おしまいの向こう側に
光なんか見つけて
ほんのすこしドキドキしても
そんなのはきっと残像

瞼の裏側にしか存在しない映像がある
って
前にも使ったことがある言い回し

だけど
それ ....
這い上がって
くるみたいな
あの感じ

背骨を
震えが

そういうのは
なくなった
もうなくなってしまった

終わることのない音楽に
うつくしい
という名を付ける
その衝動 ....
まっしろなひかりと
吐く血の赤の
混じりあうところに
のみこまれるようにして消えたい
16グラムの毒を
透明な真空に溶かして飲みほしたら
色褪せてしまうことばは
もう必要ないから

 ....
白い塔の表面を
カッターナイフで削ってみると
そこから
赤い血が滲んできたので
包帯を巻いてやった

それが正しいやりかたなのかどうかは
知らない

コンビニのゴミ箱に捨てられていた ....
仕事と仕事の間の
エアポケットのような
30分間

中崎町と天六の真ん中あたりの
こじんまりとしたおしゃれなカフェで
居心地の悪さを背負いながら
コーヒーを飲む
午後2時

この街 ....
というわけで、今回もまた大好きな馬野幹について語りたいと思うのです。

『ラストオナニー』馬野幹
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=125719

 ....
今この瞬間が
ものすごい速さで反復され続けていくので
すっかり気の抜けたビールが
待ちくたびれたまま蒸発していく
深夜2時の居酒屋
鶏や豚の脂でべたついたテーブルの上
今この瞬間に
きみ ....
なんの兆しもなく
啓示が降り注いでくる
みどりの空の彼方から
呼応するように
たましいの最深部で
あらゆる種類の
絶望のかたちが
砂糖菓子みたいに
崩落してゆく
無限に共鳴する
あ ....
今年もまた
死にぞこないの夏の息の根を
ひと思いにとめてやる
そんな季節になりました

終電に揺られながら
窓の外を流れる夜景と
イヤフォンから流れる音を
頭の中で混ぜ合わせます

 ....
宇宙で
きみと待ち合わせして
渡しそびれたままの手紙を
きみに渡したい

そしてそこから
もう一度だけ
やりなおしてみたい

終電が終わったあとの
ちいさな水たまりみたいな
駅前 ....
こないだ
代官山のこじゃれた居酒屋で
イギリスの旅行記を出版したっていう
色白の女の子と飲んでてん

最初の四杯は生ビールで
五杯目からはホッピー

女の子の腕が
透きとおるみたいに ....
ずっと見てんだ
ここから

降りる気なんてないし
登ってくるやつもいない

ただ
おれはひとりで
ずっと見てんだ
ここから

ぜんぶ
おれのものだから
ずっと見てんだ

 ....
空が凍りついてドームみたいになってそこから数え切れないほどた
くさんのつららがぶら下がっててみんな口を開いて空を見上げてそ
のつららの先っぽのところからたまに落ちてくる雫を受け止めよう
と必死に ....
毎朝
目覚めると同時に生まれ

毎晩
眠りに落ちると同時に死ぬ


鳥たちは
何度もくりかえし
向こう岸から飛び立ち

そして必ず
契約の地に着く前に
力尽きて墜ちる

 ....
お前の母ちゃんザンギエフ
お前の母ちゃんブレイクビーツ
お前の母ちゃんハルマゲドン
お前の母ちゃんネクサス6
お前の母ちゃんマエストロ

連れてって いまシャングリラ
好きだぜ おまえの ....
許せないのって泣きわめいてみてよ
血が混じった
ピンクの涙が流れるまでさ

許せないのって泣きわめいてみてよ
ぼくの胸ぐらをつかみながら
ケモノみたいに乱暴にさ

誰かの目を覗きこみな ....
いちご味のアイスクリームが
水たまりに落ちて
七色の油が
水面を走って拡散していく
その上をコンビニのレシートが
巨大タンカーみたいに
悠々と流されていく
アスファルトにひざまずいて
 ....
何しに来た?
って
ぶっきらぼうに
訊かれて

