かれこれ20年も前のこと。

 それは、大学受験も近い高校3年の1月のことだった。受験勉強(のようなこと)に勤しんでいたぼくのもとに、母がやってきた。

「なんか、小包が届いてるわよ」
  ....
 大学に入って、最初にぼくがやったバイトはレンタルビデオ屋の店員だった。
 映画好きだったぼくは、ビデオ屋のバイトなら好きなだけ映画のビデオが見られると考えたのだ。レンタルビデオといえば、今では一泊 ....
午後6時
とある郊外の
マンション群の外れにある
ハンバーガーショップ
窓際の席に座って
冷めたフライドポテトをかじりながら
手をつないで信号待ちしている
小さな兄弟の後姿を眺めていた
 ....
年寄りは
生きてきた時間が長い分だけ
淫らだ

人間は
そういうものだから
しかたがないのだが

そんなことを
老夫婦相手に
説いている人がいた

しかたないね 婆さんや
し ....
お爺さんは時速300kmで突っ走る直径10kmの鋼鉄製の球体に玉乗りしながら
火星から来た蜘蛛の群れを狩りに、
お婆さんは最新型の火炎放射器でストラトキャスターを燃やしながら
ステージ上で邪神の ....
見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群れ

見渡す限りの亡霊の群 ....
あたらしい神様が来るまでは
原価計算や伝票処理をするふりして
午前中の時間をつぶして
昼休みに会社の近所のコンビニに行ったら
あたらしい神様が
少年ジャンプを立ち読みしてた

午後になっ ....
祭りのお囃子が
近づいてくるのを聞きながら
冷たい床に頬をあてて
熱が奪われていくのを感じている

トン トトン トン トトン

水たまりに
髑髏が転がっていて
なぜだか知らないが
 ....
今夜
ぼくの知らないどこかの街に
一足早く八月がやって来るそうだ

寝苦しさに耐え切れない人妻たちが
全裸で街中を駆け回り
路上駐車している車に火を放つ

コンビニでぼんやりと
成人 ....
コレ あげる

ソレも あげる

でも アレだけは

ぜったい あげない
コンコンとノックして
混沌がやって来た

混沌はソファに腰掛けると
懇々と愚痴をこぼし続け
やがて喋り疲れて
昏々と眠り続けた

窓の外は真っ暗闇で
季節はずれの雪が
コンコン降り ....
 経営していたデザイン事務所が潰れ、夜逃げ同然に実家に戻って来た。以来、年老いた両親に煙たがられながら家の中でゴロゴロするだけの毎日が、この二月ほど続いている。ここに転がり込んだのは梅雨の終りの頃だっ .... もうすぐ
爆撃機のように
八月がやって来る
さあ灯りを消して
ふたりで
ベッドに隠れよう
     と
      に
       か
        く
         地
        球
       は
        グ
         ル
       ....
午後の生ぬるい図書館で 退屈と眠気のあいだを 振り子のように行き来しながら

頭の中では 隣に座った 白いブラウスの女のことを考えている

読んでいるわけでもない太宰治のページの端を 人差し指 ....
いるぐらっつ はるもらーぐ あれしゅろっぷ

のんぎりーあんちゅる すぅいーじゃば じゃば

たらられっぷ とれれろっぷ ちりりるっぷ

なっぷ はっぷ じぇっぷ きゅっぷ やっぷ

 ....
 たまたま人からもらって一度だけ食べたお菓子の味が忘れられないのに、どこのなんというお菓子なのかさっぱりわからない。しかも、その人とは音信普通になってしまって、もはやそのお菓子を探す手がかりが何もない .... 自動販売機の陰の
真っ黒な塊がゴソリと動いて
よく見るとそれは
汚れた分厚い毛布に包まった人だった

たとえば
ここが砂漠で
水も食料もなく困っている人と出遭ったのなら
ぼくはいくらか ....
真夜中に笛を吹くと蛇が来るよ
死んだお婆ちゃんは
いつもそう言っていたけど

