こないだの日曜日
夕方
泣きました
一人
ベッドの隅っこの方で
丸くなって
泣きました

どこかの家から聴こえてくる
たどたどしいピアノが
まるで
冴えない映画のBGMみたいで
 ....
転がるとか
走り出すとか
そういう感じじゃなくて、
フッ飛んでくとか
消え去っちまうとか
そういう感じが欲しいんだ。
重くて速い風が耳元をドヒュン、
カラダごと持っていかれそうになるほど ....
「缶ビール飲みながら
 つけっぱなしの深夜番組を
 BGM代わりに読む
 免疫学入門」

「ねぇ読んで
 読んでほしいの
 あなたに
 免疫学入門」

「病院のベッドで
 吐いて ....
もうとっくに
何もかも終わったあとで
取り返しがつかないとしても
もう一回おれが
最初から始めてやる
浅い眠りから目覚めると
滑走路で
ビデオデッキは燃えていて
ビデオテープの挿入口から
火炎放射器みたいに炎を噴き出している
燃えるビデオデッキ
燃え上がるビデオデッキ
こんなにカッコいい ....
この
ベランダから
見下ろす夜景の
何千何万という
小さな光が
蛍光灯や
白熱灯なんかじゃなく
ぜんぶ
松明の灯りなら
いいのに
三日ぐらい前から
急に歯が尖ってきて
今朝
鏡を見ると
まるで牙だぞこれ

なにが困るってアンタ
ハーモニカが吹けないことだ

おれの大好きなハーモニカ
彼女からもらったハーモニカ ....
地下街の外れの寂れたゲームセンターの
UFOキャッチャーで手に入れた
「丑の刻参り」セット
藁人形
五寸釘
鉄輪
蝋燭
白装束
かなり重くて相当苦労した
意地になってやったおかげで
 ....
捨てられて歩く午後
日陰のない歩道には
誰かが乗り捨てた自転車が
撃ち殺された牡鹿のように
無残に横たわっていて
捨てられたおれと
捨てられた自転車を結ぶ
透明な線の上を
巧みに跨いで ....
レスポールの重さ肩に喰い込んで動かぬ指をもどかしく噛む



ジミ、ジム、ジャニス、ジョン、おれのイニシャルもJならよかった



スタジオの隅で誰かを待っているネックの折れた6119 ....
ロウソク
ただ一本
真ッ暗闇に灯る

落ちているのか
昇っているのか
さっぱり判らないほどの漆黒の中で
ポツンと
灯り一つ

そこにいるのは
おッ母さんですか
おッ母さんなので ....
にんげん
だけど
くだもの

にんげん
なのに
くだもの

せめて
くだものにんげん
とか
しょくぶつにんげんなら
まだしも

ざんねんながら
にんげんくだもの

ど ....
アンタが好きだ
沈丁花の匂いの帰り道で
キャラメルの空き箱拾って
情けない顔して帰ってくる
アンタが好きだ
ウルフカットの茶色い毛先
退屈そうに指先で玩ぶ
アンタが好きだ
色エンピツい ....
ペットショップに犬を買いに行った。
いま流行のチワワたちが、
掃除もロクにしていない狭い檻の中で
ギュウギュウ詰めにされてプルプル震えている、そんな店だ。
私が選んだのはドーベルマンの子犬だ。 ....
絶望しました
ええ
とても絶望しましたとも

「クソッ
 くたばっちまえ
 このロクデナシめ」

その言葉
そのままそっくり
お返しします

遠くに
はるか遠くに
あなたの ....
大切なのはFUCK

ただひとつの真実はFUCK

叫ぶようにFUCK

呟くようにFUCK

囁くようにFUCK

口ずさむようにFUCK

歌うようにFUCK

生きる ....
よりにもよってこんな冷たい風が吹く日に
おまえはどこかへ行ってしまった
どうせならもっとカラッと晴れた日か
土砂降りの日を選んでくれれば
おれはただバカみたいに泣いて
それで何もかもおしまい ....
徹夜明けにバスに揺られながらウトウトして
ふと見ると妙に見覚えのある景色
昔住んでいたマンションのすぐ近く
バスはぼんやりと信号待ちで停まっている

