わたしたちはみんな

従軍慰安婦という
福利厚生とかみたいな匂いがする
こぎれいな肩書きをつけて
さらってきたおんなこどもを犯すような

そんな生き物と同じDNA構造の生き物です
だか ....
阿部薫のように生きなければ、
阿部薫のような表現はできないのだろうか。

阿部薫のサックスのような詩を書くには、
阿部薫のように生きなければならないのだろうか。

ぼくはたぶん、阿部薫のよ ....
足元が
池か
川みたいになって
水が
溢れてる気がする
まるで
そう

肩の辺りまで

波打ち際
打ち寄せる
駆けてくる
恋人
白い犬
照りつける
太陽
入道雲
 ....
ビルの20階から見渡す
大阪、18時25分

真っ黒な夜が街中を包み込んでいて
環状線を走る赤いテールランプの群れは
終わりのない葬列の円環

あの光のひとつひとつが
同じ数か
それ ....
雨の音が聴こえるので
ベランダに出てみたら
一面の星空で
雨なんか
一滴も降っていない

稲妻のように
乾いた荒野のイメージが
瞼の裏側に投影されて
見たことのない色で光る太陽が
 ....
だるい昼休み


のびかけのカップラーメンを食べながら
週刊ポストを眺めていた係長が
ふいに

「スーパーサイヤ人になりたいなあ」

と呟いた


すると
コンビニのサンドイ ....
焼きそばを
パンに挟んで食べる
おまえの顎の関節が
ぐるりぐるりと反復して
それだけで気が狂いそうなほど
セクシー

その隣で
ちぎったパンを
焼きそばにトッピングして食べる
おれ ....
投げ捨てたものを
拾い上げてみて
鳥肌が立って吐き気がして
また投げ捨てる

生きるってことは
そういう愚かさを
飽きもせずに
反復することかもしれない

継続は
血から成り
 ....
夜のてっぺんに貼りついた
白く滲んだ月が
匂い立つような美しい夜

今夜もまたあたりまえのように
誰もが
それぞれの生を生き
それぞれの死を死んでいく

いま
ここでおれが生きてい ....
アリゾナの砂漠は
きっと月面に繋がっている

グランドキャニオンのどこかに
秘密の抜け穴があって
そこを通ると

ほら
一瞬で月面に

だから
インディアンの羽飾りは
月に似合 ....
ペットボトルの中の液体が
あなたの喉に落ちてゆく様子を眺めながら
みんないつか死ぬのだ
ということをあらためて確認する

悲しみよりも大切なのは
明日の朝食べるパンで

切なさよりも大 ....
ミクシィ

禍々しい神の名前と同じぐらいの強さで
おれたちをモニターに縛りつける呪文

ミクシィ

真夜中の絶望を
たどたどしい口笛で掻き消しながら
ベランダから眺めるランドスケープ ....
もしも詩が書けなくなったら
家族にも友人にも行き先を告げずに
ひとりで旅にでも出よう

もしも詩が書けなくなったら
滴り落ちるような真っ青な空を眺めて
言葉に置き換えずにそれを受け容れてみ ....
眼を瞑ると
瞼の裏に映る虹
私だけの小さな虹
家を出て
駅まで歩いて
地下鉄に乗って
んで、改札抜けたら

ふ、

と全部イヤになった

帰ろう
で、
どこへ
帰ろうか
北の外れの港には
空を飛べない かもめが一羽
哭けない女を哀れむように
疲れた翼 休めています

 ああ あなた
 私 哀しい女ですか
 今日も待ちます
 暮れ待ち港


曇り空 ....
生暖かい夜の隙間に
逃げるように滑りこんで
私は膝を抱えて
じっと息を潜める

爪先のあたりから
半透明の白い繭が
私の躯をゆっくりと
覆っていくさまを思い描く
膝の裏とか
指の間 ....
この世の中に
絶対なんてものはない
とあなたはいう

ないのですか
と問うと

ないよ
と応える

絶対にないのですか
と問うと

絶対にないよ
と応える

この世の中 ....
 おれを
 崇めよ
 讃えよ

 おれを!
 おれを!
 このどうしようもないおれを!
 この可愛らしいおれを!
 このほろ苦く甘いおれを!


