春など永遠に来るな
小鳥のさえずりも
野に咲く名もない花も
小川のせせらぎも
暖かな陽射しも
この世界には必要ない
春という季節そのものを
凍てついた地面の下に
埋めてしまえばいいのだ ....
ブラウン管に映し出される
あなたの姿を
海の向こうの遠い国で走る
あなたの姿を
こみ上げる嘔吐と戦いながら走る
あなたの姿を
背後に迫るランナーの影を振り切るように走り続ける
あなたの姿 ....
今朝テレビで観たけど
そっちはすごく寒いみたいだね
戦後最大級の寒波ですって
アナウンサーが興奮気味に喋ってたよ
いま戦争の真っ最中なのに
戦後だなんてなんだかおかしいな
ちょっと遅くなっ ....
地下鉄のホームに立って
銀色に光るレールを
じっと眺めていた
薄暗い水銀灯の光を反射して
日本刀のように
静かな輝きを放つレールを
瞬きもせず眺めていた
このレールがどんな金属でできてい ....
ぼくはもう二度と
海なんか
恋しがったりはしない

何もかも脱ぎ捨てて
素っ裸で泳いだあの夏の海を
恋しがったりはしない

おまえが耳元で囁いた
あの言葉を思い出して
涙ぐんだりも ....
あした晴れたら
レモンキャンディー舐めながら
コンビニ強盗でもやってみようか
それとも
この腕枕している右腕が壊死するまで
きみとふたり眠り続けてみようか
やあ
久しぶりだな
調子はどうだよ
おれは最悪だな
聞いてくれよ
ここんとこずっと
酷い下痢なんだ
そりゃそうだよな
起きてる間は
ずっと呑み続けてるからな
あらゆる酒
酔えるも ....
ブッダに会っては
ブッダを殺し

キリストに会っては
キリストを殺し

総理大臣に会っては
総理大臣を殺し

大統領に会っては
大統領を殺し

王に会っては
王を殺し

 ....
あたらしい世界にやって来たぼくたちは
とりあえず線を引いた

ぼくの土地
きみの土地
あなたの土地
彼の土地
彼女の土地
先祖の土地
生まれてくる子ども達の土地
神様の土地
誰の ....
怒髪天を衝き
コタツに空手チョップ
一刀両断
見事なまでに真っ二つ
でも全然スッキリしない

今日の朝刊で読んだんだけどさ
太陽の直径の千五百倍もある
馬鹿デカい星が見つかったらしい
 ....
きみはまだ覚えてるかい
場末のカラオケボックスで
きみにせがまれて歌ったあの曲
就職活動の真っ最中で
髪を切ったばかりだったぼくは
苦笑いしながら歌ったんだ

就職してからもう十年以上も ....
詩なんか
書くなよ
●1点
クマになりたい
ぬいぐるみのクマに
ちょっとツルツルした
手ざわりのいい布地で
中味は綿
ただの綿
コットン100%
内臓も骨もいらない
脳もいらない
心もいらない
そんなクマに
 ....
地下鉄ゴトン
改札口ガタン
猫の目キラリ
三日月ピカリ
ドブ川ドロリ
長い影スラリ
帰り道ポツン
月が真っ黄色に輝いて
鈍い青の夜空に貼り付いている木曜日
橋の上の素人ミュージシャン
調子ハズレの流行り歌
ギター掻き鳴らし喉も裂けよと
タバコの煙と一緒に風に乗って
電柱よりもビルよりも ....
おれは今朝、

22口径のリボルバーを携えて
川沿いの安アパートを出て
車検切れ間近のポンティアックで
43号線を西に向かって
安物のカーステレオで
大音量のジョン・ゾーンをかけて
掌 ....
とりあえず

(テレビもおもしろいのやってないし)

何もすることがないので、

(読む本もないし、お腹も減ってないし)

