っ て し ま う 
うちゅうのまんなかで
まんまんなかで
底を測る そそそここををを
まんまんなかで
うちゅうのまんなかで
ど も っ て し ま う
ど どもる ....
母に愛を頂戴と 両手を差し出すと
母は遠い所を見るように 私を見つめる

朝 白い大きなお皿の上に
母の首が置いてあった
寝室の机の上にある手が握っていたのは
((少しでも足しになれば…、 ....
一日中縁側で過ごす人は
陽の目を見るのが少なくなった人だ

何を話すでもなく 寄る猫を追い払うでもなく
牛乳屋を見送って 小学生の登下校に目をやりながら
物干し竿がハンガーごと錆びていくのを ....
天の川      A train crossing
渡る列車     the Milky Way
         is
忘れられて    forgotten
         and has ....
帰り道に空になった弁当箱に納めたのは月でした
夜の道路にころりと落ちて悲しくて
これでは死んでしまうと思ったので
それにしても十月は騒がしく
息は
吐かれるのを忘れられたまま
コン ....
ふねのかたちをした
古い水族館で
ため息が水槽を
曇らせるのを
みたわ


長い魚、丸い魚、群れる魚、ぼっちの魚、
人が知ってる
ありとあらゆる
地球の魚が
目を丸くして
泳い ....
うつつわさはのくにのくにぶり


わさえ
いりのはのいり

ぬさえ
のまた のさのさ
げんせんじょうどん
いでんのあがりの
よこさ のさのさ

わささち
どさけさ
どさけ ....
ふうっと
息をつくと
こびりついていた何かが
テーブルの端まで
遠のいた

そおっと
見渡すと
微かに青みがかった指先が
木の葉を鳴らすのが
見えた

自由になった
意識 ....
夕べのそらの木の下で
かぜふくしげみにひざをかかえた
おれの顔のちいさい一人がすわっている
きまじめな面つきの
むかしのテレビドラマのような
ひどく地味なふうていで
(なあに 貧しいだけさ ....
潮目


 県庁跡の建物の中で期待もなく調べ物にと
りかかり、時間を待って香林坊に出る。そこ
はほんのひとにぎりの銀座で、渋谷で、新宿
でもあり、池袋の匂いを探して片町に流れる。
スクラ ....
おびとけでらのかえりみち
やまのべぼんちさつきばれ
すいでんわかほわたるかぜ
あぜのはなつみかえりみち


-----------------------------


1.のぎへ ....
どうぞよろしく
この空をただしさが覆いつくし
こまかい罪のすみずみまでがあかるくされ
わたしは死ぬ あなたも死ぬ
ねずみも くまも うさぎたちも 間違いなく死んでいく
さいごにはみずうみ ....
 冴えない中年サラリーマンが、仕事帰りの屋台で誰に聞かせるともなく呟いている愚痴みたいな雨が、途切れることなく朝から降り続いた夏の夜だった。じめついた空気に我慢がならなくなって、眠るのを諦めて .... 物語たちはことばのうしろですでに出来あがっている。辛抱づよく待っていてくれるのだ。それはつよくてさびしくてやさしい。
みどり色のオアシスのうえに花を作っていく。わたしの指は傷傷して汚れて、それは ....
月がどこかへいなくなった夜にきみもひっそりと消えてしまいました。行き先は火星ですか。それとも木星ですか。終バスがないからもう追いつけない。ここは当たり障りのない星です。ちょうどいい気温ではなくただぬる .... 死んだ時に見られたら恥ずかしいものってなんだろうね。なんて話題はドーナツをかじりながら流すくらいでいいでしょ。この体がそうであるように、恥も心配もあの世には持っていけないよ。わたしが思案してるのはいつ .... 素麺と豚肉と茄子の煮たのと味噌汁ととまとと胡瓜と梅干しとご飯と納豆とひき肉冬瓜と青菜の浸しをたべたら作り置きの惣菜がもうないから卵を焼いて豆をもどして、もどしてるあいだに卵はたべてしまうしもう一度 .... 両親から持たされて鞄の奥に仕舞っていた
親の言いつけだったのか
知り合いの噂話だったのか
人目には触れさせなかった、その鍵。

納戸の勝手口には突っ張り棒がしてあり
玄関口は内側からしか開 ....
星の死がいつまでもうつくしいってのは
人間のかんかくで勝手にいっているだけで
おなじ星同士からみたら
けっきょくねえグロテスクきわまりないだろう
人間はいろんな色やひかりに
わりあいなんでも ....
小さなサイコロが
ころがっていく

平坦に見えた道に
傾斜がかかりはじめたから
なにもかもが
かろやかに
だけど
のがれることはできない

さよなら

さよならも
すなつぶも ....
「好きなことをしていない奴の顔は歪んでいる」
正確な引用ではないのだけれど、
山下洋輔の言葉だったと思う

それで、最近、朝、
歯をみがこうと鏡をのぞいてみて、
なんだか、自分の鼻がこう、 ....
世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
わたしがあなたに触れるとき
十のマイナス何十乗秒前のあなたを認識しながら
触れているのは何秒前のあなただろう
あなたがわたしの声を聞くとき
あなたに流れるのはいったい何秒前のわたしですか
 ....
七さんのおすすめリスト(1472)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
台所- 為平 澪自由詩1719-3-6
行列- はるな自由詩519-2-26
エナガのうた- 佐和散文(批評 ...319-2-23
発狂- 山人自由詩3+*19-2-20
高速バス- 為平 澪自由詩619-2-17
節分- 為平 澪自由詩519-2-3
クロッキー_4_夜盗- AB(な ...自由詩9*18-12-15
ト_なって2_底を測る- ひだかた ...自由詩3*18-12-10
宿題- 為平 澪自由詩1018-12-5
縁側- 為平 澪自由詩1018-12-5
- AB(な ...自由詩6*18-11-16
- はるな自由詩818-11-11
名前- 立見春香自由詩1618-10-21
はしっこのの村(改)- AB(な ...自由詩4*18-9-27
距離/秋- nonya自由詩15*18-9-26
ちいさいひとり- 「ま」の ...自由詩7*18-9-23
- AB(な ...自由詩11*18-9-22
のぎへん_H30- AB(な ...自由詩6*18-9-20
どうぞよろしく- はるな自由詩318-9-16
絆創膏と紙コップ- ホロウ・ ...散文(批評 ...1*18-9-12
メモ- はるな散文(批評 ...518-9-1
誰もしらない- 青花みち自由詩5*18-8-24
生まれかわりの手ざわり- 青花みち自由詩218-8-17
たべるのこと- はるな散文(批評 ...318-8-2
鍵っ子- 為平 澪自由詩218-7-28
硬派- 万願寺自由詩318-7-22
夏の入り口へ- そらの珊 ...自由詩2018-7-15
手洟を擤む- はだいろ自由詩118-7-14
みてもいいしみなくてもいいのこと- はるな散文(批評 ...418-7-5
腫れ上がる孤独- はるな自由詩418-6-28

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