床に落っこちて卵が割れた
平凡な日常のひとコマ
のはずが
切れて怒鳴りだしたわたしを
誰も止められない
というか
誰もいない
包丁が俎板をぶち割った午後
ゲームは終った
骨の砕ける音を聞きながら
排水溝の隙間に汚物を突っ込め
次々と店に行き輝く砂地に尿をぶちまけろ

栄養ってなんだ?

明るい青ってなんだ?
 ....
デパートの八階ひな人形売り場
小さいのが欲しいなあと思って行くと大きいものばかり
良く見ると「ベルばらひな人形」なんかあって
「オスカルとアンドレ」
「マリーアントワネットとフェルゼン」
へ ....
見えないところに
化石が出来た

柔らかかった
良い匂いがした

叩いても
撥ね返される
または
粉々に
割れる

水をかければ
ふやけたりせず
溶けて流れてしまう

 ....
ガマの穂が天に向かい綿に覆われて立っている
安らかな秋
まるで別世界のことのように
自分のことを思う
帰りたいと願う
時間を戻してくれと願う
叶わない願い
わたしの歩く道から
ガマの穂 ....
しんけんにいきるってなんだろう
しんけんにいきると
どこからかちぇんばろのおとといっしょに
てんしがむかえにきてくれるのかな
ばかにすんなよ
なめるんじゃねえぞ
てめえ
わたしがあと20センチ大きかったら
行きたいところが一杯ある
殴りたい人が一杯いる
着てみたい服も一杯ある

でも20センチの違いは大きい

だからわたしはマンホールの蓋を開けて
信じていたものが
違っていたとき
ぎゅっと身が縮む

寒さに震えながら
両手で缶コーヒーを
強く強く握り締めたりする

あきれるほどにぎやかなパチンコ屋に入って
無感動に札を穴に入れ ....
頭上からガンガンと大音声が響いてきて
見上げれば汚いトレーナーを着た中学生の兄弟
階段を上がって来いと言われ
戸惑っていると
「お母さんがいるから大丈夫」
と双子にしか見えない顔で言う
右 ....
わたしが歩いていたら
向こうからすごい顔の女の人が歩いてきた
横に幅広くて
目と目が離れていて
顔はずっと同じ顔で
中途半端に笑っていた
わたしが見ている間にも
顔が横に潰れていくのがわ ....
不吉だと思って頂戴
とてもとても不吉だと思って頂戴
そう思ってくれればくれるほど
あなたの前を横切るのが楽しいから
ボロボロなわたしはボロボロで素敵な部屋を見つけたので
そこに豪華な男を呼んだ
豪華な男は豪華なのでその場のすべてが豪華になった
ボロボロのわたしはいる場所のすべてをボロボロにするのが得意だけれど ....
黒頭巾ちゃんはちょっとだけ酒乱気味です。
だから、お酒を飲むときには、飲み過ぎないように気をつけています。
けれど、たまにはやっぱり、失敗してしまうこともあるのです。

黒頭巾ちゃんはアル日、 ....
恋するうさぎは
目を赤くして
息が浅い

恋するコブタは
体温が高くなって
仰向けにされると
「プギー!」と叫ぶ

恋するボルゾイは
子馬のような体を横たえ
前足を重ねて顎を乗せ ....
ふわっと投げたよ
受け取ってくれなくてもいいよ
青空には軌跡が残るから
今日とてもかわいい小鳥を見つけたの
小さくて白くて透明な小鳥
手のひらに乗せたら小首をかしげて鳴いたよ
そのことを話したくてずっと待っていたのに
あなたの顔を見たら
何も話せなくなってしまう
あなたはいつも
わたしを傷だらけにした

気がつくと
傷だらけになっていた

痛いからやめてって言うのに
あまり気にしてくれなかった

お風呂に入るたび体中にお湯が沁みる

だか ....
僕の隣に
見えない女が座っている

11月に入って床は冷たい

僕がひざを抱えて座っていると
隣で女もひざを抱えている

見えない女

たぶん
見えない鳥だと思う
おねがい
代わりになってちょうだい
大好きだった彼の
代わりになってちょうだい

ふたりでお散歩しましょう
お食事しましょう
花を飾りましょう
そして
あなたの手と
わたしの手が
 ....
月を見ています

あなたは今夜
月を見ていますか?

