エチュード(十)
信天翁

      くすんだ街の屋根瓦を舐めまわす冬陽

   デビルの酌で酔っ払うプロムナードの枯れ葉

      祖母ゆずりの猫背に鞭をいれる空っ風

 温厚であってほしい地球に恐るおそるノックする
         老残はシンボルの折りたたみ杖

     あゝ ことしも暮れようとしているのに
干からびたからだには鉛の壁が建ちはだかっている


自由詩 エチュード(十) Copyright 信天翁 2006-12-07 11:28:25
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