もしも鳥だったら?
あたしゃ、きっとペンギンさ
灰色の空を見上げるだけのペンギンさ
瓢箪から駒みたいな約束
吐いて
はしゃいでみたものの
閻魔様にも負けず劣らず
舌抜いて
いっそのこと
こっそり禁○の看板
燃やしてしまおうかと取り出して
マッチ棒擦って
暖めてく ....
とんぼが にげない すこしも
とんぼの 目の中に わたしが
たくさん いるというのに
あぶらぜみが にげない すこしも
目線のたかさ で なきはじめた
あぶらぜみ わたし ....
ルノアールで珈琲を飲む
革張りの椅子に座り
香りを楽しむ
入っては出て
出ては入ってくる
人を眺めながら来し方行く末を思う
大学生のころ
通っていた喫茶店はルノアール
だったか ....
風邪でやすんだら
テレビの前にふとんをひきなおし
教育テレビを見つめていた
いちばんお気に入りの番組は
はたらくおじさんだった
あの頃働くのはおじさんだった
な ....
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一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月
寝苦しい夜の何処からか
微かに 悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと 水浴びをする
乳房のように膨らんだ闇
白い 流 ....
うなじに貼りつく蝉の声を
拭ったハンカチの上に
炎天下の用水路に浸した
素足のこそばゆさを重ねて
最後の線香花火が消えた後の
かすれた火薬の匂いの上に
水着の跡 ....
おひさまに干されたふとんは
懐かしい匂いがする
平屋建ての木造家屋
屋根より高く育ったヒマワリ
リュウノヒゲにふちどられた細い通路
赤いバラのアーチでは
テントウムシがアブラムシを食べ ....
僕の冷蔵庫ではつぎつぎとものが腐ってゆく
賞味期限は半月前は当たり前野菜は黴としなびで
使い切れないぞ独身奇族
そこで整理もかねて古い野菜をかたっぱしから検閲し
余命少ないあるいはアンチエ ....
電話を待っている
便利になったものだ
子機を取りにいかなくても
いつも電話はかたわらにある
包み込むような
文学的文章を書く人は
どんな声をしているのだろう
そう思いなが ....
ペンギンの嘴曲がる大暑かな
河童忌や笑顔の写真焼き尽くす
潮浴びや近づいてくるオスプレイ
誰にでも『パパ』と言う吾子天瓜粉
白猫にウクレレ聴かす夕端居
雲海を見下ろし食べ ....
亜寒帯のオフィスを出て
果てしない温水プールを
東から西へ
亜寒帯の百貨店を目指し
思考停止のままの潜水で
東から西へ
最後の力を振り絞って
エレベーターのRボタンに
タッ ....
雨上がりの
苔の上で眠る
あの幸せを
私はどうして手放してしまったのか
雨上がりの
苔の上で眠る
それをするには
私は大きくなりすぎてしまった
雨上がりの
苔の上で眠る
極 ....
秋田美人 なんて言葉を
思い出したけれど
降雪の 多い地方や
寒がりの 女性には
嫌煙されがちな 雪国
そうかも知れないのだけれど
ボーダーだったり
可愛らしい ....
120801
根抵当権を掘り出しては日に曝し乾かして燃料とするのだとよく分からないことをおっしゃるあなたはのの字を掌に書き飲むふりをする
同じことをしま ....
他人ではない
自分を知るために
詩を書いているのだと思う
人のことでも考えていた方が幸せだ
街にいることは とても 悲しい
人といること自体が無意味に思える
だけど今はインターネッ ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ
わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
空っぽの郵便受けと空っぽの着信履歴 あなたが居ない
晴れた朝あなたを想って泣きましたわたしわたし恋をしてます
夕立を追いかけるような恋でしたアスファルトだけ熱を残して
永遠と刹那の狭 ....
ゆっくりとほしがうごいてゆくことをおいのりとするちきゅうにうまれ
青天の霹靂のような
電光石火のマイガール
妄言多謝
120731
形状記憶合金の哀しみをトイレに流し
ミズノさんはネクタイを締め直し
夜会に出かける
夜会というのは某歌手の定期公演で
筆者も行ってみたい ....
空は
晴天なり
晴天なり
恋は
その向こう
その向こう
いつか
この胸に
輝いて
この胸に
....
心臓も歌う
幾筋もの光のもとの
Tシャツを洗う
胸に剥いた
雨の運ぶ
誰のでもない額は
手のひらにすべる
きみは歌う
仙人掌になりたい
心臓も歌う
でも今日ではない
や ....
小さな命は消えてしまった
新しい駅を造るために
もともとあった川はせき止められ
ある日
ただのどろの土地になっていた
川を移転させるらしい
駅がほしいのは
人間だけで
川に ....
ポエケットではなくエアポケット
チケットのない旅を君と
母が亡くなって最期は点滴でも間に合わない
栄養失調のまま昏睡状態で逝った
体格のいい人で骨壷に入りきらずに
納骨の係りの方に
....
あなたへ直線をひけないので
円をかく
今日も円をかく
ちりとりのゴミを玄関の外に捨てると
蝉が羽化に失敗して 転がっている
またか
この時期 たまに見る
壁によじ登っては 落ちる 蝉 とんぼ
ぐちゃぐちゃに柔らかくて 体に触れない
死 ....
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夏の朝は
牡蠣殻がプッと息を吐き
bulletが恋しい季節です
秋には死んでいるだろう
冬には死んでいるだろう
夏の朝は
牡蠣 ....
小柳ルミ子のからだは鍛えられていた
体脂肪率もひくそうだ
小柳ルミ子になにを見る
小柳ルミ子をなにで見る
ぼくらは過去で生きている
過去を通して見ているのだ
瀬戸の花嫁を最後に歌った
そ ....
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