薄雲
かへりくればをちかたびとの袖にもや 露をおかせるあきの月影

朝顔
あひそへど上の空なるけしきにて 浮きねのをしのこゑはものかは

少女
おもへども雲居にまどふ ...
橋は爆破された
ただの子競り合いだと
ささいなことだと言う
生まれてきて生きて
そして死ぬ
やせ細るまで続くはずの
一本の糸が
ふいに断ち切られる
何本 ...
今日もいい天気だが
銃声が煩い
早く来過ぎた春に
冬眠していた生き物も目覚めが悪い
あたりまえと思っていたことはもう古い
アスファルトの下に歴史が埋まっている
ぼくは小走りに通り過ぎる
花言葉は骨董品の、
作者不明の〝まだき〟にあるらしく
水平線のたまり場で
流行らないアドリブを繰り返す


やさしさレモンシトロンと
素材の文庫本をひらいた

『またね、けなげな ...
ひたすらに
孤独な神、 
今日も街を生き
薄氷の切片、
私は肉掻き毟り
右から左を射て
静かさの訪れ

またこの夜陰、

紫艶に舞う
意識の揺らぎ
見つめ ひたすら


...
お気に入りのコンバース
とうとう底が抜けちゃったな
くるぶしがぬるりとつめたくて
出来たての靴擦れを二月の風が撫でて過ぎる
お気に入りのスニーカー
ぼろぼろになっても一緒に歩いて行きたかった ...
あちこちでびん笛がはじまる
うち幾人かは胴をうまく叩いている 薄暮

目は子ども時分からよくない
たくさん撲たれてきたからさ
と、隣のじいさんが笑った

にごった水晶の弛みや
かわるが ...
骸なのですか
ほら
いちばん奥に
心臓と肺が存りません
ならば骨骼で呼吸せよ
観想は那由多ゆえ
沈黙するサンタ・ムエルテ
鏡張りの匣の裡にて綻びた情緒を
鵠にも似た皓い巫覡の貴様は
...
耳障り
血腥い
最後の狩猟は
たったいま為され
墨染の首級をぶら提げて
おれはメトロを待つ

おまえの胴體と四肢はもう要らぬ
墜落する空に抱く明日への危惧こそが
仔を孕む幸福にとり誤 ...
 「ほんとにさ、どうしちゃったんだろね?」
 手代が店を閉めると 丁稚小僧と店内清掃済ませたおゆうが
 夕飯のお膳の準備をしているおりん捕まえて話す
 「そうね。…。」
 二人は、この一ヶ月以 ...
メレンゲの夜
それはそうだ、
固まってしまう

色の無い刺繍糸で
編みこんでいく
君の体は
気持を置いて
でていってしまった

ここにあったのは
変色した果物
片方しかない手袋 ...
○「生きるってこと」
生きるってことは
死へ向かうということである
人間は
死に向かって生きているのだ

○「妬み」
妬みは
知らない間に買うから
こわい!
健康自慢
孫自慢
...
ただの一言も発することがない
二月の青空はとても孤独だ
ひとみを綴じた兎が
木の袂でうたた寝をしている

冬は自我をうしない
薄く目を開けて、この青い空を
くちびるをかすかに動かして
...
一日中、降っては止みを繰り返した雨に濡れた街が、僅かな街灯の明かりに照らされて終末のようだ、新しい靴のソールは穴だらけの歩道の水溜りを完全に拒んだ、俺はそれをいい兆候だと感じていたんだ、風が弄るみ ... 人は名前を付ける
人は火を使う
人は言葉を並べる
人は音楽を奏でる
人は絵を描く
人は道具を作る
人は医療をする
人は弔いをする
人は農耕をする
人は酒を飲む
人は料理をする
人 ...
 「おい、近江屋。お前んとこの金魚の掛け軸、えらい評判
  じゃないか。」
 店先でお客様をお見送りした主人へ同心が声を掛けてきた

 「あ、これはこれは八丁堀の旦那。はい、手前共もまったく
...
天空を横切り優しい春の風、

近付くなら

無の断崖に立つ以前、
垂直に次々貫入来たるモノ

 緑の葉群れ浮き立ち揺れ
 うっすら透かし彫り光帯び

  今、赤いセーターの女の子笑 ...
自分がつまらない人間に思えて
死んでしまいたくなったとしても
よく頭の中で
上手く行くことだけを
しっかりと考えて
人生を歩き続けよう
信じていさえすれば
願いはきっと叶えられるのだから ...
真実は近付かず 
近付き表せば嘘になり
無力感に打ちのめされ
諦念と哀しみ抱き
ながら

 魂の塔を昇る、登り続ける

ふぅと息つき聴き入れば
仄白き声のヒビキ無限
内なる祭壇を打 ...
 「いいやッ、いやいやっ、何と!なんなんじゃ?
  気持ちわるい掛け軸ではないかっ!」
 「あなた、…ふたりの話、ほんとうだったんですね…。」

 翌日、掛け軸の吊るされる居間で
 呆気に取 ...
また体の向こうがわで文字が跳ねている。戻っておいで、戻っておいでって思いながら見つめていると溶けて行ってしまう。さきに起きた娘が炭酸水をのみながら、まだ眠ってていーんだよ、と言う。やさしい。朝から ... 海と川交わる場所を指差した子の好奇心脈々と湧く

