願い
草野春心



  歩きたい
  ひとつひとつ
  言葉を知っていきたい
  赤ん坊はいつか子どもになった



  遊びたい
  唄いながら
  どこまでも駆けていきたい
  子どもはいつか少年になった



  少年はやがて
  うつむきがちな恋におちた
  世界の果てのようなところで
  手を握りたい
  このまま
  心の底に佇んでいたい



  誰のものだろう
  願いたちがざわめき
  彼のからだへ打ち寄せる
  あのひとに出会いたい
  もう一度
  少年はいつか僕になった
  取り返しのつかないあやまちのように




自由詩 願い Copyright 草野春心 2011-06-30 18:40:47
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春心恋歌