すべてのおすすめ
あめはうそだよ
むこうはどうせ晴れている
公園にそなえつけた船でもこいで
地平線にぶざまなきせきを残す
なるほど
もやは信じてもいいのか
それはもう間を隠してくれるから
いきいきとしてし ....
線路の向こう
ビルの谷間の三角地
そういう辿り着けない場所に
オレンジ色のコスモスが
揺れている
ささやかな風景は
しかし、すぐに電車の音に
塗りつぶされてしまう
それでも
元気 ....
はしゃいではいない
だべってもいない 街なか
どうしたわけか
申し合わせたように
町内が一斉に半旗を出している
不幸・不運のそれらしき気配もないのに
そん ....
西向きの窓から
斜光が射す
食器が並べられ
煙草に火が点けられ
いくつかの詩が書かれ
最後に僕が
玄関から入ってくる
....
真夜中のいたずら電話
死ぬほど嬉しかった
たった今 僕は
孤独から解放されたのだから
言いたかったのですか
ほんとうに
どうしても
そんなにきつく
血がでるくらいきつく
くちびるを噛みしめてまで
ほんとうに言いたかったのですか ....
{画像=110812064713.jpg}
不純結晶さ
おれたちは
ただ座っているだけで汗を出す
....
14時の白昼夢に
ひっきりなしにおとずれる一期一会たちを
欲ばりな身体がぜんぶ受け入れようとして
はちきれて
あふれていくものを追いかける
追いつけないのはわかっているけど
手をのばす
....
ソリッド!
砂浜を駆ける女子男子
明日みたいな陳腐な思い出よりも
永遠に続くモラトリアムを
(信じていたい)
目隠しをして希望を叩き割り
絶望につかまって海を泳ぐ
日々大地を揺らす裏 ....
―炎天
いつからか父母の面影もなくなった顔の輪郭を撫で
枯れた景色を見すぎたせいかむず痒い目を二、三度こする
何処にも行きとうなくなった
もう何処にも行きとうないんです
陽射 ....
君にむけて
風のなかで
話したいことは
いつのまにか
感じすぎて
日々のなかで
忘れたいことも
いつのまにか
今、
....
案山子になりたい
畑の真ん中に
片足で立ってみる
結構いい感じで
鳥たちと仲良くなる
農家の人は優しく
話を聞いてくれて
夜は立ったまま眠り
五年は帰らない
ひと息で
その
わずかな角度で
意味とか
理由は
なくなる
ねえ
あたしは
生き残るから
あなたも
生き抜いて
どうせ
あたしたちが会う場所に
善悪などないのだし
....
愛ゆえに
別れませんか
あなたは西
わたしは東へ踏み出し
ぐるりと旅に出ませんか
愛ゆえに
別れませんか
あなたはチベットで詩を書き
....
{引用=スパゲティー讃仰フェスティバル参加謹呈}
1
長いスパゲティーを食べた
まっすぐ、まっつぐ、どこまでも
スパゲティーというより、
スパゲティ―――――――――――――――――― ....
たったいま
この詩をよんでいる
あなたがきらいです
と
わたしに言われて
どきっとした
あなた
名前はなんと
およびすればいいでしょうか
あなたの名前は
あなた
ではないはずなの ....
夏
あぢ
なんか、快晴ではない
曇っていて
空気がじめっていて
あぢ
あぢい
君と別れるとさ
俺はもう
切なくて
切なくて
なんか、夏祭りらしいんだけども
俺、見学も参 ....
悩んだときは
ブラッドオレンジに染まる
マンションの給水塔の上に立ち
三百六十度 この街の大パノラマを この眼で捉え
瞳を閉じて シャッター音を鳴らす
沢山のネガが出たら
その上 ....
{引用=ああ、ここは遊泳禁止だったのか
足が着かなくなって気付いたよ
ヘラの母乳は少し苦いね
俺もここでおしまいなのかも
日本語の「さよなら」は
おかしな響きだね}
ラブホのネ ....
夏のむこう、
あの入道雲のあたりに
ひとつくらい、
ふたつくらい、
みっつくらい、
言いそびれてしまったことが
あの入道雲のあたりに
....
ぼくらのいのちのかたまりが
こころとなって かたちとなって
やってくる
あしたにはちがうかたち
になっているかもしれないし
そのままのかたちをしているかもしれな ....
何かの工場でも移転したのか
住宅街の真ん中にあられた大きな空き地
その空き地を取り囲むようにはためく斎場反対の白抜き文字
いつまで運動は繰りひろげられていくのだろう
はちまちをした町会 ....
ゆうぐれのいろを
おしえてあげたいけれど
かすかなひびきでさえ
てのひらにつつんで
あなたにあげたいけれど
ふれることから
....
君に
言いたいことがあったけれど
誰かが言ってしまったから
もう何もない
日が翳る
電車が騒ぐ
来なければよかった
人工湖に仕立てられた
用水池から漏れだしている
名前だけは一人前の川がある
堤防にそよぎはあるものの
せせらぎはない
はぜのかげもない
それでも むかしのおらのよう ....
{画像=110806230826.jpg}
ホームに止まった電車の窓越しに見える
同じく所在なく立つ隣人を想う
二本の平行した線路上に交わる事なく
二人は未来永劫交差することは無い ....
目の前の人は
下ばかり向いている
私は
伸びすぎた爪をいじったり
髪を触ったり
挙句のはてに
することがなくなって
ほろっと涙をこぼしたり
していたけど
目の前の人は
下を ....
逃げ場をなくした熱気が
重く澱んでいる夜の底で
線香花火に火をつけると
涼やかな光の飛沫が
覚めやらぬ地面にほとばしる
しつこく素肌に絡みつく
湿り気を含んだ風の端に
弾き出され ....
夏のお空は賑やか
雲の鯨が群なして
北さしゆっくり泳いでく
夕べ摘まれた胡瓜はポリエチレンの中
萎れた黄色の花を畳んで重い体をしんなりと
むらさきの影踊る無人販売所
朝の優しい静け ....
「18歳未満立入禁止」
のボタンを押して、そっと扉に入る
大人は誰一人いない
大人が若返っているのか
大人などはじめから入ってこないのか
大人などはじめから"いなかった" ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50