ゆかりの雫(五)
信天翁

寒冷前線がひなびた丘の上でさまよっている
    大いなるゆかりの雫を垂らし続ける
             はつはるの雲ょ
          青磁いろにおめかしし
     うるんだひとみで見定めておくれ
   むかし 坂道を威勢よく駈けのぼった
      白馬のシュールなかげの濃さを
   そして 乾いたまなこでみつめてくれ
いま 坂道を杖をたよりによたよたとくだる
     黒牛のデカダンスなかげの薄さを
         
             (2009/1/1)






自由詩 ゆかりの雫(五) Copyright 信天翁 2009-02-05 11:02:19
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