水の流れのはじまるところを想像していた
爪でつけた引っかき傷の薄くなって消えていくのを見つめながら
それはスピードについて考えることにとてもよく似ている
夕暮れはいつもゆっくりと訪れたかと思うと ....
燃え尽きた夕焼けがズルズル剥がれ落ちて
みっともなく海に沈んでいくと
その向こうに広がる暗い空が剥き出しになっていく
すっかり日が落ちてしまうと
書割のような安っぽい星空に
罪深い人たちの胸 ....
{引用=ち}
ぼくたちの平坦な日常からは
{引用=ちち}
死が
{引用=ちちち}
あまりにも遠く切り離されているので
{引用=ちちちち}
むしろ常に死んでいるかのような
{引用=ちちち ....
暗い部屋で
音がする

シュイーン
シュイーン

やたら歯切れの良い音が

ドアの隙間から覗くと
クマのぬいぐるみが
マスターベーションしている

シュイーン
シュイーン
 ....
あの人が
死んだ
という報せを聞いて

青い河を小さな舟で
ゆっくりと
ゆったりと
流されるよに下ってゆく
あの人の姿が目に浮かんだ

櫂もなく
舵もなく
しかし
流れに
 ....
方舟が流れ着いたのはJR大阪駅3番ホームで
人の姿のないホームにひとり降り立った少女は
後から来るかもしれぬ誰かに何かを伝えるために
ぎこちない手つきで赤いリボンを柱に結んだ
方舟はすでにあち ....
人生を、

そう、

人生を、
棒に振るような生き方を
しようと思っていた時期があった。

今よりもずっと若かった頃に、
今よりももっと愚かだった頃に。

すべてを、

そう ....
蝉の声降り注ぐ非常階段で
噛み千切るみたいにして

きっと
これでもう最後だから

甘い汗の匂いも
舌に残る塩辛い苦さも
肺から洩れる吐息も
腰を掴む指の強さも
腿の内側を撫でる風 ....
春が逝ってしまったので
とりあえず泣いてみた
道端で通り過ぎる人々に
誰彼構わず縋りつきながら

警官が現われて
ぼくを羽交い絞めにして
無理矢理パトカーに押し込めた

パトカーの中 ....
朝の
アスファルトの冷たさの上に
巣から落ちた小鳥が震えている

拾い上げて
掌の中で
戸惑う様を見つめる

鳥が

一羽の鳥が
号泣しながら
地平線の向こうに飛んでゆく

 ....
いもうとは
もうすっかり大人になって
今ではもう三人も子どもがいる
少女だったいもうとは
母になって
まるでロボットのように
家事をこなし続けている

リビングの隅の
古くさいカセッ ....
やりきれない憂鬱に
身体ごと飲み込まれそうなときは
とにかくバナナを食べる
何も考えずに食べる

午後のダイニングテーブルの上に
少し茶色く変色したバナナの皮が
脱ぎ捨てられた下着みたい ....
「遠くまで来てしまった」

そういう感覚は

地方都市への出張で立ち寄ったコンビニで
訛りの強いレジ係と短いやり取りを交わす瞬間でもなく

海外の小さな空港のロビーで
トランジットの待 ....
この世の
美しいものだけをあつめて
花束にして
ガードレールにそっと
捧げよう

PRAY

絶対的な速さの
むこうがわに逝って
野垂れ死にした
男に
祈りを

墓標の代わ ....
電信柱の影で
身籠ったおんなが
ロシア製の粗悪なピストルを構えている

臨月に近い巨大な腹が
電信柱からはみ出しているのも気にせずに
震える手で
ピストルを構えている

揺れる銃口の ....
真昼の沖に浮かべた
大きな蓮の葉のうえで
みんなが寄り添って眠る

母のない子も
子のない母も
夢を見ることのない
安らかな眠りの底で
みんなが寄り添いあって眠る

涙よりもやさし ....
扉がある、光がある、ギリシャ風の彫刻の陰で眠る娘の右手には剣
が握りしめられている、見ろ、開け放たれた窓の向こうに広がる暗
い森を、降りしきる雨を、ピアノ線のような銀色の雨を、雨がうる
さいので ....
塗りつぶされたような無が
地平線まで続く平坦な荒地を
軽やかに飛んでゆく