んじゃ
真夜中にディジュリドゥ吹いたら
一体何がくるんだろう

試しに吹いてみたら
隣の家のダンナさんが ....
明日の朝まだ日が昇る前に
わたしのアパートまで
迎えに来てください
最新型のスポーツカーで
あの角をゆっくりと曲がって
わたしのアパートの前で
静かにエンジンを切ったら
わたしは小さなバ ....
たまに来るアレが
今日久しぶりにきた

そこだけ
穴があいたみたいに
ポッカリと黒くて
その周りが金環蝕のように
キラキラと閃光を放っていて

おれの視野を奪い
鈍い頭痛を連れてく ....
スイッチを「パチン」と入れて、

と思ったら
スイッチがない。

あるはずのところに
スイッチがない。

昨日、
夜寝るときにはあったのに。

今朝、
顔を洗ったときにはあった ....
真夜中の森で月を見た
満月には程遠い
アンバランスな円
妙に自慢げに
名も知らない鳥が一羽
きれいな円を描いて飛んでいた
欠けた月を
笑っているのか
飛べもしないおれを
嘲っているの ....
 真っ昼間の北新地を歩くのが好きだ。

 北新地というのは、大阪キタの高級クラブやスナックがひしめきあう歓楽街だ。バブルのころは、それこそ“座っただけでウン万円”という店がごろごろしていたらしいが ....
約束の時間から3時間も過ぎても サユリは現れない
ぼんやりと待っていても仕方がないので
とりあえず先に出発することにした

目的地は とある湖で
そのほとりに 以前来たときにはなかった小屋が ....
 知り合いのレストランのオーナーシェフから聞いた話。

 そのレストランの常連の客に、貿易関係の会社を経営するBさんという人がいた。Bさんには、もうじき小学校に入学する香奈ちゃんという娘さんがあり ....
ねえ 凜
前にも話したかもしれないけれど
きみが生まれる前に
きみのために考えていた名前が
ほんとうは ふたつあったんだよ

どちらかといえば
ぼくはもうひとつの方が
ほんの少しばかり ....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 ....            <上面>
           SevenStars


<左側面>      <正面>                    <右側面>
SevenStars     ....
どれだけ美味しいカレーが作れるか
それは
抱えている苦しみの重さで決まる

インドのある村では
古くからそう信じられているそうだ

その村では
美味しいカレーを作るために
大切に育て ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
受験生諸君散文(批評 ...505/7/28 12:51
大福餅秘話散文(批評 ...105/7/28 12:44
冒険者たち自由詩305/7/28 12:40
美しいということ自由詩505/7/28 3:15
岩と巻物自由詩305/7/28 2:46
ゴースト・イン・ザ・マシーン未詩・独白4*05/7/26 13:53
あたらしい神様自由詩505/7/26 11:50
トン トトン自由詩205/7/25 17:41
八月[group]自由詩505/7/25 12:03
あげる自由詩305/7/22 22:45
こんとん自由詩405/7/22 11:45
祭りのあと散文(批評 ...205/7/22 10:46
空襲警報[group]自由詩905/7/22 2:38
『天球の回転について』ニコラウス・コペルニクス自由詩805/7/21 16:47
ニンゲン失格自由詩1205/7/21 11:42
すんせ ぐんきいめ ぷっとす自由詩2*05/7/20 17:54
一目惚れ。散文(批評 ...505/7/20 16:01
路上にて自由詩505/7/20 15:56
夜更けのディジュリドゥ吹き自由詩10*05/7/19 17:25
妄想歌謡曲自由詩405/7/19 17:10
閃輝暗点[group]自由詩105/7/18 13:32
失われたスイッチを求めて自由詩505/7/18 13:29
円を描く自由詩405/7/18 2:14
北新地エレジー散文(批評 ...605/7/16 10:32
湖畔にて自由詩505/7/15 17:33
空っぽになる散文(批評 ...605/7/15 10:58
[group]自由詩505/7/15 2:13
詩と“私”を切り離せ。散文(批評 ...61*05/7/13 17:38
SevenStars未詩・独白505/7/13 15:14
カレー自由詩305/7/11 3:53

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