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荒野にときどき吹く風がある

代わりを求めても仕方がないのに

荒野にありもしない花を探している

荒野にときどき吹く風がある

お花屋さんの冷蔵庫の匂いがする

さわやかな湿った ....
「どこにいる?」
誰のしわざだろう

  (どこにいる?)

有限のたましい


絶対音感の人の指先が
たくさんのたましいの呻りで
にごってゆく
そのとわの中で
その
  と ....
  一輪のすみれを
  花のところだけ切り落とす



  いとしい{ルビ女=ひと}よ
  きみの優しさが
  どこまでも悔しかったからです
誰かに手紙を差し出したい
秘めた恋心を
白い便箋の罫線の間にそっと忍ばせて

誰かに手紙を差し出したい
今朝咲いた朝顔の欠伸が
黒いインクの文字から聴こえてくるように

誰かに手紙を差 ....
{画像=110804030328.jpg}



傷つく想いと傷つける想い

どちらが重くて痛い?


独り帰って涙を流がす時

わたしは誰かを傷つけている



だから ....
たいせつなひとが死んだ

死ぬのは

だれだってあたりきなのに

こんなに悲しみで

ざわついているのはなぜ

死がふしぎなわけでもないのに

別れることは

だれだってあ ....
電車がトンネルに入ると

車窓が黒い鏡になってしまった

深海の底をたどるように

てのひらをあたためる

ぼくは世界を見つめている

こころの闇なんか信じていない


ぼく ....
  それはあなたですか

{引用=   いいえ、それは麦藁帽です
   それはかぶることができます
   それは夏の人々に好まれています

   いいえ、それはすみれです
  ....
わたしは
自慰をして
足らずに

よくしらない男を
呼び出して
抱かれる

さいきんのモーテルは
清潔であかるいし
窓だってある

そうして
そこを出た足で
花を買いに ....
  かあさんのあいしてるは
  おつきさまみたい
  やさしくつつんでくれるから
  こんやもぐっすり



  とうさんのあいしてるは
  とうさんのせなかみたい
  しんぶん ....
{引用=
ぼくがぬぐえたはずのなみだで
かみさまのいちびょうをかう

どうせ
あなたはむげんのときがあるのだから

ぼくがぬぐえたはずのなみだをぜんぶ
さしだすかわりに
かみ ....
雨は
縦からやってくるのに
雨のにおいは
横からやってくる

ボブ・ディランが
教えてくれた
「Blowin' in the wind」
その答えは
風に吹かれているだろう

雨 ....
その箱のなかには夢が溢れていた

幌馬車に乗っていたり
早馬にまたがり二挺拳銃は火を噴いて

またあるときは電話ボックスから秘密基地へと飛び込めば

誰もが海の向こうの豊かさに憧れた
 ....
汗が光ったのを察知して
君は一生懸命 左手で扇いでくれる

クエン酸の入ったドリンクを一気に流しこむ
その立ち姿を横目に

また夏が来たネ!と
笑いながらハンカチを渡す 麦わら帽の君
人形を捨てようとしている人に出会った
少し古めかしいフランス人形だけど
愛くるしい表情をしていた

 捨てるのなら 私にください 

と お願いしたら

 いえ 収集車に放り込まれるま ....
  歌ってはいけないことは
  ひとつもなかった
  嬉しければ笑えばいい
  悲しければ机に突っ伏し



  歌ってはいけないことは
  どこにもなかった
  愛しければ ....
  月の光に飽きてしまい
  深く眠りにつくと
  君が
  僕の手を切断し
  それを使って一篇の詩を書いた



  朝、
  それは元通りに
  手首にくっついている ....
望んでない炎
炎に{ルビ塗=まみ}れた稲わらが強引に{ルビ傾=かし}げる 
カーテン越しから囁く者たちは
そこから離れなさいと
ただ 唇を動かす