寝坊して何度も走った駅までの道
新作は ....
スキン

薄いラテックスの皮膜を隔てた
触れ合うことのない交接
ケモノの呼吸で
熱いハラワタの中掻き分けて進む

クリーム

なまぬるい
柔らかな
白いモノ
乱暴に塗りつける無 ....
愛とは何か
そんなことをずっと考えていると
ミミズに羽根が生えて
私の庭を飛びまわるようになりました
グニャグニャしたトンボのようで
それを食べるために
黒い犬が毎晩のようにやって来ます
 ....
発端は、森の奥で彼女が猫を拾ってきたことから始まったのだ。

「このこ、飼ってもいい?」

そのとき彼女が咥えていたのはセブンスターだったのかチュッパチャップスだったのかあるいは鹿児島は日奈久 ....


と一文字書いて
身震いする
ありふれた夜
日曜の夕方に
一人で味噌汁をつくる
昆布と煮干しで
しっかりと丁寧に
出汁をとって

味噌汁に入れる
野菜だの油揚げだのを
「具」というか
「実」というのかで
大喧嘩したことを思い ....
壁に貼られた黄ばんだポスターの中で
彼は永遠に身悶えしている
20年以上も前に
この世を去ったロックスター

天才的というよりも
悪魔的なテクニックの持ち主でありながら
彼の中には
彼 ....
何か目的があったわけじゃない。
ふいに何かに突き動かされたみたいに、
閉まりかけのドアをすり抜けるようにして電車を降りた。
大学時代にバイトしていた小さなレンタルCD屋があった街だ。
ホームに ....
電車に揺られて
うたたねする帰り道
アクビしてこぼれた涙
乱暴に拳で拭って
言い訳するみたいに
あわててもう一回
大きくアクビする
        おれは蝶
     三拍子の軌跡で
     ゆらゆら飛ぶよ
      ギラリと羽根
      太陽照り返す
   フラッと立ち寄った
     古びた喫茶店の
   ....
真夜中に
高速道路をぶっ飛ばすタクシーの
バックシートに身体を沈めて
オレンジ色の光
飛ぶように流れていくさまを
眺めている
時速120キロで
今日と明日のボーダーラインを跳び越えると
 ....
二重のエラガバルスに果てしない平行線を刻み込む
千億の涙を流すセルロイドの豚の塊があらゆる摩天楼の喉を上昇する
おまえはフラスコの中に眠る肥満体にも似て
まるで壁の蝙蝠傘の視神経のように三角形の ....
唸ってるエンジン
緩めないアクセル
歌ってるラヴリー
苛立ってるデイジー
満ち足りないダーリン
壊れてるライター
咥えてるハイライト
気取ってもブッチャー
笑いなよアンジー
飛んでく ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
涙の星自由詩305/4/6 1:46
あの、感じ、自由詩3*05/4/5 14:25
免疫学入門自由詩505/4/5 14:20
新しい歌自由詩305/4/4 1:11
滑走路で自由詩105/4/3 22:29
松明を燃やせ自由詩105/4/3 4:23
歯モニカ自由詩105/4/2 0:42
「丑の刻参り」セット自由詩305/3/30 23:46
森を往く午後自由詩105/3/30 1:31
DISTORTION AND FLANGER短歌1*05/3/29 10:56
姥捨谷自由詩205/3/29 2:08
にんげんくだもの自由詩805/3/28 1:01
アンタのバラード自由詩605/3/27 22:15
ドーベルマン[group]自由詩205/3/27 11:46
言珠自由詩405/3/26 14:08
FUCK自由詩2*05/3/24 17:42
暗い風自由詩305/3/24 2:19
京橋にて自由詩2*05/3/23 1:03
スキン クリーム スクリーム自由詩105/3/22 14:00
愛に関するいくつかの出来事について自由詩105/3/21 21:52
バラの名前[group]自由詩405/3/20 22:55
暗鬼自由詩305/3/20 1:49
味噌汁をつくる[group]自由詩105/3/18 11:20
ピンナップロックスター自由詩405/3/18 2:10
1・17自由詩305/3/17 0:09
うたたね自由詩105/3/16 21:59
背徳ワルツ自由詩105/3/16 1:31
ロスト・ハイウェイ[group]自由詩105/3/15 15:50
空の水槽は回転していない自由詩105/3/14 22:31
ゲーム自由詩105/3/14 0:05

Home 戻る 最新へ 次へ
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 
0.08sec.