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光の傾斜のよわいめまい

いななきも止んだ朝の膨らみ
秋は秋と重なって遠近を失くしながら
凧のように {ルビ空=くう}の{ルビ空=くう} 淡く燃え


無限の、 矛盾の、 
存在の、 ....
 青い看板に白い文字で
 
   ビジネス
   カジュアル
   フォーマル

 朝のだだっ広い駐車場

 少しくすんだ 慎みの季節が
 春に巣立った雛たちの 瞳にも
 映って
 ....
赤い目をしていま
なにを読み
どこを跳ねるのか


あなたは謀った
{ルビ和邇=ワニ}たちの背を戯れ跳ねながら
目指すところへ近づいた時(それは幻想だった)
傲りと嘲りが
鈴のように ....
風は奏で 
光は描く
ハリエンジュのさざめきに
まなざしは戸惑い
優雅に失速する
水面に解ける止まり木
鳥は魚を続けた
裏腹に
なめらかに
時間には抜け道がある
探しても見つからな ....
朝 丘珠空港へ迎えに行く
プロペラ機は八月の空をけたたましく滑り降り
ゲートをくぐる人々は無事届けられた
天からのギフトのように
トランクとリュックを下げた若者を見つけ
片言みたいに 荷物を ....
カーテンの向こう暑くなると告げて
にわかに泣きだすそら

すぐに澄み
そこなしの青の静けさへ
置き忘れられた幾筋かの羽毛は
朝へと生まれ落ちた夢たちの骸
季節の手妻は継目も見せず
ゆ ....
引き寄せて歌の精よ耳元に
オンとイのほつれ目
楼蘭の砂から掘り起こされた女の髪のよう
忘れられたイトが絡まった
黴臭い沈黙から ふと
夜は陽炎のようにゆらめき立って
歪み捻じれたこの道を筆 ....
夏の終わり
などと書き出して
景色を眺めまわし
残りの年月を数え切れたかのように
何もせず
何も求めず
人に倦み
風の仕草を見つめては
瞑り 
欹て
ぼんやりとまた開き
終わる夏 ....
嘆息の理由なら他にある
豊満な月に耐えきれず包み紙を脱がせただろう
子供みたいにあちこち汚して
今日がその日ならと狼みたいに祈ったね
誰かのせいだと言うのなら
それはわたしのせい(玄関前の犬 ....
古いガラスのように蒼ざめて鳴り響く

 ――あれは なに?


       掌の海から跳ねる両目を失くした魚
           それは
テノヒラ 温かすぎる子供のテノヒラで
   ....
          草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
  濃厚で豊満な匂 ....
神話が語らない
占いの及ばない
誰の願いも届かない
遥か遠く
暗く冷たい空白に
在って
在るからこそ放出する
己の核から外へ外へと溢れ
続け 続けて
やがて尽き果てた
非在の残像
 ....
わたしの死角をひとひらの蝶が往きつ戻りつしていた
目の前に広がる森の少し分け入った辺り木漏れ日にあ
やされながら成熟した木々の裾に纏わるつややかな若
木の葉は森の外観とは対照的で光を透かして淡く ....
コンビニのドアが開き
ひらひら舞い出たモンシロチョウ
誰も見てはいない

光は雨みたいに激しく額を打ち鳴らし
影はつま先から滾々と湧き出している

こんな日だ
わけもなく後ろから刺され ....
足音は足跡から乖離する
帯びた意味を秘めたまま
けむりのように漠然と白い
地球を見上げる朝に
ちぎられた円環のビーズ
偶然が描いたあなたの星座を
子猫がシャッフルする
無邪気さと予感の熱 ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって

とかなんとか言ってみても

こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさら ....
籠から溢れそうな
熟れた果実の
すこし傷んだ
あまい匂い
視線は蠅
めまい/匂い/めまい
スケッチしながら
溺れている
出口のない部屋
ぬるい潮が満ちて
鋭い線が
削り盗り
移 ....
土手の手つかずの雪が老いて
カラスがなにやら啄んでいる