ありえない色
塗り替えられた あの土地 ....
  働いて
  働いて
  四角い紙と
  円い金属



  立ちっぱなし
  犬が過ぎる
  犬が嗤う
  中也の
  失くした椅子



  生きっぱなし
 ....
八月
隙間のない日差しが街を埋めつくして息をとめた地上
の生きものたちは白い化石になるだろうか

昼下がりの昆虫のように日差しを避けて地下に逃れた
人びとの背にうっすら
あの日の地核の影が ....
  他にやり方はあったはずなのに
  言葉でもよかったのに
  きみは{ルビ擁=いだ}くことを選んだ



  他に道はあったはずなのに
  きみの肩ごしに
  山並みは夕日に ....
  きみのうしろに
  きみが見える
  脱ぎ捨てたシャツのようにさりげなく



  きみのうしろに
  きみの母や父が見える
  ひっそりとしたブランコや
  いくつもの ....
洗い桶に沈んだ
果物ナイフで
指を
つうっと切ったような
昨日の サヨナラ
犬猫とは違うことぐらい
判っているよ




でもね
薄汚れた服でサンダル引き摺ってた女の子

大切にしてもらっているのかな
パートのお母さんと
いつも家でタバコ吸っている男の ....
  歌よ、
  さようなら。
  みずみずしい言葉の列を
  かつてはわたしに注ぎ込んでくれた
  歌よ、さようなら
  これでおしまい。



  わたしよ、
  さよう ....
「きっぱり」
という名前を
つけたい朝
痛いほどの勇気が
背中を押す
  僕が死んだときには
  僕のペニスを切り取っちゃってくれ
  抽斗に
  ナイフを入れておくから



  残りの部分は燃やしちゃってくれ
  僕が死んだときには
  僕 ....
泥が沈むのを待って
上の澄んだ水だけを飲むことができます
時間がないんだと言われたら
濁った水を飲むことくらい
もちろん できますとも

ヒール高7センチの
先のとがった靴を履いて走るこ ....
今日に限って 折傘忘れてスコール
タバコ屋の小さな軒先で身を寄せながら
雨粒を指で拾い 掌で{ルビ弄=もてあそ}んだ

店奥のシャイな婆さんは
アガリっぱなしの{ルビ緞帳=どんちょう}が下り ....
  祖母の家で
  祖母と話す
  昔ながらの広い居間
  たっぷりの朝日が射しこんでいる



  通っている盆栽教室のことを
  嬉々として話す
  新しく入った若い女の ....
もっぷさんの自由詩おすすめリスト(1486)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
荒野の花- 吉岡ペペ ...自由詩211-8-5
夜景・死に水- ピッピ自由詩311-8-4
すみれ- 草野春心自由詩511-8-4
誰かに手紙を- 乱太郎自由詩26*11-8-4
傷つく想いと傷つける想い- beebee自由詩1411-8-4
たいせつなひと- 吉岡ペペ ...自由詩211-8-4
黒い鏡- 吉岡ペペ ...自由詩311-8-2
らぶ・ぽえむ- 草野春心自由詩4*11-8-2
花を飾る- はるな自由詩411-8-2
あいしてる- 草野春心自由詩4*11-8-2
かみさまのいちびょう- 凪名木な ...自由詩711-8-2
雨のにおい- 中川達矢自由詩9*11-8-1
箱のなかのひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*11-8-1
真夏- subaru★自由詩14*11-8-1
人形- blue自由詩5*11-7-30
歌ってはいけないことは- 草野春心自由詩7*11-7-29
滑らかさ- 草野春心自由詩311-7-28
稲わらの火- subaru★自由詩17*11-7-28
中也の椅子- 草野春心自由詩2*11-7-27
午後の化石- たま自由詩24*11-7-26
擁く- 草野春心自由詩3*11-7-26
きみのうしろに- 草野春心自由詩211-7-26
無題- blue自由詩211-7-26
リア充のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2911-7-25
おしまい- 草野春心自由詩411-7-25
- blue自由詩411-7-24
僕が死んだときには- 草野春心自由詩3*11-7-24
おんな- blue自由詩511-7-23
スコール- subaru★自由詩16*11-7-22
祖母- 草野春心自由詩711-7-22

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