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――風よ 

木の葉をさざめかせ
やさしく掻き乱し

花房にそっと触れ
散り際へと誘う

子猫の背を撫でるよう
湖の面を煌めき立たせ 

風 おお風よ!

おまえが気まぐれに ....
たとえばある種の硝子を隔てて
見つめても そこには世の冷たい写しと
見飽きた己の顏しか見いだせないのだが
硝子の向こう 不可知な領域からは
こちらの姿が逐一観察できるように

ひと筋の時の ....
職業は会社員
仕事は数字を殺すこと
会社に入るまで知らなかった
仕事は数字を作ることだと思っていた
ところがそれは間違いで
一年の始まりにはすでに数字が
月の始まりにもやっぱり数字が
山 ....
藤は支えが欲しかった
己が生きて行くための

桜は藤を必要としなかった
だが支える力は持っていた

今では一本の木のように
鬱蒼と密にからみ合うが

異なる性を持つもの同士
時を違 ....
おとなになれなかったこどもは
おとなロボットに乗った
大きくて頑丈 パワーがあって
こどもには持てない武器をたくさん搭載していた
こうしておとなロボットは戦場へ出て行った
いったい誰がおとな ....
冷たい石の陰に身をひそめる蜥蜴
葉の裏で翅を休めるクロアゲハのように
公園から木影のはみ出している場所へ
車をすっと 滑り込ませる

小柄な老女が日傘をさし
現場作業員の日焼けした顔の向こ ....
揺るがないものが揺らぐ
仕方のないこと
ありのままを見ているつもりで
水鏡に映った姿を見ているから
冷やかな風にさざなみ
優しい陽射しに微笑み
自らの夢を重ね映して

時を凍らせた写真 ....
寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって

それでも花 
今朝 三つめ

ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの ....
現実から逃れるためではない
現実を死ぬまで生きる
そう 何処かで決めているから
扉も窓も開けたままにしてある
鍵は壊れたまま
入口は出口で出口は入口
外側は内側で内側は外側
脳が現実だと ....
箸でつまんで
ポトリ ポトリ
やわらかな壺へ
金色の毒虫入れ合うの
互いに舌を絡め
{ルビ騙=かた}ることば
海が見たい騒がしく
鳥が声が
眼裏掻っ切って
わたしたち手探りのままでい ....
発する柔らかな音のかたちが
まだ定まらないころ
神経衰弱でトランプを捲るように
何度も見て触れて味わって
モノとなまえが一致して行く
意味を纏うのはまだ先のこと
ちいさな器は無限に広く深く ....
時間を つぶすと言うのか
やっと生まれて来た この
小さな 幼気な時間をあえて
つぶす と言うのか

梱包材のつぶらな可愛いプチプチを
訳もなく指先でつまんで破裂させるように
このささや ....
山を駆け下り開けた浅瀬に出ると
ゆるゆると草を揺らしながら往く
水の膨らみは千変万化を繰り返し
陽射しに微笑みを返すのだ

小学生の女の子ばかり六人
紫外線から完全に身を守った女の先生と一 ....
そうしてすべてがすり身となるのだ
肉も魚も豆も米も野菜も一切合切
ミンチよりも細かくなめらかに
均一のペーストに
そうして型成される
ソーセージのような蒲鉾のような
なんとも名状しがたい食 ....
公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず 
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっ ....
右の頬が激しく打たれた
しかし左の頬は無事だった

額がスズメバチに刺された
でも後頭部は無傷のまま

左目に火の矢が突き刺さると
右目はとっさに視線を逸らす

耳は恐々 欹てるだけ ....
わたしはターヘルアナトミア

あなたの皮をペロリと剥いで

思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか

白日の下に晒してご覧に入れます

わたしはターヘルアナトミア

飲み込 ....
しゃぼん玉のような瞳を漂う
異形のチューリップ
コクトーの詩がめらめらと
記憶から皮膚を炙る 匂い
生まれたての羞恥心に注ぐ
冷たい炎のバプティズム
春を纏ったものたちは戸惑う
羽化した ....
それはモノゴトとの距離の問題
モノゴトが遠くにあれば小さく感じて
モノゴトが近くにあれば大きく感じる
時間もひとつの距離だ