この
とても静かで安らぎに満ちた風景

墓石に腰掛けながら
盲いた老人が呟いた呪いのことばは
もはやだれ一 ....
目を瞑る

暗闇のなかで目を瞑る

どこか遠い場所で
点と点を結ぶように
だれかとだれかの
唇と唇がゆっくりと触れあうと
それを合図に違うだれかが再生ボタンを押す

暗闇のなかに
 ....
わかったつもり、というものほどあやふやなものはないと思う。
そして、わかったつもりで何かを語ることほど、無様で格好悪いものはない。

そもそも、わかったと思っている主体である『私』自身は一体何者 ....
ぷっちょ
好きさ
ぷっちょ

おまえの柔らかな歯ごたえ
なめらかな舌ざわり
たまらなく好きさ
ぷっちょ

でも
このまえ
グミが入ってないほうがいいかも
なんて一瞬思っちゃった ....
暴力は、
いつも、
華麗な、
形で、
現われる、
速さとか、
強さとか、
そういう、
魅力的な、
モティーフを、
まとって、
前触れもなく、
テレポーテーションする、
通り魔 ....
件名:さびしさについて

というメールが
知らない人から届いた

開いてみたら
ただのエロスパムメールだった

無性にさびしくなった
ガラスの向こうで眠る
ぬいぐるみみたいな子猫ちゃん

自分のものにならないとわかると
途端に欲しくてたまらなくなります

好きよ
スキスキ
ギュッってして
チュッってして
あと他に ....
ゆっくりとひらいてゆく 瞳の奥にある泉
深い水色の かなしみに似た 透明な水
ちいさな しかし 底の見えない泉

そのほとりで 小鳥たちは さえずります
悲鳴のような声で 切り裂くように
 ....
わかりあえる なんて これっぽっちも思ってないから
せめて わかりあえてるポーズだけでもしようか
微笑みあって 握手して ハグして

それさえもできない相手とは 殺しあえばいいじゃないか
心 ....
夕暮れの近づく音がするので
ポッキーを食べながらベランダに出てみたら
銀色の機体に夕日を反射させながら
巨大な鯉みたいな旅客機が
山の向こうにふわふわと飛んでいくのが見えた


あの山の ....
 ロックとは、イギー・ポップのことである。イギー・ポップ自身がロックであり、ロックとはイギー・ポップと同義である。

 イギー・ポップ以前にロックは存在せず、いつか(そう遠くない未来に)イギー・ポ ....
そう そこに意味はないんだよ

ソーダの泡 はじけて

いつか 消えてしまうように

あるがままに あり

消えるがままに 消えていく

だから 光 とろけるように

のみこん ....
指一本動かないほど疲れきって眠りに落ちる時に
おっぱいのことを考えているのは誰だ

泥のように眠りながら夢の中でも
おっぱいのことを考えているのは誰だ

朝起きてなによりもまず最初に
お ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
スピードについて自由詩407/6/20 13:01
夜景自由詩307/6/13 18:00
おっぱい自由詩5*07/6/12 23:01
自由詩0*07/6/12 22:57
青い河自由詩2*07/6/11 11:24
方舟未詩・独白407/6/7 18:20
おっぱい自由詩3*07/6/7 9:42
自由詩3*07/6/7 9:34
ハローワーク自由詩207/6/5 11:44
告解自由詩607/6/5 10:52
いもうとワルツ自由詩407/6/1 21:06
バナナ自由詩607/5/31 12:40
distance自由詩507/5/31 11:16
彗星パルティータ自由詩3*07/5/18 2:45
肉屋のある風景自由詩207/5/16 17:32
ひかりかがやく涎の海をこえて自由詩407/5/15 18:10
The Doors自由詩307/5/6 15:39
Annihilate poets!自由詩307/4/30 16:20
流れるままに自由詩307/4/27 2:10
「わかる」ということと「リアル」について散文(批評 ...2+07/4/26 13:48
ぷっちょ未詩・独白3*07/4/20 16:42
暴力について未詩・独白007/4/18 19:00
さびしさについて未詩・独白907/4/13 19:05
ヨコシマ自由詩1*07/4/13 18:11
spring[group]自由詩307/4/10 11:32
君に自由を見るのさ自由詩307/4/6 11:03
カスミちゃん自由詩507/4/5 17:57
イギー・ポップ論  〜 ロックの不可能性について 〜散文(批評 ...1+*07/4/3 18:47
自由詩7*07/4/3 0:15
おっぱい自由詩507/3/28 13:19

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