年末になると
山から神様がやってくる
御札を持ってやってくる
勝手口へとやってくる
ママが2000円
払う
来年も火事に遭いませんように
油で汚れた古い御札を
ガスレンジの脇の壁から引 ....
その手紙には
「ムーミン谷の近くから見送ります」

書かれていた
さよならのつもりは無かった
けれどあなたは駅には来なかった
わたしは
ぺしゃんこになった
まだ雪の残る街を出て
雪 ....
この日のために用意した
黒いミディアム丈のドレス
トルソーに着せてみる
そして
足が少しでも細く見えるよう
一時間マッサージ
ベッドに寝そべって
ナイトテーブルにグラスを置いて
就眠の ....
樹齢500年の
杉の木の根元には
大きな洞があって
わたしは
その中に住む
爬虫類だったと
ある日突然
思い出しました

気のせいかもしれないし
気のせいじゃないかもしれないけれど ....
ほんとうは
本物が欲しかったのに
目が覚めて
枕もとにあったのは
ぬいぐるみ

だから毎日
ごはんを食べさせてあげました
お話もしました
一緒に寝ました
そうしたら
すぐに
白 ....
そよ風に吹かれながら
野原を歩いて行くと
車の墓場があった。

どこからか
一台
また一台と
車がやってきて
力尽きたように
そこで蹲るのだった。

わたしはそこまで歩いて行き
 ....
あっ見つけた!
みたいなイキオイで
木の実を啄む小鳥のように
わたしの頭の中に
ファンファーレが鳴って
けれどそこですかさず
サイレンも鳴り出す
バランス
バランス
何もかもバランス ....
家具屋さんに忍び込もう
家具屋さんで暮らそう
昼間はソファで本を読みながら
目の前を通り過ぎるカップルを眺めよう
これから幸せになる予定ですか?
それならばエキスをちょっと
分けてください ....
湯船に
アヒルが浮かんでいて
わたしは
とっても不安
テーブルに
知らない人が
座っていて
やっぱり
とっても不安
冷蔵庫を開けたら
包丁の先が
こっちを向いていて
とにかく不 ....
わたしは眠ることにしています
籠に風呂敷をかけられた小鳥のように
巣に入り
目を瞑り
わたしは

何も良いことなどありません
だんだん寒くなってくると
わたしは何かを思い出せそうで
 ....
夏に行こうぜ
ここは冬だから
気持ちよく行こうぜ
やたらと晴れた
朝に行こうぜ
冷たいカフェオレ
バスケットに入ったサンドイッチ
みかん
は?
みかんはダメダメ!
夏だ
夏だよ
 ....
ある日
くまさんが

出会った人は
おじさんでした

おじさんの家に連れて行かれ
可愛がられました

くまさんは幸せでした
でも

くまさんは大きくなりすぎて
おじさんは家族 ....
他人がわからないのは重々承知でも
あなたのことはちょっとわかる気がして
だから絶対に踏み込めない壁を感じて
そう思いながらも同じ電車に乗っていたいような
そんな気がして

終電逃したかなっ ....
天井がずいぶん高いなって思ったら空だった
わたしはいろいろ忘れてしまった
エレピの音が恋しい

必要ないのに笑うのはやめようよ

遠くでたくさんの音が聞こえる
とても賑やかだ
コーラ飲 ....
こんばんは
バス停に立っていた人に
そう挨拶しました
この町で見かけた人には
挨拶しなさいと
ママに言われていたから
その人はニヤニヤしていて
ちょっとヘンだなと思っていたら
コートの ....
連絡を取るのが
面倒になっちゃうと
連絡を取らなくなっちゃって
連絡が来ても
ぼんやりしちゃって
ああきっとこのまま
忘れられちゃうんだろうな
それでもいいかなとか
思い始めると
ま ....
どんなときでも
泣きませんでした
そうしたら
涙はどんどん凝固して
とても立ち上がれないほどに
わたしの涙は多く重く
体内に溜め込まれてしまいました

仕方がないので
金の箱を買いま ....
きらきらと
最後の光を放ち
優しい太陽が
落ちていく
にこにこ
にこにこ
笑顔の人々を映して
最後の光が
消えていく
だから
きっと
もう
何も見えなくなる
悲痛な声で鳴いている
わんこ
ああ
お散歩のついでにスーパーに来たんだね
それで入り口に繋がれているんだね
口輪を嵌められて
くるくると回りながら
くおおおおおおおん
くおおおおおおお ....
台所に座り込み
勝手口から空を眺めると
柿の葉が広がっていた
とても濃い緑

