引き出しの中にも眠る
掬われないまりうすの舵
印影の消えた朱肉をいつまでもはなさない
無駄に広がる玄関の扉開けば山河原の礎石が
角松と放置されたここには誰も居ないという証なのだ
盥いっぱ ....
{引用=
どうすればいいのか
わからない

貝の中で
泣いていた


それから

いちど海がかれて
空がおちて
ながくもないとしつきを
二億年と少しへだてて
 ....
25

さよならさえも言えない
あの人は
何と戦っていると言うんだろう

その瞳に映る空には

が見えない



26

どこまでも続きそうなきれいな道路を走る
ど ....
君の顔が懐かしくなる
静謐な冬の午後三時
僕は最寄りのコンビニで
アイスコーヒーを飲んでいる

誰も居ないイートインに
西陽が優しく射し込んで
無数の影が踊っている
自分の影もその内に ....
13

ぼくのこころは
ふ 
ってはずれて

べっくうさんやのほうに
ぷかり ぷかり
とんでった



14

喧嘩太鼓の音に
いくつもの魂がひとつになって
一際高 ....
1

毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて

見上げても光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と、小さく嘘をついてみた ....
「みつば…」と寝言しながら寝がえりをうつむすめの手のひらから、バニラの匂いがする。きょうは日曜日で、クッキーを作って焼いた。くま、うさぎ、星のかたちの抜き型、「ハートの型あったらよつばのクローバー .... 1

コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた


この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって

なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
見えていないから指先に触れて
輪郭を描く
知りえないものを
自明と思い込み
書き足さなければならない線など
もうないと
絵の具を塗る
好きな色
みなさんにお馴染みの色
私だけに
見 ....
けんけんぱらん
けんぱらん


みぞれ落つ昼

とんとんとんとんとん


だれもいないやね走る


甘いお茶
ちっとも

おもしろくない午後だったのに

いま ....
いもうとがきらきらした布に縺れて笑っている。わたしの知らない時間を束ねて。むかしのはなしをしよう、と言って連れ出した、四十分も無言で歩いて、ぐったりしたわたしをよそに笑っている。いもうとは清潔な幻 .... 雪のことを知っていますか。「誤解しないでくれ」と言っていた海賊とは無事に地獄で会えましたか。こちらはもうすぐふぶきです。海に降る雪が紙吹雪のようなのと、あなたは言っていましたね。紅白の小林幸子をいつも .... こどもが陽に反射してきらきらひかっている。よく見るとセーターに縫い付けられたスパンコールがいちいち光を跳ねかえしているのだった。
切花の世界は春を迎える。ラナンキュラス、チューリップ、スイトピー、ア ....
中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
{画像=191217132857.jpg}


{引用=
例によって言葉+イラストの組み合わせで詩をつくる試みです。題名も作品のうちになっております。
題名の役割は、昔は単なるラベル、中身の ....
いつのまにか十月は過ぎて、ぼんやりした十一月、年の瀬をつま先に感じて葱を刻んでいる。
ねーままはさ。はなのどこがそんなに可愛いの?って質問、いちいち真剣に考えて、ほっぺなところだよ。とかどんどん ....
本名も知らない男に胸を揉まれてる間
スタバの新作フラペチーノのことを考えていた

チョコレート味の氷に
粉々のクッキーがまぶしてあって
ホイップクリームがたっぷり絞ってある
とても美味しそ ....
 四日、私たちは不調の機械をだましだまし使いながら、なんとか山林のノルマ面積を整備した。午前中、少し遅くなったが終わらせたのだった。
 軽四のワンボックスのエンジンを掛け、ヒーターを最大にする。防水 ....
バスを待っていると
昨年死んだお父さんが縄をもってやってきた
電車ごっこの相手を探していると言う
せっかくだから車掌をやることにした

もともと小さいお父さんは
死ぬ前にさらに小さくなった ....
誰が作ったのか
何のため作ったのか
何故 贋物と判ったのか

話はつきないのだけれど
人形は人形
そんなに贋物よばわりされても
と照れ笑いをしているようで

  僕らの本物 ....
ふぐをもらった
皮がとても硬いので扱いかねていたが
家庭用の鋏で簡単に捌けるらしい
表面の針をぼきぼき折って
力を込めて刃を入れると
驚くほどオレンジ色の肝がこぼれ落ちた

身もガラも肝 ....
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。

ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる

ささやかな抵抗を繰り返し ....
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
爪から
ほそい光がでるようになってしまった
愛されすぎですね

医者が言った
でもだれに?
という問いには答えずに

気をつけてください
光のぶんだけ
影がたまっていきますか ....
 昨日も妻と出かけた。
山仕事を予定していたが、連日の激務で疲労がとれず、雨でもあり、出たくなかった。
相変わらず、近くの無人駅の二階の蕎麦店は繁盛し、市境峠の手書きの看板で客を待つ蕎麦店には客の ....
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
ああ、窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく回る星なんだ

それにして ....
天空を白雲が流れていく
非常な速度で陽を受けて

地上では彼岸花が鮮やかに
赤く揺れて咲いている

一輪、二輪、三輪と
用水路沿いに咲いている

人々は歩いていく
いつもと変わらず ....
西陽が射し込むイートインで
コーヒーを飲んでいるわたくしに
黄金に染まる街並みが
光溢れさせ迫って来る
その瞬間瞬間の美しさ
この星の大きな優しさに
包まれ私は法悦となる

地球の青と ....
七さんのおすすめリスト(1494)
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てのひら- 羽衣なつ ...自由詩620-2-7
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傾斜(改訂)- ひだかた ...自由詩920-2-1
Physics_Note_2- AB(な ...自由詩3*20-1-31
Astronomy_club- AB(な ...自由詩10*20-1-27
メモ- はるな散文(批評 ...120-1-26
Egg-Lab-Mates- AB(な ...自由詩8*20-1-24
ファミコン- ガト自由詩4*20-1-23
着色- Lucy自由詩7*20-1-19
記憶- タオル自由詩320-1-19
- はるな自由詩220-1-17
届けよ、跋文- 万願寺自由詩320-1-15
切花の春、時期、花瓶をあらうのこと- はるな散文(批評 ...420-1-14
中村くん(改訂再録)- ひだかた ...自由詩5*19-12-17
空の計器- ふるる自由詩219-12-17
答えのこと- はるな散文(批評 ...519-12-9
スタバの新作フラペチーノ- 印あかり自由詩8*19-12-8
二〇一九年初冬- 山人散文(批評 ...2*19-12-7
ほくろ- たもつ自由詩819-12-3
ミシガン・レリックス_3- AB(な ...自由詩9*19-11-30
ふぐ- 春日線香自由詩819-11-29
冬の朝の光が痛みをうつくしくする- かんな自由詩1319-11-28
密会「小寒い艶話」- アラガイ ...自由詩8*19-11-25
愛される- はるな自由詩1319-11-12
夜明け前の雨- 山人散文(批評 ...2*19-10-27
メモ- はるな散文(批評 ...619-10-1
地球に座る- ひだかた ...自由詩1219-9-23
光景- ひだかた ...自由詩419-9-23
法悦(改訂)- ひだかた ...自由詩719-9-17

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