穏やかな冷気に衣服の戸惑い

惜しめば儚く望めば遠く声は
なにも残さないただ揺らした

言葉が追う死者を追うように

セー ....
どろうみから
 タって 
   ミせて
      あなたはあなたを
ミて
  イたり
     ニたり
        《シ》ナいから
        《シ》して《シ》舞う
カのふ ....
風が突っ走って往く
いつか追い越して往った風たちが また
地吹雪は踊る 白いベールを靡かせて
渦巻いては解かれ素早くさらわれる
終わりなく交わされる遠吠え 
異言の霊歌 あるいはレクイエム
 ....
無い背筋を伸ばし
まな板の上にぬっと立つ 
おまえの
下段から冷たく射るような
視線――まったく読めやしない
包丁を握り
ジリジリと
間合いを詰める
――突然
ながい触腕(しょくわん ....
光と冷気が青い燃料だった
破れた財布から千円札を出して
印鑑ケースとノートを買う
郵便局には月に一度往く
記憶喪失の犬みたいに
今も雪原から突き出している
枯れ果てた雑草を見ていた
夏の ....
ここに旗はない
風に弄られ立ち竦むのは
他の何者でもない
東も西も南も北も
微笑んでなんかいない
ただ巡る風の音が
埋まらない空白を告げている


ここに旗はない
足跡は辿らない
 ....
くるりと足を上げ
飛沫もあげずに潜って往く
小石のように すーっと
光がゆらゆら届く辺り
うたたね だから
すぐにまた浮上できる辺り


食事の後 うっかり
文字や何かに集中しようと ....
さて 生きようと思うのだ
遠く山並みは雪雲でかすみ 
いま街は晴れている
人通りの少ない週末の朝 
わたしは浅瀬の魚のよう
ぼんやりと光を纏い静止する
異国の歌が暫し寄り添い また 
去 ....
吐く息で散り 
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
希望を乗せて放り上げられた球は
回転しながら
高く 上がり
ゆっ くりと
静・止 
  落・下  す    る


引力に負けてあえなく
抱かれてしまう
理想・思想・夢想
小さな ....
風が大河のように重い土地で
腰を落とし 捻じれて育った
樹は 首を傾げ 雲を聞いている
節くれだった片目で
ヒレンジャクたちのお喋りに
口をはさむでもなく
遥かな海や
見渡す限りの黄金の ....
 断章として出会う
わたしたちは
繋ぎ合わされた
死に往く者の断片として
齟齬と違和で腫れ上がりながら
ひとすじの清流であろうとした
 二人の詩人


                ....
そらの珊瑚さんのただのみきやさんおすすめリスト(666)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩/代償としての- ただのみ ...自由詩14*16-10-5
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うさぎのダンス- ただのみ ...自由詩11*16-9-24
恋のようなもの- ただのみ ...自由詩10*16-9-14
アウトリーチ- ただのみ ...自由詩6*16-9-10
くすねた財宝- ただのみ ...自由詩9*16-9-7
呪術師の末裔- ただのみ ...自由詩9*16-9-4
残余の火- ただのみ ...自由詩6*16-8-31
氷の散弾にブルーハワイ- ただのみ ...自由詩11*16-8-13
絶望の希望はただ乾いたピストルの音- ただのみ ...自由詩8*16-7-23
火葬詩転生- ただのみ ...自由詩14*16-7-20
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入口・・- ただのみ ...自由詩5*16-7-10
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服毒説- ただのみ ...自由詩10*16-6-25
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空白の果実- ただのみ ...自由詩12*16-3-12
春葬列- ただのみ ...自由詩19*16-3-9
どろうみ- ただのみ ...自由詩12*16-3-5
冬風人- ただのみ ...自由詩16*16-3-2
活イカ- ただのみ ...自由詩19*16-2-24
前触れ- ただのみ ...自由詩15*16-2-17
ここに旗はない- ただのみ ...自由詩17*16-2-13
うたたね- ただのみ ...自由詩14*16-2-10
生きようと思うのだ- ただのみ ...自由詩17*16-2-7
抱かれて抱いて- ただのみ ...自由詩19*16-1-30
肉脈の惑星- ただのみ ...自由詩17*16-1-27
冬眼鏡- ただのみ ...自由詩18*16-1-23
断章遊戯- ただのみ ...自由詩15*16-1-13

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