寝ていいよ と 言われるよ
何だよ 眠たくなんか ねぇよ
そんな 勿体ないこと できっかよ
なんて かみつき
寝るなよ と 起こされると
何だよ こっちは 疲れてんだよ ....
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い
閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる
もとの道を戻ろ ....
苦々しい限りの“本音”を
彼女は黙って受け止める
そして、私をまっすぐ見つめて笑った
「まったく、口が悪いんだから!」
私も意地の悪い顔でふふんと鼻を鳴らし
「お互い様でしょ ....
夏の日の宇宙の深さ星の数
冷房費払うつもりで夏カジノ
チョコアイスとけきってまだ愛されず
夏館ネコがいっぱい出るテレビ
八月を生きるしかない黒揚羽
炎帝を飲み込みサ ....
ぼくはひとりが好きだ
それとおなじくらい
ふたりが好きだ
それとおなじくらい
ぼくは喫茶店が好きだ
秋の香りまじる駅に着く
喫茶店にはいる
まだ夏の静かなトイレで
希望を鳴らして
....
{画像=120814011903.jpg}
喫茶店を出て目を上げるとポプラ並木が
今日も朝の熱気が
夏の日の予感を感じさせる
今日も暑い一日が始まるよ
朝一番のぼくはとて ....
まだ曇り空
少し前に雨が降って地面は濡れている
綺麗に洗われた石畳の道を歩き
色艶溢れて髷結う人々が行き交いそうな
長い石段をゆっくり登っていると
小さな蛙がよこから
....
いつまでも咳が出る
のどにつまった小骨のせいだ
はやく、はやくとせかされる
あほう、あほうとわらわれる
うかうかすると
小骨から
芽が出て
つるが伸び
ぼくのいのちをのっとりにくる ....
熱を帯びたむず痒さが
背中の真ん中あたりから
尾骨に向かって這い降りていく
机の上の観葉植物の彼方に
白い砂浜が見えたことにして
遠い目をしてやり過ごす
生まれた時から猫背の内 ....
昨日とおなじものは
いらないのに
明日になったらやっぱり
おなじもの?
君はかわっても
ぼくはかわらないのかな
いくつになっても?
うん。
将来のゆめを語るひとでいたい
九十 ....
オレンジの月が
まっぷたつになって浮かんでいる
はんぶんの月が
悲しくもないのににじんでいる
だからなんだというような景色が
あらわれてはビルに隠れている
子犬 ....
それは命を宿す なみだをながす そして朽ちる
やがてこどもたちはそれぞれの死を選択せねばならない
たやすく眠らせるようにやってくるのだから
ぼくがあの子を選ぶのに理由なんていらない
指 ....
ポリープが見つかりました原爆忌
夕涼み羽根軽くなる軽くなる
歯で弾いたギター燃やして夏の月
神々の人間いじめ天地炎ゆ
ハードルを全部倒して氷水
睡蓮がさりげなく咲く猫 ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ
茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った
だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ
藁を燃やして送 ....
女って 大好きだ
女を喩えるなら
血の滴るような野薔薇の朱
生真面目な緑に身を固めた
この暗い原野の世界を点々と彩る
秘められた また明かされた 情熱の色
その両目は 傷つきや ....
垂直な光のピンで留められて
横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
まだ誰もいないスーパーの駐車場で
ぬるい風が砂埃を吹き上げている
一匹の小さな蛾が
逆らいながら飛んで行く
....
とりどりの花散らしゆく街にきみの息づくしるし捜す
トロピカルドレス熱く纏う真夏のひとみと星とヴァンパイアー
ロードムービーからもれるつめたいバーモントの月ちょっと欠け
絶望的に収縮す ....
どうしたら
靄が
取れるかなぁ
あたたかな鍋
美味しい御喋り
綺麗な音楽
爽やかな朝・・
ひんやりと
乙に澄ました器に
シャキシャキと
君が
降り積もる
すでに膝小僧が
溶けかけていた
僕は
やんちゃな眼差しで
それを見守る
じんわりと
熱を帯びた午後に
....
もう少しだけ私の人さし指が長かったら
彼女と繋がっていただろうにと
どちらからかかけたのかわからないが
久しぶりだねと携帯電話で話している
今何をしているの
今まで何をし ....
風鈴が鳴る
気のせい
エアコンで冷やされた身体は
動かすたびに耳のうしろあたりで
ごおりごおりと
暗闇で白クマがふりかえったような
私も同時に身体をうしろにねじると ....
変化するものが
含まれたやや重い空気がある
ぼくやきみは様々な角度ですれちがう
ぼくのプロポーズは何かの手違いでとなりの
おやじに届いている
変化しなければいいものを
わざとずらし ....
とつきとうか
出口の見えないトンネルの中を
さまよい歩く気分でした
年中睡いくせに
その眠りは浅く
私は大海に漂う一枚の木の葉のようでした
{引用=沈みかかっては(眠りに落ちて ....
120808
木偶人形のため息を
有人に託した
触ると
ざらっとした感触の灰皿
古くて錆びて汚れたままになってるが
ご馳走様の声は聞いている
出番 ....
張り巡らされた鉄条網に
体当たりでぶつかっていって
やっと出口と思っていた
からだから滴っているのは
紅い色した言葉の絶叫
纏ったままで視界にみたのは
さらに取り囲む鉄条網
なぜ ....
波打ち際の子ども
陽炎に揺れる海の家
空を仰ぐ向日葵
総てが夏を歓迎してる
僕はただその向こうの秋を見ていた
君を連れ去った夏を
受け入れられな ....
打ち込んだ言葉が
操作ミスで 消えた瞬間
何もかにもを なくしてしまったような 喪失感に
さいなまれそうに なる
目の前で 笑う 姿に
かなうものなど ないのにね。
ブリューゲルの「イカロスの墜落のある風景」
野間宏に暗い絵と表現させた作品のひとつでもあろう
ボッシュなどの流れを汲んだ暗い閉ざされた色彩に
海中に墜落したイカロスの足だけがみえる
ギ ....
孤独じゃないと感じてる
孤独じゃないと案じてる
二人でぐっすり眠りたい
月あかりだけ浴びながら
青いツラの皮うかんでる
きのうの戦争銀メダル
世界で何位なら満足 ....
海がわたしたちを生んだの?
わたしたちが海を生んだ気でいる
飼おうとして噛まれた手が痛む
波はなにかを
探しているから
常にかきむしって
大地をけずってゆく
砂浜が綺麗に
みえ ....
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