  黒い円盤状の ....
#61

 驚異的な安定感と正確さをもって
 一本の真っ直ぐな線を
 真っ白な紙に引く
 その限りなく単純な美しさ
 全く無駄のない澄み切った一瞬

 そんな生き方が欲しいのだ

 ....
血まみれでスキップする
お母さんを真似して
とりあえず血まみれになる
その子ども

血まみれの足跡で
コンクリートの上に
楕円を描く
血まみれのお母さん

一定の速度で
キープ
 ....
毎晩のように夢を見ます
オオアリクイの夢を

粘々とした長い舌
鋭い前肢の鉤爪
ふさふさした長い尾

毎晩のように夢の中で
わたしの主人は
オオアリクイに殺されるのです


そ ....
青春ということばの
苦さを
生臭さを
奥歯で力いっぱい噛み締めて

そこからまず
おれは
今朝の一歩目を踏み出すことにする

まるで素っ裸で歩いているみたいな
頼りなく
恥ずかし ....
明けてゆく
夜の濁りが沈んで
上澄みみたいな
透明な青に
鳥のかたちの
見慣れぬ生き物が
一羽
滑空して
かき消すように
蒸発する
黒い河のほとりで
まつ毛の先
震わせながら
 ....
おれは
生中10杯飲んでも
吐かない

おれは
流行の短パンなんか
穿かない

おれは
床にこぼれた砂を
掃かない

おれは
ビーチサンダルを
履かない

おれは
か ....
#51

 こんなにもたやすく
 上がったり下がったり
 きもちというやつは
 まったく忙しいよ



#52

 夏の終わりの頃に
 誰もがぼんやりと抱く郷愁は
 どこかし ....
肩のあたりを噛んでほしいのです
思いっきり歯形がつくまで
血が滲むぐらいに



今日は抜糸です

彼女がメールを送ってきました
八針も縫った傷痕は
一生消えずに残るのでしょう ....
#41

 青い瞳からは
 青い涙が
 こぼれるものだと
 思っていました

 

#42

 オリジナルという名のコピー
 コピーとしてのオリジナル
 オリジナルなコピー
 ....
崩れてゆく
驚くほどの速度で
花びらで描かれた美しい絵が
ぼくたちの目の前で
風に吹かれて今

埃っぽい川岸の
薄い黄緑の草むらを踏み分けて
ぼくたちはどんどん歩いてゆく
心の中で詩 ....
さびしさなんていう気持ちに押し潰されて
圧死するような死に方はまっぴらなので、
心の中で何かを爆発させ続けて
思考のスピードを倍ぐらいに上げてみる。
孤独という言葉のほんとう意味を
膝を抱え ....
大覚アキラ(759)
タイトル カテゴリ Point 日付
ねがい自由詩506/9/9 14:16
9/9 阿部薫忌に散文(批評 ...1*06/9/9 6:51
サマー・タイム[group]自由詩206/9/7 18:40
おつかれさま未詩・独白106/9/7 18:34
パロ・デ・ジュビア自由詩6*06/9/5 21:19
ドラゴンボール未詩・独白106/9/5 14:07
焼きそばパンの黄昏未詩・独白106/8/31 19:07
ロシアン・ルーレット自由詩306/8/28 2:39
美しい夜に自由詩206/8/25 1:37
月とアリゾナ自由詩106/8/16 16:28
Mさん自由詩506/8/16 11:52
ミクシィ自由詩406/8/15 17:51
もしも詩が書けなくなったら自由詩1106/8/8 16:41
自由詩206/8/5 1:37
逃走論未詩・独白106/8/5 1:10
暮れ待ち港未詩・独白0*06/8/5 1:08
虹繭自由詩406/8/5 1:03
絶対未詩・独白306/8/2 15:18
オレオ自由詩506/8/1 0:55
フラグメンツ(リプライズ) #61〜70[group]自由詩906/7/31 17:46
抱きしめることをためらうのなら自由詩7*06/7/28 13:35
主人がオオアリクイに殺されて一年が過ぎました自由詩406/7/27 15:03
青春自由詩206/7/27 13:38
夜明けの青未詩・独白406/7/25 18:18
はかない夏[group]未詩・独白306/7/25 16:16
フラグメンツ(リプライズ) #51〜60[group]自由詩3*06/7/21 12:12
クスグルにて自由詩906/7/14 16:42
フラグメンツ(リプライズ) #41〜50[group]自由詩1006/7/13 13:25
終わりの風景自由詩506/7/10 12:56
水を飲ませてください自由詩406/7/3 16:45

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