こどもいっぴき
さみしいうただ
子供一匹
優しいおとなだ
夕暮れが来て
またひとり連れてく
僕が残って
世界が華やぐ
冷たい煙の中とか
変に賑やかなよるとか
星が見えな ....
{画像=120530012115.jpg}
この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う
人は与えられた役の ....
たとえばすごいといわれるがわから
すごいというべきがわにまわったとして
すなおにいうかというと
いいたくないが
だからといって
なにか
ぶたじみた
たいどを
とると
すれば
それは ....
茫洋として
時間が止まると
爪をみている
視界に映る景色は
脱色して垂れ下がり
行き詰った欲望が
ただ一点を渇望しはじめる
空腹だからではない
意識の ....
{画像=120529154724.jpg}
気温が一度上がっただけで
庭は目覚め
今夜は舞踏会だと
シロテンハナムグリが伝言する
白薔薇が
今まさにデビュタントに
踊り出そうという心 ....
人間はひとりなのだと
思うようにしている
誰かを頼ることのないよう
自分で生きようと努力をしている
私はそうしたいのだ
家族がいても
私の人生は私のもの
一緒に住んでいるからと
....
いつからだろう
嫌いって言えなくなった
いやだって言うことが
なにかを壊す気がした
すきって言うことがよくて
清浄機みたいに思われて
嫌いって言葉だけが嫌われて
私の心にたまって ....
とにかく私は
君らによって
ヒトラーの同類だと
名指しされたのだ
だから私は
自己弁護のため
ヒトラーを弁護しなければならない
とにかく私は
君らによって
ス ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
偶然のすれちがい
微笑み挨拶するけれど
何かを伝えたくて
何も伝えられなくて
優しい風が吹くだけで
明日の気配に
ふわりと衣が
背筋を撫でる
電気椅子の側に 天使が立っている
死刑囚の魂を 導いていくため
死の天使サマエル
毒の天使サマエル
サマエルは語る
電気椅子に座っても、救われる魂と
冤罪でも 地獄に送る魂がある
神 ....
割れたコップの破片
触って流れた赤い淋しさも
拭き取る温もりあれば
やがて
指切りげんまん
約束は絶対だからね
なんて
笑って薬指
淋しがりやさんが
零したお水
拭いておくね
....
窓辺に置かれた
一輪ざしの切子硝子
複雑な光のプリズム
瞳の中の幾何学模様
ああ なんて楽園
だってわたしは
凡庸な人でしかない
透明の硝子は見る角度で
その色や輝きも違ってく ....
空っぽの缶空をふると
からから
空が揺れる
空っぽの私が頭をふると
からから
空が揺れる
なにかしら
からから
空が揺れて
不意に音が止んだ
のみかけのコーヒーにまた水足して待つ午後の日差し
16分音符じゃ足りないと時間まで切り刻むピアノ白い指
白鍵と黒鍵は隣り合わせの不幸だねって笑うきみ
ドアをあけてから遠い時間をあ ....
仲間からはずれてひとり夏の下
風の歌を聞かされし人新樹かな
軽快な暴力喰らい青葉潮
鹿の子のおめめに映る朝の月
笛の音が闇を引き締め薪能
エメラルド色の泉に身を投げる
....
冷たい月に
雨がふる
とても静かな
音をかなでて
さびしいうさぎは
ぬれてゆく
赤い雫がこぼれて落ちて
時間がゆっくりと
満ちてゆく
そよぐような
何かに揺れる
宇宙のす ....
犬の眼をじっと見つめていると
黒々としたその瞳から
哀しみだけが
滲んでくる
犬は
なぜ自分が犬であるかを
きっと知っている
遠い昔
野生を
人間の為に捨てた存在
自由よりも不 ....
たくさんのバナナ一キロ
ふさふさのバナナ一キロ
食べても食べても減らない
いや増えているような気がする
もうちょうど食べごろで
蜜のような味がする
強烈な南国の香り ....
愛するものに あらんかぎりの表現をあたえるために
図書館はある
道の途中で
トンビがピープルって 巻き舌ぎみに 私を呼ぶ
鳥に言われるまでもなく 私は人間さ
書物のよさ ....
まぶたを 閉じれば 海は すぐそこ
関門海峡の潮の音
あっちのほうが長門そどな
長門には 鯨さんのお墓があるそどな
おおけな鯨のちいさな墓に 南無阿弥陀仏を奉じると
波をみな飲み込んでき ....
空に向かって高く
超合金製の蟻の巣が
渦巻き状に伸びている
無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も
夜になれば
綺麗に画一化された部屋には
優しい灯りが点り
街を照ら ....
コンビニを出ると
誰かがお菓子の箱を開けて
ぽいっと捨てたセロファンが
ちょうど私の目の前に
空から垂直に錐もみしながら落ちてきた
ひとときのま
私の頭はどうにかな ....
ポポタンが笑っている
太陽みたいに開ききって
その中でアリが泳いでいる
お菓子の家で溺れそう
ぼくは憶えている
きみのやわらかな面差しを
すべり台へ走っ ....
人間が春を選んだのは
寂しいのが嫌だから。
別れと出会いの季節なんて
とんだ嘘っぱちだ。
人間は死ぬまでお別ればっかり
なんにも気づいていない ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる
『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
....
{画像=120523013143.jpg}
いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
よっぽど
おなかすかしてはったんやなぁ、おつきさん
おひさん
たべてまうなんて
よっぽどやな
やけどするで
くちんなか
べろんべろんになるで
おとなしそうなかおして
やるときゃやるん ....
{画像=120521085659.jpg}
2012年5月21日 ほぼ晴天
本日待ちに待った「金環日食」だ
日食観察用メガネとスマホを片手に
あたしスタンバってます!
わくわくわく ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28