よく耳を澄ますと
じいい、と通奏低音みたいな
音がする
理由はわからない
たぶん夏の名残

もうすぐ ....
雪道を滑らないように歩きながら山の寺へ向かう
お姫様が松の木に恋をした伝説が残る谷間
キスをして抱き合うと
どんなに寒い夜でも
雪さえも
暖かかった

この恋がいつか消えてしまうこと
 ....
11月に入ると
街は雪への準備を始める
明け方凍るような寒さが
布団の中まで忍び寄るとき
窓の外に広がる庭では
チューリップの球根が眠り
その上の土は
ほんの少し盛り上がっている

 ....
築40年近く経つポストモダン建築
要するに古いビル
の中は
2階が水槽だらけで
中にはいろんなものが泳いでる

買い物がしたくて
わたしは誰かとそこへ行く
上野公園は3000メートル級 ....
白黒同居してて
灰色じゃないところが好きよ
愛しのパンダちゃん
色なんか無い世界で
幸せになりましょうね
いつの間にか知らない人が
座っていた
「どちらさまですか」
と言いながら
焼きたてのスコーンを差し出して
わたしも座った
誰でもいいのだ
もうすぐお湯が沸く
頭蓋骨を輪っかに切って
かぱっと開けて
見てみたら
ごまプリンがいっぱい
詰まっていた
だから
スプーンを突っ込んで
ぐちゃぐちゃに混ぜてみた
そして再び固めて
そうっと
頭蓋骨を ....
ある日
夜、歩いていたら
街灯がやたらと
光って見えた。

何度目をこすっても
光って見えて
どうしても
吸いつけられてしまった。

だから、
もう
帰れないと思った。
やさしくしてあげたいの
なんて思っているときは
自分にやさしくしたいとき
そんなことは知ってるよ
でもねみんなうれしそうだから
やさしくしてあげてしまうの
お気に入りの人が
さびしいとき ....
頭の中で「カチリ」と音がしました。

黒頭巾ちゃんにスイッチが入ってしまったのです。
こうなってしまった黒頭巾ちゃんを、たとえどんなに大事な人でも、止めることはムリです。

黒頭巾ちゃんはそ ....
外に
汚れてもいい
布を敷いた
寝そべって考えた
これは頭の中だけの話
すぐそこにはお花畑
その向こうに深い緑の森
そこからとても
白い人がやってきて
わたしを助けてくれるの
なん ....
チアーヌ(724)
タイトル カテゴリ Point 日付
神様自由詩606/12/29 10:55
ムーミン谷の近くから自由詩906/12/23 0:04
明日への期待自由詩306/12/21 17:43
関係ない話自由詩506/12/12 17:20
ねこのぬいぐるみ自由詩606/12/8 10:51
タイヤの塔自由詩806/12/6 16:15
祭りとサイレン自由詩406/12/4 14:43
家具屋さんに行こう自由詩706/11/21 15:03
居場所自由詩1006/11/13 11:12
眠ることにしています自由詩606/11/13 0:17
夏に行きたい自由詩306/11/8 11:56
くまさんとおじさん自由詩506/11/1 12:29
希望の光自由詩606/10/30 12:08
さよなら10月自由詩806/10/29 21:37
そういうもの自由詩206/10/28 13:47
連絡自由詩106/10/28 13:18
銀の涙に金の箱自由詩306/10/23 1:47
優しい日没自由詩406/10/23 1:31
スーパーマーケットの外で自由詩206/10/17 17:41
丸い空自由詩606/10/16 11:49
星座の下で自由詩506/10/13 13:06
ふたりの秘密自由詩4*06/10/6 12:02
二階の水槽自由詩106/10/6 11:58
パンダちゃん自由詩506/10/5 18:04
お茶の時間自由詩806/9/29 23:53
ごまプリン自由詩206/9/29 11:19
夜の街灯自由詩906/9/24 11:49
やさしくしたいとき自由詩306/9/24 11:21
黒頭巾ちゃんとびっ○りドンキー[group]散文(批評 ...406/9/23 1:26
外で寝る自由詩306/9/22 13:41

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