広島の郊外にある植物園子供はあまり行きたがらない

待ち合わせ少し遅れてきたあなた何処に行こうか何食べようか

友達と飲み会開く賑やかに飲 ...
 「深川にはさ、ふしぎな話がたしかにあるのねえ…。」

 おりんより早く湯屋から店に戻った おゆう
 正座して部屋の隅の小さな衣装箱から
 昨日、着物の下へしまい込まれた掛け軸を
 掴み取り ...
 リチャード氏は
 24時間営業の
 駐車場に
 掘られた
 穴のなかで
 からだを埋められてた
 レスターでのことさ
 その穴は
 忘れられてしまったけれども、
  ...
「猫さん?」「おいらはライオン」「雑魚ね」
 ねこさん  おいらはらいおん  ざこね


後出し、恋をしたのだし。追い越したドア。
あとだしこいをしたのだし おいこしたどあ


上手く ...
うつろ灰色の翳に高尚なまん月がまろびでる
象牙すすけた草原のときは、まだまだ みちなかば
いっそう留めた錯覚を立ちのぼらせつつ嫌がりました

ふとあなたは、という穏やかさだけで
ただ顔を曇ら ...
数え切れない唄を歌って
僕は月を目指す
憧れを抱いたままの日々に
許されながら

逃げる場所を探しに来たんだ
春の匂いの中
自分の本音より明るくて
羨ましくて

空が暗くなる頃
...
○「体の病気」
病気になると
心も折れてしまいそう
病気の力はハリケーン以上
パラリンピックの選手のように
体は不自由でも心は闘志満々ならよいが
病気になると
心も折れてしまいそう
心 ...
三十年
家に籠って暮らすのは不自然だ
しかしそれとて
生まれる以上に不自然ではない
奇跡はいつも起こっている

和姦がない
わかんない
いいよ、そんな言うならさ
セックスなんていらな ...
友達も少ない夜のとなりのももの肉がやわらかく半分凍っていた水の流れかけた後のようなことを言って昨日までのことをわかりやすくした。

あなたではないですと思っていることがあるとすればずっと後ろのほう ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
源氏 其の四藤原絵理子短歌124/2/20 21:21
海の向こうで自由詩424/2/20 21:17
一過性空丸自由詩624/2/20 19:50
晴曇あらい自由詩624/2/20 19:45
持続ひだかたけし自由詩524/2/20 18:25
スニーカー46U自由詩10*24/2/20 17:01
夕春soft_m...自由詩11*24/2/20 16:56
増殖医ヰ嶋蠱毒自由詩224/2/20 14:22
不死論自由詩224/2/20 14:21
のらねこ物語 其の二十一「木彫りの虎」(ニ)リリー自由詩4*24/2/20 11:10
メレンゲはるな自由詩624/2/20 10:43
独り言2.20ホカチャン自由詩3*24/2/20 8:11
誕生日山人自由詩12*24/2/20 7:00
三文芝居の夜ホロウ・シカ...自由詩4*24/2/19 22:42
レタス自由詩4+*24/2/19 22:14
のらねこ物語 其の二十「木彫りの虎」(一)リリー自由詩3*24/2/19 20:39
プロセス◯VISIONと私ひだかたけし自由詩6*24/2/19 20:09
暗号文花形新次自由詩224/2/19 20:08
近頃のことひだかたけし自由詩5*24/2/19 16:45
のらねこ物語 其の十九「近江屋」リリー自由詩3*24/2/19 15:44
メモはるな散文(批評...524/2/19 14:35
好奇心夏川ゆう短歌424/2/19 13:42
のらねこ物語 其の十八「金魚の掛け軸」(三)リリー自由詩3*24/2/19 10:32
リチャード氏の埋葬に関する余興(2013)中田満帆自由詩224/2/19 9:53
回文の球体水宮うみ自由詩3*24/2/19 9:14
それのほか みちはないあらい自由詩424/2/19 8:11
ムーンライダーミナト 螢自由詩324/2/19 6:42
独り言2.19ホカチャン自由詩2*24/2/19 5:16
冷戦りゅうさん自由詩3*24/2/19 5:11
奇跡を起こす気がないやつが詩を書くなれつら自由詩224/2/19 3:19

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加筆訂正:
代償不明/ただのみきや[24/2/20 11:21]
修正
代償不明/ただのみきや[24/2/20 8:43]
脱字修正
WAKE.UP.TO悪夢/アラガイs[24/2/20 1:55]
チョイと付け足しました
三月のセーラー服/本田憲嵩[24/2/19 23:54]
若干加筆。
三月のセーラー服/本田憲嵩[24/2/19 21:42]
若干修正。
五行歌 夜の想い/レタス[24/2/19 9:35]
昨夜は眠くていい加減なものを投稿したので大幅な改稿をいたしました。
酔いどれ船/レタス[24/2/19 6:59]
若干手を入れました。
酔いどれ船/レタス[24/2/19 6:44]
少し手を入れました。
0.1sec.