機械みたいに
サイトシーイング
って応える

観光と書いて
サイトシーイング

笑える

遠い遠いところから
光を観にきま ....
夏という季節は
ひとつの国のようなものだ
無慈悲な王が支配する灼熱の国だ

蝉の声が轟きはじめると
おまえたちはまるで
夏という国に力ずくで連れて来られた
哀れな奴隷のようになる

 ....
すべり台の一番高いところで断続的に爆発しながら
ガチャピンが存在しない耳たぶを震えさせる
そのときの高音域の伸びは
誰にも真似できないほど抜群だから
ガチャピンは何度も何度も爆発を繰り返す
 ....
震えるぐらいの銀色で
嫌われ者が震えている
脂肪まみれでブヨブヨの
嫌われ者が震えている
なあ おい
肉食わせろよ
メタリックな肉がいいよ
はやく食わせろよ
肉肉肉肉肉肉
こけしが階 ....
濁りはじめた空の色に

ふたり行方をくらませて

世界を煙に巻いてしまおう


先を急ぐのはやめにして

どうでもいいような嘘で

地図は塗り潰してしまうんだ


音が途切 ....
ヤってんのか
ヤられてんのか
わからないスピードで
アスファルトの上滑ってく
白いシトロエン
いつか辿り着きたいのは
甘い紅茶といちごジャムの午後
とりあえず今は
あの娘のどれいのフリ ....
虹が燃えているのを
ぼくは想像する
その思考と同じ速度で
閉じた瞼の奥で
火薬の匂いが湧きあがる
銀河の向こうがわで
死刑囚が馬鹿笑いする
光の届かない深海で
眠り姫が森を思い出して泣 ....
思い出し笑いを
小さな箱に詰め込んだら
いつかのクリスマスプレゼントの
きれいなリボンで飾ってあげる

右手には甘いキャンディ
左手には苦いチョコレート
どっちもあげない
どっちもあげ ....
リンゴを食べたことがおれたちの罪の始まりだなんて
ストラトキャスターを掻き鳴らしながらあいつが歌う
トランプで掌を切ったおまえが部屋の隅で泣いている
カシュクールの胸元から覗く真っ白い肌と青の下 ....
心の闇
なんていう安っぽい言葉ひとつで
人殺しの気持ちを説明できた気になるなよ



薄っぺらなプラズマテレビの向こう側で
薄っぺらな現実が不意打ちみたいに暴発する

眩しい
眩 ....
サイコロを振って
出た目に従って
誰かが殺される
殺され方も
サイコロを振って決められる
こんどはだれが って
おまえが爪先を
ピンク色に塗りながら言う
屠殺場からの叫び声が
聴こえ ....
雨は
見えない森になって
街を侵食していく
闇の中で肉食の獣が
共食いを始める
海に向かって歩いていくと
砂浜には
打ち上げられた人魚たちが
数え切れないほど転がっていて
そのことを ....
胃草が散げると
眠廻獣の柔嘴に
熱涎を揮めなう
這がうことなく
忍かに屠猟する
すぐさま逃潜げ
剥べられる眼筒
いま昂髄を奔ぐ
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
残像自由詩312/10/9 23:45
喪失自由詩3*12/9/19 21:39
シロップ自由詩511/7/19 12:51
スカイツリー自由詩410/8/25 14:02
ゆるやかに自由詩510/6/2 18:52
【批評祭参加作品】馬野幹のやさしさについて[group]散文(批評 ...710/1/13 23:24
儀式自由詩109/12/16 18:16
受精自由詩509/8/27 15:09
夏葬[group]自由詩809/8/26 17:20
なつやすみ[group]自由詩709/8/13 1:43
絶対的に白自由詩509/7/21 19:38
みはり塔自由詩209/6/3 20:01
スカートめくり自由詩0*09/2/18 0:14
ニューロマンサー自由詩209/2/7 2:13
「電気グルーヴ」自由詩1*08/9/25 2:39
愛ではなく愛みたいなものさえあればいい自由詩308/9/17 19:36
レイラインストリーム自由詩408/8/13 12:17
観光自由詩408/8/12 2:04
奴隷[group]自由詩408/7/23 14:55
ガチャピン自由詩608/7/23 2:16
「ザ・スターリン」自由詩4*08/7/20 18:37
「EL-MALO」自由詩2*08/7/20 18:36
「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」自由詩1*08/7/20 18:34
燃える虹について自由詩208/7/2 13:44
×××自由詩8+08/6/24 12:51
××××××自由詩0+08/6/24 1:06
ヒミズ自由詩1008/6/21 12:55
さらばモンキーハウス自由詩2*08/6/3 18:56
雨の森で自由詩008/5/23 10:56
vision/2自由詩1*08/5/22 11:08

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