ここから遠い世界の果てまでゆけば
太陽に触れることができる
子供の頃、そう信じていた

でも、何故か僕は
朝陽が昇る東ではなく
夕陽の沈む西ばかり見ていた

この世の果てに想いを馳せて ....
優しい光が降り注ぐ
穏やかに晴れた休日の午後は
微風に吹かれながら
静かに死にたいと思う

毎日が死に続けていて
こころはこんなにも穢れているのに
姿は透明のままで誰の瞳にも映らない
 ....
昔々
あるところに
お爺さんとお婆さんが住んでいました
お爺さんは山で光る竹に見とれるばかりで
芝刈りはしていなかった
お婆さんは川で流れる桃を見送るだけで
洗濯はしていなかった
そんな ....
吸いかけのタバコを灰皿に残したまま
別のタバコに火を点けてしまう
もう何杯目かは
忘れた
三半規管がサボりだして
その加速が止められないまま
もう上手く歩けるような気がしない

別に酔 ....
西日が射す
階段の踊り場から
子供の声がする
懐かしい声が
あれは
ボクの声だ

 ボクがそこに座り
 マンガの本を読んでいると
 台所のほうから
 タンタンタンとリズムよく
  ....
空中庭園の夜で
零れそうな月が
溶けて朧に霞む
夜は秋みたいに
更けてゆくよね

いつの間にやら
緑が赤に変わり
枝から剥がれて
足元に転がって
粉々に消えても

何も変わらず ....
その日の激しい夕立で
空の埃も洗われて
静まり返る夜の水面に
ゆらゆらと揺れる月

僕らはそのずっと下
仄暗い水底の上
その薄明かりの中
沈んだままで抱き合って
水の中の密室で
唇 ....
ふたりで
ずいぶん夏を歩いてきたね

波打ち際を振り返ってみると
たくさんの足跡が打ち上げられていて
見えないところまで続いている
きっと想い出になる時がきたら
一斉に海に帰ってゆくんだ ....
子供の頃と違う理由で
おはじきを呑み込む
でも重くなるばかりで
透明を手に入れることができない

たとえ半透明ぐらいまでになって
軽くなってふわりと飛んでゆけても
シャボン玉よりもずっと ....
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君

同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
 ....
その名前で呼ばれるたびに
本当の名前が海の底に沈んでゆく
こうしている間にも
想い出はつくられているというのに
似たような体温で君は僕の名前を呼ぶけれど
君は僕の本当の名前を知らないし
僕 ....
純粋ではない動機
から始まって
純粋な気持ちが
後からやっと追いついた
そんな愛のカタチは
すでに複雑に捩じれ
その崩壊を
待つだけになっていて

暗闇に少しずつ
オレンジを敷き詰 ....
青信号の点滅
ギリギリで間に合わない
そんなことは
わかっていた

でも、
君と一緒なら構わない
そう思った

絶望的な結末
それでも今は構わない
君と一緒なら、たとえ
赤信号 ....
  オゲンキ、 デスカ?

  キョウ、モ
  ミズノ音ダケヲ 聴ク
  アクアリウム、ハ
  シズカデス
               、。
              、、:。/
 ....
オルゴールの箱を開けると
止まっていた
あの頃の時間が動きだす
もうずっと昔
子供の頃の

何度も
何度も
キリキリと
キリキリと
ゼンマイのネジを巻く
子供の頃みたいに

 ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け

ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる

 満員電車とすれ違うたび
 何かが足りないような
 そ ....
      絶望的な希望の唄を この世の果てで口ずさむ


崩れかかった廃墟に囲まれ 頭の中で鳴るメロディー
今にも消えてしまいそう

虚ろな偽の灰色の瞳は 透明さを無くしたガラス
自分 ....
その初老の男は
いつも存在と不存在の狭間にいて
人の目には映ったり映らなかったりする

日焼けした肌に
極端な自由と不自由を抱えて
真昼の路上に横たわっている
伸ばし放題の髪で

側 ....
空がショートする
その音を聞く


湿った空気に曝され
紫煙を吐きながら
亡霊のように
立ち尽くす
ベランダで
舗道を歩く影を
見る

傘は歪み
稲妻が空を裂き
一瞬その ....
翼をつくる 明日のために
でもつい大きすぎるものにしてしまうから
空は飛べない
仕方ないのでそれをつけて歩いてみるが
人から笑われる

財布を開く 生活のために
ヒラヒラはすぐ羽を伸ばし ....

