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波は打ち寄せ
白泡をたてているというのに
水面は
まっ平らだ
波は打ち寄せ
白泡をたてながら
防波堤に砂を積み上げているというのに
水面は
やっぱり
まっ平らだ

浜の向こうで
　.... 猫が浮かんでいた
足跡は
浜辺には残っていなかった
腹が膨らんで
それでバランスを保っていた
その下に
エメラルドの群れが
見え隠れする

猫の首は
だらしなく折れ曲がり
海底を　.... 波紋がひろがっていた

天上からも貫ききれず
水底からも貫ききれず
貫き通せなかった
幾多の
もろもろが
波紋となって
分解され
吸収され
なにごともなかったかの様に
戻されてい　.... Ｍは

もう名前すら忘れてしまった

突然消えてしまった


彼の為のコースがぽっかりと空いた
選手登録表が
一つ埋められなくなった
仕事が増えた


マリファナをやっている　.... 「隊では一、二を争いました。」
射撃の腕を買われ、十一年式軽機関銃の射手に選ばれたというその人は、嬉しそうに話していた。日本の銃器類は思っているよりも評判は良い。その人は「十一年式は三発ずつしか撃て　.... 期講習では立ちっぱなしなので、足の裏が痛くなる。
クーラーが直撃する場所に教壇があるので、時々おなかが危うくなる。
ので、理由をつけて教室内をあちこちと動き回る。
やっぱり足の裏は痛くなる　.... 　　（序の刻）

ああ
そこにあるのは
あれは虹であって
虹ではないのです
天に昇ることを許されなかった
屍たちの描いた
放物線なのです
無残にも
灼熱地獄に照らされた
残尿の
　.... 結局のところ地球は丸かった
何処に行こうが大した違いはない
何をしようが

　　わめこうが
　　泣き叫ぼうが

酒を飲めば翌朝には胃が重くなるし
煙草は口の中を乾かすのだ


　　.... いつの間に
砂浜は深く削られてしまっていて
いつの間に
潮溜まりは浅くなってしまっていて
何年か
何十年だかしか
経っていない
留守にしていた
その間に
海はすっかり歳をとり
荒い　....

夏嶋　真子さんの北村　守通さんおすすめリスト（9）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
夜釣りも一人だ	- 北村　守 ...	自由詩	6	10-9-24
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通り雨が沼を覆う	- 北村　守 ...	自由詩	3+*	09-9-6
失われた水泳部員	- 北村　守 ...	自由詩	2	09-8-26
ある戦争体験者と話をしながら	- 北村　守 ...	散文(批評 ...	3	09-8-20
帰京前夜	- 北村　守 ...	自由詩	7*	09-8-4
幻影海峡	- 北村　守 ...	自由詩	5	09-6-3
聞き手の憂鬱	- 北村　守 ...	自由詩	4+*	09-4-11
知らない故郷の道を走る	- 北村　守 ...	自由詩	4	09-3-17

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