すべてのおすすめ
今日も美術館に行った
そしたら
またあの子に会った
いつ見ても綺麗だ
美術館の良いところは
展示されている作品
だけではなく
全てが、そう
窓も階段も案内版さえも
清楚に ....
て・き・べ・ん
邑輝唯史
丁寧に入れた人差し指を肛門の中でくねくねさせて
気持ちいいものだと思っていたら
息を吐いて次は息を吸って言われて
これはもう陣痛 ....
閉鎖病棟のお昼ご飯のとき
彼女はとうとつに、異国の歌を囀りだした
お父さんとお母さんの赴任先の香港で
メイドさんのを覚えたという
薄い月の浮くお昼間みたいな
あかるい声
わたしと同 ....
からだをさかむけて
ゆうやみを聞く
このさきにそらが
あるとして、
だれも届かないとしたら
空はだれのために
くれている
すきだった
ものの名前を
おぼえている順に忘れていく
....
時間を浪費している間に
命は光の速さで過ぎてく
派手なイベントなど
必要ないとわかった
もはやここにいて
呼吸していることがイベント
あちこちに旅したり
豪華な晩餐もいいけど ....
楽譜は記号じゃなく
文字だと思う
この音とあの音でお願い
ここはできるだけ優しく
凪いだ海みたいにそーっとそっとね
それから一気に爆発して
あとはとめどなく雪崩れて
最後 ....
払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい
リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中 ....
好きな散歩道
紅葉の深まりを
眺めながらゆっくり歩く
時間を忘れられる
眺めているだけで楽しい
秋の物悲しさ
忘れさせる山々の紅葉
心に描かれる美しさ
何度見ても飽きない
....
とりあえずのチキンは食べられてしまって
ぎゃばんのseasoningが恋しいクリスマスも近いし
ぼくのなかの騒がしい自由は休憩しているのだろう
忘れさられる歌を今日もうたっているし
....
今日も言葉と友達にはなれなかったな
何かしら考え思い発してはいるが
その場で消えていくものたちばかり
ああ
明日僕を叱るかもしれない友は
今度はどんな言葉で待ち伏せしてくるのだろう
やがて知ることにだろう
わたしの真実
毒の入った林檎をいくつもしまっておいて
いつ胸の奥から取り出そうか
考えることはそのことばかりになってきた
沈黙の呪文がひしひしと忍び寄る ....
走り出す、走っていく、ぎこちなく、しかしそれは必然的に正しいポーズで。ニュアンスを放つ。蠢く、うねる。私がじっくりと存在をもっている。汗。無量大数なんていうまどろっこしい言葉を使わなくても、ゼロをいく ....
熱帯夜で眠れない
汗が出るばかり
ベランダに出て星を眺める
都会の光は全く見えない
星が綺麗に見える
星を眺めて
夜風を浴びて
自然と一体化して
昔から人々は星を眺めていた ....
わたしの波長は沈む陽に重なり合って
ポチの波長は雑踏の音を消す
あなたの波長は銀河の渦から生まれ
冬の波長は生まれいづる幹の芽
わたしの波長はノイズのようで
あなたは綺麗 ....
同じ時間
電話越しに話す
真夜中に流れる魅力
魅力的なあなたの声
目の前で話している気分
昨日のドラマの話
あまり進展が見られず
退屈だったというあなた
同じ星空を眺め ....
詩情さえ
なくしていいと思っていた
このコンクリートの延長線に
あなたはいない
ひとりをなくした
世界のようなひとりを
なのに今夜は
少し明るい
月見草が咲いていて
私は詩を書い ....
暑い熱い夏
雨が降り夏が弱っていく
それを身体で感じる
気温は上がるけれど
色褪せたような写真に見える
夏の終わりの雨が
汗ばむ身体を冷やす
八月の終わりの頃
台風や雨 ....
ある日
歩いて近くの図書館に行った
詩集を一冊取り出して
椅子に腰掛けて
読みだした
十五分もたたずに
なんだか瞼が重くなってきて
あれれ
ふんわり
文字が
二重三重に揺ら ....
君に誘われて
始めることにした交換日記
続ける自信はないけれど
何を書けばいいのかな
悩んでしまいすらすら書けない
君は好きみたいで
楽しんで書いている
その勢いに飲み込まれそう ....
趣味で生きているんです
死ぬこともできるかもしれないが
くだらなくとも
生きてゆくことが
せいいっぱいの趣味なんです
まだまだ生命活動を続けたいと
こころが言っているようなので
....
田舎の
海辺の町は
夏だけ賑わうことの証に
朽ちた郷愁を見せる
古びた町並みは
時代に忘れ去られ
潮風にさらされて
風化した屋根が
陽炎のように歪む
人も少ない真っ青 ....
私はわかっている
あなたの想いを
何年も付き合えばわかる
たまに些細なことで喧嘩しても
すぐ仲直りして笑顔になる
あなたの想いが
私に伸びてくる
私の想いとぴったり繋がる
....
あなたが両手で抱えている苦しみは
陽炎の中で揺れている紫陽花なのでしょうか
それとも
遥か遠くに見える積乱雲なのでしょうか
小さな水たまりに落ちた
一滴の言葉が一面に広がり
底なし ....
海が私のなかにある
遠くなる
遠くなる
私は昔ひとつぶの泡
私のなかには海がある
荒れ狂う
荒れ狂う
誰も知らない海の上で
私は嵐が過ぎ去るのを待つ ....
ちいさな日々がつみかさなってもやはりちいさな日々に
蓄積や安定はたいせつなものだが固定されたくないともおもう
前進とは終焉にむかうことなのかもしれないけれど
ビージーズも人生はレースではない ....
美味しそうな匂い
活き活きとした食材の色
料理を作る妻の後ろ姿
料理を一緒に作ろうと誘われる
教えてもらいながら手伝う
料理を作りたくなるような
雰囲気を持つキッチン
楽しさが増 ....
結びつけること
束縛であろうとちいさなゆびきりであろうと
いつもばらばらになろうとしているものを
とどめようとするきもちがすきなのだ
水引って結んであるでしょ
封印でもありたんなる飾 ....
紫色した小さな幸せ
どこにでも咲いている可憐な幸せ
嫉妬に狂わされるのは
あなたが娘のように可愛過ぎたから
花びらがいくつも咲いて
あなたはブーケとなるでしょう
すみれは
....
頬を濡らすものを拭うこともせず
ただ手放しであなたは泣く
抱きしめても嗚咽はやむことなく
わたしの肩が湿り気を帯びる
体温の熱さが伝えてくるもの ....
朝起きて顔を洗うとすぐに
台所へと向かう
目覚めのいい朝も、悪い朝も
遅刻しそうなほどぎりぎりでも
必ず台所へ向かう
....
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