シルバーレイン
皆月 零胤

空がショートする
その音を聞く


湿った空気に曝され
紫煙を吐きながら
亡霊のように
立ち尽くす
ベランダで
舗道を歩く影を
見る

傘は歪み
稲妻が空を裂き
一瞬その影は
怯え
男の目が
妖しく
光る

  低い唸り声は
  何処からする?

  空からか. . .
 
  男からか. . .

また煙草に
火を点ける


そして
空を仰ぎ
紫煙を吐きながら
声も無く啼き叫び
閃光を放つと

雨がまた銀色に変わる


自由詩 シルバーレイン Copyright 皆月 零胤 2008-08-26 17:17:05
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