聞いたことのない名前の島の
生温かい浅瀬で戯れる半裸の娘たち
その下半身は鱗に覆われていて
しなやかな魚の尾鰭を思わせる
夕日を反射して虹色に輝いている
それを 洗いたての柔らかなタオルで包 ....
空はどこまでも鈍い雲に覆われていて
海まで続く暗く長い道を
目隠しされた罪人どもが牽かれてゆく

贖うことなど決して叶わない
あまりにも重い罪を懐に抱いて

だが その足取りは重くはない ....
午後
影はべったりとアスファルトを染めて
拡散することのない光線が街中を蹂躙する

シグナル 赤く
ラヴソング 囁く
クラクション 高く
ブルーバード 羽撃く
リクルートスーツ 若く
 ....
手触り
指先に
冷たく
温かく
空気だけが
踊るように
流れ
揺らめく
光の屈折
気配
息遣い
衣擦れの音
視る
よりも
確かな
この
存在の不在
大きな雨粒がひとつ
フロントガラスに
ボトリと落ちてきた

さっきから
車の中は
沈黙で満たされていて
私はもう
ひとりで歩いて帰っていく自分の姿を
頭の片隅でイメージしている

 ....
たとえば
この曲をきみのために捧げたとして
いったいそれに
どんな意味があるというのだろう

おれは
もはや ただの亡霊
朽ち果てていくだけの運命

白鳥の視た束の間の夢の中で
歪 ....
おれの名はマイティ・ボン・ジャック
マイティ で
そして ボン で
おまけに ジャック
だから マイティ・ボン・ジャック

できの悪い兄貴たちの
屍踏み越えて行くのさ

マイティ っ ....
この夜を
この途方もなく退屈な夜を
新発売の口紅で
プルンプルンの唇を作る口紅で
塗り潰す
安っぽいベイビーピンクで
パールのキラキラと
グロス系のピカピカが
なにもかも
どうでもい ....
疲れている

眠ることさえ疎ましく思えるほどに
疲れている

何もする気になれず
ただ
ぼんやりと
椅子に腰掛けている

ダイニングテーブルの下で
犬は
噛むと音のなるオモチャ ....
スピードを上げるほど
向かい風は強くなる。

もっと、加速しろ、
アクセルを緩めるな。
笛咥えてピー
真夜中にピー
ひとりでピー

思い出すよ
我が幼き日の思い出

夜に笛吹くとヘビが来るわよ
ってママンが言ってたよ

ところで
昨日
手紙が来たんだ

「落と ....
北極星までの距離は430光年だそうで
ということは 今 あそこで光っているのは
430年前の北極星なわけで
もしかすると とっくの昔に北極星なんて
なくなってるかもしれない

そう考えたら ....
夜の果てで
黒い鳥は歌う
その破れた羽根で
羽ばたこうとしながら

そう
ずっとこの時を
待っていたんだろう
目覚める
この時がくるのを

夜の果てで
黒い鳥は歌う
その盲い ....
アイツは昔
とにかく馬鹿だったんだ
バナナが大好きで
いつでもどこでも
バナナを齧ってた
食べた後のバナナの皮は
大事に持って帰るんだ

そうやって集めたバナナの皮を
クロゼットに ....
5月陣
200人
北朝鮮への検討していることを
示少クに出発西日後7時431分
GW上京9報道確本初
第1ワシ米国務次官補東アジアン
力をかける用意の有無は不明だ
共同外相読売通信を遺棄 ....
大阪駅前のな
でっかいスクランブル交差点
アンタもよく知ってるやろ
あそこのド真ん中で
赤信号のド真ん中で
車がブンブン走っとるド真ん中で
けったいな婆さんが踊っとったんや
ピンクと緑の ....
終わりの時には
しっかりと眼を開けていたい
そこに見えるすべてを
記憶に焼き付けて行きたいから

おとといの午後
娘と二人で近所のスーパーに行って
お菓子売り場でかれこれ30分近く
ハ ....
コップ一杯の冷たい水
そんなささやかな願いさえ
叶わないまま
死んでいくこどもがいる星
きっと百万年前も今も
あんまり変わってないんだよ
この星は
せめて
冷たい雨が降って
その唇に ....
乱暴に払いのけた手
固く握り締めた拳になっても
殴りつけるものさえ見当たらず
この遣り場のない気持ちと
同じ形のまま
中途半端に宙に浮いている

