えんえん泣いてるときより

はにかんで大笑いしてる方が可愛いよ

なにげなくふれあう瞬間

電撃が体内をいっそうに駆け抜ける

消えかかる心の奥底に

沈み損ねていた思い ....
罰をおそれ 島を出る
黒く深まる空間のさらに奥へと向かい
非力な腕で櫂をくりだし
ボートは枝先のようにじわじわ進む
シャツの汗の総量が
罪の重さを告白する

あの人は私のために
くるい ....
 はみ出しそうな情熱にうなされ
 熱帯夜に紅の空を見上げる
 トンボが飛んでる
 こんな季節に飛ぶものだったか?
 
 人工の直線と曲線は僕の好むところじゃない
 うねりながら夏を謳歌する ....
前線が
ぼくらを踏みつけにして
粘着質の雨を停滞させる
内臓は肋骨にぶら下がったまま
くるくると渦をまいて
今日の天気に反応している
こみ上げてくる葡萄の粒、
胸で弾けて
お気に入りの ....
瞼の裏で、
魚が撥ねている。
なんの魚かは分からぬが、
確かに撥ねている。

目が合った。
すると魚の奴は、
ひときわ大きく撥ね、
瞼の水溜まりに消えた ....
かもめが死にながら飛んでいる

死にながら

飛びながら

かもめたちが

群れを 作りながら 壊しながら

ほどきながら

飛んでいる



狐のゴンタくん
見た ....
ハレーションしそうな圧倒的光量が
雲隠れを始めると
夏はブラックなジョークそのもの
太平洋高気圧は昨日の前線に押し切られて
雨のノイズで水浸しの状態
日本列島はホワイトアウトして
沈没 ....
1. 

もわもわ
と、ふくれあがる嫉妬心
あなたが遠くをみつめるその先に
見えるはずのない影を見ては
心に広がる黒い雲


2.

クルクル
と、まわる私の猜疑心
ゆう ....
霧は清潔なからだ軟骨もある

暗い方が地下、もっと地下は米洗う場所

湯とまぐわう男カーテン開けたまま

染め返す胸もなくただ夕焼け見る

双子明確に分かれる五十歳の日記

王家の ....
冴える。
こめかみから鋭くなる。
加速していく思考の連打、逸脱する前進。
眉間を貫く鈍い痛みが
異常と知らせるけれど、
スピードは止まらない。

私はどうなるのだ?
どこへ向かうのだ? ....
何にも問題が起こらず日々は過ぎて行く
唐突に自分自身に何が起こることはない
そんな風に感じている

ベランダに住み着いた
鴉に夕食の残りをあげる
有無を言わずに皿を突付く
その姿が何処か ....
 さまざまな事件は消化されないまま
 僕達の懐を通り抜け
 あざ笑いする者の思う壺になって

 心の温度は今何度?
 僕はすっかり冷めきってしまったよ

 遊び場が工場に
 休憩所がス ....
 は、真空の一点で凝縮し続ける無言する{ルビ性=さが}である。



仄暗い
道を歩いていると
星雲を繁茂する
一角で
ぽっかりとあいた
湿っている暗闇が
{ルビ濃紫=こむらさき} ....
草合歓の葉陰から
かすかにもえる月を見た
藍青の波間にひかるものは
あれは はるかな昔
指から落ちた曹長石のかけら
青みをおびた涙の石の粒


もしも
月の淵から水音がしても
蠍が ....
あめあめねむねむ、
ねむりんこ。
すやすやぴーひゃら、
ねむねむぴー。

はるらうるりら、
はるりらら。
りらははらりら、
りりはらら。


ゆめは ....
父が僕を
食べる夢を見た

いやらしい目で
汚らしい指で
僕を食べる

なんて美しくない
なんて汚らしい
なんていやらしい

僕はどうやら
まだ幼すぎて
手も足も出ない
出 ....
僕はキミの海で溺れる魚
どれだけ嫌われても
嘘の愛情でも
与えられると嬉しくて
悲しい程に切なくなって
瞼の裏の真実を裏切る勇気もないまま

偽物でもいい
キミの傍で呼吸をしていたい
 ....
見渡す風景は透明な水色
水の中より君を見る
舞う蝶よ
ここでしばしお休みなさい

厚いガラスに気付かぬふりで
我らはしばし寄り添おう
夜になれば
きっと境も忘れよう  ....
ある日満たされるかもしれないという懸念を抱く大西洋
船は蛇行した
巨大な河
中流にさしかかるほどスプーンは増えていった
 やむを得ず
 一行はガイドを流木にくくり付ける
 その一本の紐はど ....
木が二つないと
涙を流して君を想っても
「淋しい」にはならないから
声に出しても言えず

たった一人
君を想う僕は
悲しみを沐す

恋しい恋しいと降る雨に
根腐れしそうになりながら ....
真夜中の街
儚い灯りを縫い合わせて
君はいくつも
星座を作ってみせ

物語がわからなくても
知ったかぶりで綺麗だねと
僕は何度も
言うのだろう

  地上の流れ星はいつも
  赤 ....
ウエッジソールのサンダルなんて
3年たったら過去の遺産
昔はやった厚底サンダル
今年のウエッジソールと何が違うの


星型の砂を探して
海に行こうと決意した
私はふわふわと波に乗る女
 ....
煙草なら2本ぐらい
珈琲ならカップに半分
散歩なら近所の公園まで

君と話すなら今日の予定ぐらい

キスならたっぷり

それぐらいの時間で
もうすぐ太陽が顔を出す

夜明け前
あなたを抱きしめるたび
世界の果てに行ってしまうようで
なおも強く抱きしめるのに
なんで心は満たされないの?


雨の止まないこの町で
誰の病まないこの街で
愛が伝わらないのか
 ....
服の仕立て屋の看板の前のバス亭から
町を離れる時刻は 数本

昨日の夜から待ってた 朝は
大きな通りに 越えて 来た

牛乳配達のバイクが かちゃりと 続く
家の開けられた窓からは 蛇口 ....
ジー・・

動かない机の上で
覗き見していたのは

俺さ

夜の学校におりたつよ
夜の学校なんて行きたくもなかった。

肥大した俺の魂

夜の学校はみんな活発
それは
あり ....
夜明けの窓は孔雀色
今年もまたうたうように
アガパンサスが咲いている

七月はわたしの中で
いちばん甘く実る果実
君はいつかそれを 別の名前で
呼んだかもしれない

少しずつ風がうご ....
 曇天の空の下
 ざわめくこころ
 まだ若きころの青空が時折
 脳裏をかすめて
 ぼくを困らせる
 表通りを行進する
 きらびやかな衣装を纏った
 瞳が宝石のように輝く人々が
 新 ....
さて
飽きるほどの恋からも遠ざかり
梅雨の間隙を縫う洗濯ばかりに
脳みそを支配されている私に
今のところ夏の予定はありません

貴方
先月結婚したそうでおめでとう
おかげさまを持ちまし ....
凡人試験に落ちてしまったよ
冷ややかな視線、カバンの中

帰りの電車の中吊り広告
俺のことばかり、責めやがって

異端者ならば排除してくれよ
魔女狩りなら、そう、好きだっただろ
 ....
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