きみは外に出てみることにする。

(ちょっと肌寒いかもし ....
記憶というのは
たぶん
脳のとても奥深くに
結晶していて

たとえば
海馬とか
松果体とか
そういうところに
ある種の化学物質として
存在しているんだと思う

(いつか話したと ....
あたたかいな

あたたたいですね

あたし と あなた あたみのうみで

あたたかい あたみのうみで

あたたたい あたみのうみで

あたし あなた を うみました

あたたか ....
どうせ

世界なんて

すぐに終わるから

はやく

目を

閉じてしまおう
娘は一人で
虎を狩りにゆく

右手に聖書
左手には弓

娘はまだ
虎を見たことがない
おまえはスポンジ
濡れたらドボドボで
乾けばパフパフで
中身なんてない
重みもない
いつでもだらしなく
欲しがってばっかりで
与えても
与えても
与えても
与えても
何の役にも立 ....
片目で世界を視る

  右

  左

それぞれひとつずつ

似ているけれど
どこか違う世界
それらを混ぜ合わせて
適当に妥協させた世界に
私たちは生きている

私の目の前 ....
パンツ を はいていない わたし は

はいていない わたし の パンツ を

わたし は パンツ を はいていない

はいていない わたし の パンツ を

パンツパンツパンツパンツ ....
たぶん祈りには何の意味もなく
そんなことなど承知の上で
とうに終わった宴のあとを
涙ぐみながら眺めているのです
宴が終わっていることは知っています
でもそれを認めたくはないのです
訪ねてい ....
はじめに世界があり
世界には
あたりまえのように
卵があった
時が満ちて卵は孵り
そこからアダムとイヴが産まれた

アダムと
イヴは
であった次の瞬間には
アタマと
インブになり ....
ルーシー
背骨の
ちいさな
口笛
小雨降りしきる
午後
ホリー、ヴァレンス、ボッパー
冷笑を
土曜日は
トウモロコシ畑
ジャケットに
52人
なにもかもが
飛行機事故
45 ....
雨に打たれたカラスの羽根が
ネオンを映し虹色に光る
薄ら寒い十一月の夕暮れ
水たまりの泥水はねながら
走り去るドイツ車のテールランプ
怒号
罵声
横殴りの雨は
傘などものともせず
容 ....
おれの飼ってる猿が死んだから
おれは公園の隅に穴を掘る
猿の大好物だったジェリービーンズと一緒に
冷たくなった猿の小さな身体を埋めてやるんだ

かわいそうな猿
コロンビアのジャングルで密猟 ....
インチキの荊の冠
おまえのための
首飾りにしてやろう
首筋に感じる
絶対的な速度
音速
光速
まばゆい風
頬を切る光
振り向きざまのビルボード
溶けて
見たこともない
色で
 ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
常冬[group]自由詩205/2/18 15:04
42.195自由詩105/2/18 0:09
終わらない冬に[group]自由詩205/2/17 10:20
刃の上自由詩205/2/16 22:22
封印自由詩205/2/16 12:58
あした自由詩305/2/16 1:36
亡霊たち自由詩305/2/15 16:12
コンテンポラリーな禅自由詩305/2/15 12:01
自由詩205/2/14 13:52
超新星コタツ自由詩405/2/14 11:40
「いちご白書」をもう一度、をもう一度自由詩205/2/13 23:55
●1点自由詩305/2/13 2:21
クマになりたい自由詩2*05/2/12 12:22
帰り道自由詩305/2/11 17:47
メロディ自由詩105/2/11 0:26
12秒間のニューヨーク自由詩205/2/10 13:17
ない日自由詩105/2/9 23:29
記憶自由詩105/2/9 10:08
あたみさつじんじけん[group]自由詩005/2/9 1:56
視/界自由詩105/2/8 13:40
虎を狩りに自由詩205/2/8 2:47
スポンジ自由詩205/2/8 1:00
視る自由詩105/2/7 13:36
パンツ革命自由詩105/2/6 18:32
祈りの日自由詩605/2/6 11:36
ニンゲンのはじまりとおわりについて自由詩405/2/5 15:12
アメリカン・パイ自由詩205/2/5 1:00
呪雨自由詩105/2/5 0:58
死んだ猿の歌自由詩205/2/4 14:57
神様ごっこ自由詩205/2/4 0:33

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