ほんのさっきまで
この手の中に
その ....
そう 今
なによりも重要なのは
うどん だ

金よりも
命よりも
愛よりも

うどん こそが
全てに優先する

ゆっくりと だが確実に
その事実に 誰もが気付きつつある

 ....
口ん中満たすほどに
やたら大きなキャンディ
アメリカ製のケミカルな甘さ
持てあましながら
オンボロ車転がしてんだ
クーラーもロクに効かない
このオンボロで
初夏の海沿いの道を
転がるよ ....
どこから
吹いてくるのか
わからない
その風を探して
ビルの谷間
急いで走り出す
流れていく街に
流れていく時間を
マーブル
絡み合って
ミックス
混ざり合って
メロウイエロー ....
なにもかも
すべて
光の速さで
消し飛んでしまえ


この瞬間が
無限に更新され続けていて
そのすべての瞬間に
自分が存在しているという
事実
それを疑え

信じるな
何 ....
紫の羽根の鳥を追いかけていたら
知らない町まできてしまいました
帰り道もわからないし
人の言葉もなにやら違うようです
初めは戸惑いましたが
そのうちに言葉も覚え
友達も何人かできて
家を ....
ゼリーのように透明な若い緑と
突き抜けるスカイブルーの
鮮やかなコントラストが
ぼくを憂鬱な気分にさせる

五月

無残に折られた桜の枝にも
健気なまでに生々しい緑が芽吹き
それを食 ....
今朝ひとり海に行って
砂浜でナイフを拾い
海賊になる運命を知った

ああ
そうだったのだ
これまでの人生はすべて
海賊になるための
複雑な道程だったのだ

風をいっぱいに受けた帆が ....
冬の海が好きだ
できれば真冬の海がいい
雪が降りしきる海は
まるで
この世の果てのようだ

地球が丸いなんて本当だろうか
実はそんなの大嘘で
平坦な地平線はここで終わり
この先は果て ....
生まれたのは海沿いの町だけど
その町で暮らした記憶なんて殆ど無いぐらい
幼いうちに引っ越したのに
記憶のどこかに染みこんでいる故郷のイメージってやつには
いつも必ず潮の匂いが漂っている
たま ....
生まれたのが
海の近くの
とても小さな町で

だから
海の見えないところにいくのが
怖い

波の音とか
磯のにおいとか
塩気を帯びた風とか
わたしの細胞のひとつひとつが
そうい ....
鮮やかな青紫の羽根を
ゆっくりと羽ばたかせながら
鏡のような水面の上を蝶が飛ぶ
きっとあの軌跡には
永遠という言葉の意味を読み解く
複雑な方程式が隠されているのだろう
蝶が羽ばたくたびに
 ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
人 魚自由詩405/5/25 13:15
罪と罰未詩・独白305/5/25 0:04
スケッチ自由詩105/5/24 12:56
インヴィジブル自由詩205/5/24 12:41
リセット自由詩205/5/24 2:13
ファントム・オブ・ザ・パラダイス[group]自由詩1*05/5/20 12:40
マイティ・ボン・ジャック自由詩1*05/5/19 12:54
ビピーイクンベ自由詩405/5/19 12:48
犬のいる風景自由詩305/5/19 2:27
against未詩・独白105/5/17 13:11
ピー自由詩505/5/17 0:08
北極星自由詩205/5/14 2:38
黒い鳥自由詩105/5/14 1:58
キノコ農園物語自由詩405/5/12 22:53
5月7日(土)19時45分未詩・独白105/5/12 1:06
舞踏婆自由詩305/5/11 20:35
ジェイコブス・ラダー[group]自由詩13*05/5/11 11:54
水の惑星自由詩405/5/9 17:02
自由詩105/5/9 0:21
うどん革命自由詩205/5/8 2:27
EARLY SUMMER CANDY DRIVE自由詩105/5/8 1:31
COLOR自由詩205/5/7 19:18
自由詩105/5/6 2:15
忘却自由詩205/5/5 19:54
五月[group]自由詩105/5/4 5:29
出帆自由詩405/5/4 0:56
海について(2)未詩・独白305/5/4 0:51
海について(1)未詩・独白205/5/4 0:50
海に還る自由詩305/5/1 23:03
永遠自由詩105/5/1 23:00

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