それは
鉄塔の上に見える月ですか?

それは
杉の大木のてっぺんに見える月ですか?

それは
電線の間から見える月ですか? ....
暖かい闇が
降りてきて
お帰りなさい

呼ぶ声
お布団の中には
たくさんの小人
目を閉じて
深呼吸
この体は
わたしのもの?
ほどけてゆく
でろでろ
でろりん
泥沼のなか
見つめ合ってみたの
なんの得にもならないって
わかってはいたけれど
亀のお尻はかわいいねって
言いたかっただけ
夕暮れ時に
かち合ったのが
運のつきね
とても疲れていて目の前には男の子が5人
全員同じ顔をしていて
おしゃべりも大差ない
違いは
セックスのテクニックだけ
「上手」
「普通」
「下手」
「刺激的」
「つまらない」
ただ ....
「久しぶり」
っていう笑顔が曲者
あのときはずいぶんいいようにあしらってくれたね
あのあとすぐに結婚したって聞いたよ
それで少し泣いちゃったことは秘密
「電話番号教えてよ」
教えない
「 ....
わたしが眠っていると
ドアを開けて神様が入ってきて
わたしの口の中に何かを突っ込んできました
なんだろうと思ったけれど
眠くて何がなんだかわかりません
そのときわたしは
大昔のローマの
 ....
今、わたしはたぶんかなり調子が悪いんだとおもう。体調じゃなくて。頭?うん。そうです。たぶん。
さっきまでHANA−BIを見てた。やっぱりいいな。わたしはあまり映画を見ないんだけど、気に入ると場面ほ ....
この部屋の空気はどんよりしている
床の色はとても濃い茶色
カーテンはモスグリーンで

午前中には光が差すよ
ベランダでハーブを育てる
レモンバームは良く伸びて
寂しいわたしのお茶になった ....
そういえば、
田舎の道路ではよく猫が死んでました。
タヌキも死んでました。(彼氏が轢いた。良く出るんだこれが、夜。)
犬も。
おばあちゃんたちは良く、「畜生は後戻りできないから轢かれる」と言っ ....
どうか優しい灯りをつけてください
お寺近くの静かな道に面した部屋は
わたしのたったひとつの場所だから
辺りは真っ暗で何も見えなくて
心細くて泣きたいくらい
けれどわたしは泣きはしない
優し ....
あまりにも暑いから
立ち眩みがしそう
知らないアパートの階段は
古くて崩れそう
錆付いた自転車の側には
痩せた猫が一匹
しゃがみ込んで撫でていると
後ろから知らない男の子がやってきて
 ....
チアーヌ(724)
タイトル カテゴリ Point 日付
割れた卵自由詩805/12/15 11:18
すべて青く自由詩405/12/12 23:17
千切れる自由詩105/12/12 9:38
生きた化石自由詩605/12/9 12:39
安らかな秋自由詩505/12/7 23:39
ちぇんばろのおとふりそそぐあさ自由詩605/12/7 20:51
あと20センチ自由詩005/12/5 11:27
収縮自由詩305/12/4 20:59
馬鹿自由詩405/12/4 12:34
すごい顔の女の人自由詩205/12/3 21:34
黒猫の気持ち自由詩7+05/12/1 17:28
豪華なボロボロ自由詩105/11/29 19:15
黒頭巾ちゃんは酒乱[group]散文(批評 ...605/11/26 20:51
恋するいきもの自由詩605/11/23 22:06
広くてオープンなスペースで自由詩305/11/22 15:35
沈黙自由詩105/11/21 23:54
体が心を自由詩405/11/18 17:38
見えない鳥自由詩305/11/18 17:33
代わり自由詩205/11/17 13:20
あなたの月自由詩205/11/16 19:23
暖かい闇自由詩105/11/15 23:00
梟と猫自由詩205/11/14 20:09
つまらない日常自由詩905/11/14 13:31
楽しいパーティ自由詩105/11/14 13:19
わたしが眠っていると自由詩205/11/10 15:51
愛は抽象画散文(批評 ...405/11/7 13:21
テーブルの下自由詩105/11/4 15:54
猫を轢く散文(批評 ...6+*05/11/4 11:30
優しいところ自由詩205/11/2 22:19
限界自由詩405/11/2 22:12

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