は 生きていて
   たくさんの人
を   飲み込み
      迷わせ
そして
消   し   て
      しまう


そこは
 たった
       数年
で 
 ....
曇り空にその彩かな色を奪われながら
涼しい風の言いなりに首を振り続ける
自己主張が苦手な遅咲きの向日葵の小さな声は

消えかけた横断歩道の白線部分みたいに
はっきりとせず途切れ途切れで
流 ....
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない



多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった

それはホームレスのビニールシート ....
ひこうき雲が落ちた先の地平線の向こうではきっと
沈みかけの太陽に墜落した機体が静かに焼かれていて
壁の端のほうに逆さまに貼付けにされたヒグラシは
僕らを横目にそんな空を見下げながら一日を嘆いてい ....
果てしない闇の中
なぐさめの月を抱く
その瞳に映す僕の罪は
笑うたび優しく刺さる抜けぬ棘

欲望は満たされることはなく
偽りのぬくもりは
終わったその瞬間から
この手の中から零れ
漆 ....
かなしいけれど しょうがないのか
なきむしだからどうしたらいいかな
しらじらしいえがおみせたりするし
いらいらしてたって それでもいい

うそつきなのになぜすきなのだろう
それでもいいとい ....
夏空の青色は完璧な色をしているが
綿菓子になり損なったみたいな
散らばりかけた残念な雲が広がって

夏の始まりからその陰に隠れていた
終わりがそっと顔を覗かせている

木蔭には脱皮に失敗 ....
最後に見た夜空の星は

100光年の彼方からの100年前の光だ

それを見ながら僕は

緑色に濁った冷たい泥沼に沈んでいく


永遠と瞬間の狭間で息をして

一瞬の間に100年分 ....
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた

ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う

 あとほんの ....
瞳を覗き込んで
悪戯に誘いをかけてみようか

優しい風に乗せて
悪戯に愛を囁いてみようか

こころを曇らせて
悪戯に雨を降らせてみようか

今夜の三日月ぐらい薄っぺらなこころで

 ....
皆月 零胤(32)
タイトル カテゴリ Point 日付
地平線の向こうを追いかけるキリンよりも自由詩209/5/5 22:03
透明人間自由詩1108/10/18 12:00
アリとキリギリス自由詩1408/10/11 15:00
泥酔する三半規管自由詩9*08/10/8 19:00
踊り場/台所自由詩11*08/10/1 18:59
空中庭園自由詩7*08/9/26 21:03
水面を漂う糸自由詩6*08/9/19 21:30
足跡自由詩9*08/9/17 19:39
鳥籠の水自由詩8*08/9/14 18:50
シャッターを切る音自由詩9*08/9/12 17:30
名前自由詩4*08/9/11 8:05
暗闇に敷き詰めたオレンジ自由詩6*08/9/9 19:19
砂漠の砂に注ぐ水自由詩7*08/9/7 0:00
アクアリウム自由詩4*08/9/5 19:19
オルゴール自由詩5*08/9/4 22:00
夏の終わりという駅で自由詩18*08/9/3 16:44
壊れてゆく世界の中で モノクロームの夢を見る自由詩5*08/8/30 0:17
三本足のカラス自由詩2*08/8/28 15:00
シルバーレイン自由詩2*08/8/26 17:17
翼をつくる自由詩2*08/8/25 20:30
自由詩3*08/8/24 14:00
遅咲きの向日葵自由詩1*08/8/23 16:21
クロコダイルの夢自由詩7*08/8/22 15:55
夏の翳自由詩4*08/8/22 0:00
アウグストゥスの月を抱く自由詩11*08/8/20 17:17
かなしい うそつき自由詩2*08/8/20 0:31
夏空自由詩7*08/8/15 17:17
碧い月自由詩7*08/8/14 1:11
太陽の光はまだ早すぎる自由詩3+*08/8/12 16:24
薄っぺらい三日月の端自由詩6*08/8/11 17:17

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