あるいは他のモノゴトとの比較の問題
モノゴトの傍にもっと大きな ....
光と影の境界
ひとつの石が孵る
透明な炎の囀り
思考は灰になる
朝が目を開く
ひとつの幻想のパンケーキ
刹那わたしは身をくねらせ魚形
夜が堕胎した冷静な夢のシタイ


亜餌意緒雨キ ....
クロッカスは一斉に咲く
身を寄せ合って揺れている
つめたい春の風に
小さくなって震えながら

ちょっと離れて
鉢植えの福寿草 まだ一輪だけ
太陽の親戚筋とでも言いたげに
少々毒気のある ....
眠気に包まれた祈りが煙の海を泳いでいる
硝子越しに並んだ雑誌の女たち

未だ馴れない携帯メール
     たどたどしい指先

男性誌と女性誌では
同じ美人でも漂う匂いが違っている
雄と ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
敵対者には花束を送れ
上等のやつが良い
色も香りも惜しみなく
リボンもしっかり選ぶが良い
和解のため?
平和のため?
とんでもない

刃物は優美さに隠される
獣は息を潜めてじっと待つ ....
痴態は演じられるものではなく
晒してしまうもの
ネズミを焼く匂い
霞の向こう兜を脱いだ少年の
老いを孕む眼差し
生を一巡りしたかのよう
遺灰を踏み しめる
空を模した青磁器/亀裂の風
 ....
一羽の鷺が 
  ふわり 弧を描き 
    降り立った 見えない川辺 

出来事との距離は
程良く 霞となり
コンマ何秒か遅れ
波紋は伝う
  記憶の水面を

現実よりも
純白 ....
やわらカイ貝殻カラかなもじの
ぬるっとした意味うまれる

りょうせいるいかしら

もしかしてしかしら
しらしからぬしかしら
おかしらつきのおかしなしかしら

ナンタイドウブツカシラ
 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない

刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
ひとりでダンス?
いいえ
風がわたしのパートナー
わたしを見つめてください
あの方の姿が
見えてくるでしょう

わたしは木
いいえ
わたしは奇異です奇行です
見えない何かを
可視 ....
そらの珊瑚さんのただのみきやさんおすすめリスト(723)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風と共に念ず- ただのみ ...自由詩14*15-6-10
長くも短くもなく終わりも始まりもまた- ただのみ ...自由詩18*15-6-7
殺し屋のパラドックス- ただのみ ...自由詩14*15-6-6
藤と桜- ただのみ ...自由詩16+*15-6-2
おとなロボット- ただのみ ...自由詩22*15-5-30
日陰がいい季節になった- ただのみ ...自由詩16*15-5-27
みずにゆらぐ- ただのみ ...自由詩20*15-5-23
おじさんから見れば- ただのみ ...自由詩15*15-5-19
わたしの部屋には- ただのみ ...自由詩18*15-5-15
君みみなれぬ口づけを- ただのみ ...自由詩15*15-5-12
愚愛の詩- ただのみ ...自由詩16*15-5-8
ツブスナカレヤ- ただのみ ...自由詩14*15-5-5
愉快な午後- ただのみ ...自由詩16*15-5-2
ショク文化大革命- ただのみ ...自由詩17*15-4-29
春ぼんやり- ただのみ ...自由詩15*15-4-26
ガガーリン- ただのみ ...自由詩11*15-4-25
ターヘルアナトミア- ただのみ ...自由詩17*15-4-22
たいこともべきこともなくていい- ただのみ ...自由詩12*15-4-18
モノゴトのはなし- ただのみ ...自由詩14*15-4-15
ペインキラー- ただのみ ...自由詩10*15-4-11
どこかの庭で- ただのみ ...自由詩17*15-4-8
晴れの日にブルース- ただのみ ...自由詩17*15-4-4
雪のとけた校庭で- ただのみ ...自由詩19*15-4-1
復讐の心得- ただのみ ...自由詩17*15-3-28
純粋痴態- ただのみ ...自由詩14*15-3-25
鷺と鴨- ただのみ ...自由詩13*15-3-21
シスター・シエスタ- ただのみ ...自由詩18*15-3-18
_それ- ただのみ ...自由詩16*15-3-14
こぼれる- ただのみ ...自由詩17*15-3-11
ダンス- ただのみ ...自由詩14*15-3-7

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