空ろな眼
信天翁

        とらわれた視線は激しく渦巻き
      こわばった猫背の腹ばうかげを追う

    かたよった視力で煤けたトルソはゆがみ
 まがりくねった路傍のほこらにひとみをうつす

    こわばった視野にまぼろしはみえがくれ
  「旧い年」の残像となって一斉によみがえる

  刺す風がなにやら「新しい年」の福耳に囁く
あゝ まぶたのうらには血の海がひろがっていた


自由詩 空ろな眼 Copyright 信天翁 2007-01-16 21:37:38
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