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一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
名前を呼んでほしいんだ
君が呼んでくれたら
僕はこの世界に 存在していられるから
たとえ 呼ばれたそのときに
存在していなかったとしても

覚えておいてほしいんだ
一人でも多く 覚えてい ....
うつくしい人の想像をこえた
あなたのかかえているもの
すべては朝だった

*

きもちいいくらいの遠心力で
渡り鳥は群れていて
ふゆ、なんてたった一言で
言っていいことと悪いことがあ ....
よる






太陽に盗まれた汗を着替えて

覗きこむ退廃と小瓶の香料





せっけんのひと筋が風に運ばれ

千年をただよい






あくび






指先の間隔が

昨日をたど ....
電話を待っている

便利になったものだ
子機を取りにいかなくても

いつも電話はかたわらにある

包み込むような
文学的文章を書く人は
どんな声をしているのだろう

そう思いなが ....
気持ちのいい風に吹かれて
汽車は南を目指して行く
広がる青い穂波に心はときめいて
懐かしい君の声が僕を呼んでいるような気がするよ

君と作ったあの秘密基地はまだ残っているかな
蝉時雨の中駆 ....
ペンギンの嘴曲がる大暑かな

河童忌や笑顔の写真焼き尽くす

潮浴びや近づいてくるオスプレイ

誰にでも『パパ』と言う吾子天瓜粉

白猫にウクレレ聴かす夕端居

雲海を見下ろし食べ ....
およそ七十億の人間が
仮に敵になったとしても
たった一人の君が居れば

強烈な眼光も
手に握らされた刃先も
何も痛くない

およそ七十億の人間が
仮に煽てに来たとしても
七十億の中 ....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく

畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
 ....
あなたはわたしのてをひく

わたしはあなたにひかれて

からまったあしをもどせないまま

ちゅうにういたり ふちにしずんでしまう

おさないわたしは

あなただけであたまがいっぱい ....
それは
世界の中、



反映される事象の数程
鉱石を無数に集め



運命をかたち創る






忘れてしまっていた想いの数程

今、


緩やかにも
穏やかにも



時間を流し


 ....
ちりとりのゴミを玄関の外に捨てると
蝉が羽化に失敗して 転がっている

またか
この時期 たまに見る
壁によじ登っては 落ちる 蝉 とんぼ

ぐちゃぐちゃに柔らかくて 体に触れない
死 ....
気球のごとき巨きな女がチワワを散歩させている。チワワにはスワロフスキー。アンバランスすぎて国民の信託が得られない。コバルトブルーのコバルトをレモンイエローのレモンで磨いたら亀裂が走るのかな。クエン酸回 .... (月曜日)


案内板にうかびあがる
現在地
朱い
☆型

ルーツ



(火曜日)


水母をブイに
海図がうごく
あげるよ
権利証書の見返りに名づけた
「どこ ....
耳鳴りのような白日が暮れ
まだしも今夜は
築地渡りの湿った風が吹く
朝からの汗で油染んだような
背中の生地のこわばりが不愉快で
ストッキングは梅雨明けから
本当はスカートも履きたくない
 ....
知恵の輪は2つでひとつお互いの隙をかさねて溶け合ってゆく


陽を透かし夢幻の彩を紡ぎだす色無き二重はカゲロウの翅


夢にむかう列車を乗せた二本線つかぬはなれぬ轍のこころ

 ....
石ころひとつ置いてきた
あなたの庭に

あなたがいないあいだに
そっと

昨日もひとつ置いてきた

一昨日もひとつ置いてきた

その前の日も置いてきた

どこにでもある ....
ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな 
暑中お見舞い申し上げます   たま

雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら

どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 ....
自分のどこかに
リセットボタンがあって
いつでも
このつまらない人生を
終わりにできる
そんな風に考えたことがあった
でも
そんな都合の良いこと
この世界にないってことも
どこかでわ ....
ピアノ弾くあなたの指を
私はじっと見つめている

ときに優しくときに激しく
流れるように囁くように
指は{ルビ水面=みなも}を
夜の水面をはじいて動く

私のためにだけ{ルビ一夜中 ....
真昼の太陽を
全身に浴び
蒸発していきそうな
夏でした

夜中の闇を
吸い込み続けて
窒息しそうな
夏でした




夜明けの空は天高く
苦しまぎれに
起き続けていた ....
横断舗道を
小学校六年くらいの
男の子たちの集団が
渡っていく

夏休みが始まったばかりだというのに
どの子も
こんがりと日焼けしていて
プールでもいくのだろうか
子犬がじゃれ合うみ ....
ヴェイロンにぶつけて変な汗拭う

戻り梅雨エーマイナーのアルペジオ

花魁の廓詞や冷やし酒  

ポン酢だけ持って烏賊釣り参加する

黒猫が見つめる先に熱帯魚

バスを待つ時間 ....
もう終わりだ
と思ったのは雨に
濡れた瞬間だった

世界がゆがんだ気がした
水気を含んだ髪を
乾かしながら

僕は
思う

何処にも逃げ場所はない


静かに雨が降ってい ....
高度な文明社会の
生きる意味教信者と
その昔付き合っていたけれど
今は別れてせいせいしている


私がまさにどん底にいるときに現れ
「そんなキミでも世界の何かに必要とされて
今を生きて ....
さかんに水が降りますね
明日に蓋でもするように
おびただしく注いでおります

地面の下はどうなっているだろう
私はこんな時決まって
泥濘に埋もれた兵士の白骨を連想します
それから恐竜の化 ....
(…ああ、これは海鳴り……)




ずっと遠い夢を見ている。
なにが正しいのか分からないままでいる。
「僕はいつも傷ついているんだよ」と言う。
それは嘘ではないと思う。

 ....
あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて 水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う 流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ ....
君と離れて
2年ぶりに
この場所に訪れました

ここが何処だか
わかりますか?

thanksでゴマ鮭おにぎり
を買って仲良く
食べたね

この先のゲーセンに
バズがいたけど
取れる自信が無いから
や ....
月のといき
天の川の星のながれに
指をふれる
星のしじまのつめたさに
寂しさを 手づかみする



そんな夜には、
なぐさめの亡霊が やってくる
小さなベッドにすべりこんで
私の ....
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