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クリスマス以降
全くやる気が起きなかった
どうにか今日で仕事納め 
やっと時間が心に追いついたのだ


裸婦像みたいな街路樹の肩にカラス


除雪車に削られた白い壁に車を着けて
ふ ....
何のことはない

君自身が落し物なのだ



たとえば君が左のエレベーターに乗る時

右のエレベーターから降りてくる

すれ違ってばかりの斜に構えた運命が

今日も君を捜してい ....
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた

子どものころ ....
今が 日付を一歩跨いだのか
時が 向かい風のようなのか

昨夜から
     今朝へ
        光が溢れ

新雪積もって白紙に戻り
一文字人文字人間が
寒い眠いと起き出して
 ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
閑散とした海辺のペンションのように

広々と逸脱した時が迎えてくれるのなら

片手間に解いてみるのも良い

この絡まった七色の意図を


だが

雨の指で打たれ続けることばは嘘
 ....
霙と嵐と雷鳴で
十一月の夜が揺さぶっている
手のうちなんざ知れたもので
瞳は渇いたまま空を切る

初雪が覆った小さな棺
添い寝をしたくてもできなかった
小さな棺がゆらゆらと
時の浪間を ....
人生はだまっていてもギャンブルだ
伏せて配られたカードは平等なんかではない
そこからスタート
幸せな人生がどんなものか本当はわからないまま
何かを捨てて
何かを拾って
ペアだとかハウス ....
ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース

家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友 ....
きみのことばは

秋の冷たい雨のようだね

仄かな愛の燃えかすを

ひとつ ひとつ 丁寧に

つまむように消して行く

夏の陽射しに彩られた

一輪の記憶が今しがた

明け ....
秋の海が荒々しく呼吸する
うねる波 遠く水平線の少し上に
厚く濃く垂れこめた雲また雲

ただ一人歩く砂浜は
自らの心象を行くよう
波に打ちあげられた貝殻や
流木のような言葉を拾いあげては ....
今日は素晴らしき日曜だ
嵐に弄られる街路樹と
無意味に転がる棒切れが
呼吸のように入れ替わる
ペテンのような日曜だ


あなたの瞳の奈落に潜む
鬼火のような問いかけは
閃くごとに ....
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが

エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
廻り廻ってさようなら
季節はまたも去って行く
やがてはわたしも去って逝く

寒くなったね

それでも今夜はまだ
震えながらも網をかけて

待っていましたよ
今夜はまたすらりとして
 ....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた

子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように

見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように

今日 一つの悪意がとぐろ ....
夏の雲は膨らんだ自我
眩暈 土砂降り 稲光


遥か上には秋の雲たなびく
天使の翼のように


美しき日に坂道を上り また下り
廃屋の漆喰は剥がれ落ち
背の高い草が住む
暗がりに ....
国々は歴史というエスカレーターに乗って
ゆっくり 未来へ向かって登って行く

いつまでも いつまでも
赦すことのできない憎い後ろ姿が見える

煩わしい声に ふと 振り返ると
遠い過去から ....
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
   
  水草ゆれて

   ふわりと
  
 紅金色の着物も褪せた
 年増女が二人
  よもやま話 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい

約束なしで出会っては

流れの渦に留まり続ける

紅葉とイチョウの落ち葉のように

ゆっくりと語り合いたいものだ

何一つ声に出すこともなく

 ....
            万物が一つの花ならば
            誰が愛でてくれようか
            蕾のままに枯れて逝く
            誰が涙を流すのだろう
     ....
いつも猫ばかり見ている

静謐な佇まいに時を忘れ

衝動のまま自らを由とする様に息をのみ

猫という美しい獣に憧れ続けている

 わたしは悲しい犬

どれほど否定しようとも

 ....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人

彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ

誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかい ....
大海原の真ん中で
 立ち泳ぎ
途方に暮れて日も暮れて

せめて目指すべき陸地が見えたなら
それが遥かに遠くても
そこに向って進もうと
いのちの限り泳ぐだろう

だが今 四方八方 
 ....
夜よ ご機嫌麗しゅう
少し話していきません
ぬるい時間をちびりちびり
ロッキングチェアで揺られるような
取りとめのない浮世のことを

露出狂の政治家たちが
脂っこいことばを吐き出してはそ ....
 垂直な光のピンで留められて
 横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
 まだ誰もいないスーパーの駐車場で
 ぬるい風が砂埃を吹き上げている
 
 一匹の小さな蛾が
 逆らいながら飛んで行く
 ....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月

寝苦しい夜の何処からか
微かに   悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと  水浴びをする

乳房のように膨らんだ闇 
白い 流 ....
こわれたラジオの部品とか
いろんなガラクタくっ付けて
こさえたぼくの宇宙船
飛ばないことは百も承知さ
けれども心は飛んで行く
誰も知らない惑星へ

わたしたちは飽きもせず
あちらこちら ....
そらの珊瑚さんのただのみきやさんおすすめリスト(670)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
連休熱- ただのみ ...自由詩15*12-12-29
気休めという天使に足を踏まれた聖夜- ただのみ ...自由詩19*12-12-26
幼馴染- ただのみ ...自由詩23*12-12-19
人間詩- ただのみ ...自由詩19*12-12-9
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
七色の意図- ただのみ ...自由詩17*12-11-26
正気の沙汰- ただのみ ...自由詩20*12-11-18
わたしがギャンブルをしない理由- ただのみ ...自由詩20*12-11-17
小さなことからコツコツと- ただのみ ...自由詩21*12-11-11
冷たい雨- ただのみ ...自由詩22*12-11-8
それもまた- ただのみ ...自由詩19*12-11-1
感傷に溺れて笑う日曜に- ただのみ ...自由詩15*12-10-28
もみじ悔いたし鐘は無し- ただのみ ...自由詩21*12-10-25
廻り廻ってさようなら/月と蜘蛛- ただのみ ...自由詩30*12-10-19
虚しい夜に描いた詩- ただのみ ...自由詩27*12-10-13
今日_一つの悪意がとぐろを巻いていた- ただのみ ...自由詩19*12-10-7
美しき日に坂道を上り_また下り- ただのみ ...自由詩22*12-10-4
エスカレーターを駆け下りようとする馬鹿なやつ- ただのみ ...自由詩15*12-10-1
水中戯曲- ただのみ ...自由詩20*12-9-27
秋の気持ち- ただのみ ...自由詩19*12-9-23
____________夕日のように微笑んで________ ...- ただのみ ...自由詩26*12-9-18
憂鬱の鎖- ただのみ ...自由詩16*12-9-10
ろまんちすと- ただのみ ...自由詩16*12-9-5
未開の詩よ- ただのみ ...自由詩23*12-9-2
遥かな灯- ただのみ ...自由詩16*12-8-26
夜よ_ご機嫌麗しゅう- ただのみ ...自由詩13*12-8-19
僕が君を一匹のみすぼらしい蛾に譬えたなら- ただのみ ...自由詩24*12-8-9
冷熱帯夜- ただのみ ...自由詩21*12-8-5
ガラクタ宇宙船- ただのみ ...自由詩23+*12-7-31

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