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さくら色の雪が降っていく。
うす水色の空を埋め尽くすかのように、絶え間なく降っていく。
ラジオから尾崎豊の卒業がながれてくる。
「今日の雪、なんかおかしくない?」
ぼくは、左に首を ....
六つの舞曲があなたから贈られ
時を奏でる精霊に妬まれた
愛を歌う神話に戻ったような物語が
いま回転盤の針を震わせて
狂おしくヴァイオリンの音色とともに
目覚めると
珈琲の飲みかけのカッ ....
夏空がひろがる
口をあんぐりと空けて
空を見上げる
夏だなあ
夏空がひろがる
太陽が燃える
まぶしい
口をあんぐりと空け
手をかざす
夏にのみこま ....
もうこれで、と思ったときも
ページをめくると鳥がいた
青色の羽をしていた
羽毛が抜け落ちるのを
少し気にしながら
西日の当たる部屋
ソファの上で笑ったり
片方は詩人で
片方は旅 ....
雲の切れ間からのぞく青い空が
のびやかに光をかもだしている
瞬く間に過ぎてゆく梅雨の空は
いつの間にか泣き出した
あの向こう側に
泣かなくていい日があるのなら
心を置いてゆこう
君が優し ....
あなたがあの夜話そうとしたこと
わたしは聞かなかった
朝になり、あなたはこの世界からいなくなった
あなたが名前を教えてと言っていたこと
わたしは教えなかった
夜が訪れ ....
今朝サンドイッチを食べていたときまでは
確かに僕は僕のものでしかなかったろう
いまこの個体は他人の手で弄られ
僕の不確かさを探している
血小板よりも小さくなった未来は
ぼんやりとした瞼の ....
百に絶望し 一に救われる
それが私の日常
つらいニュースは他人事だ
殺人はおおかた身内の犯行で
政治もただの自分本位で
植物の一途さを
私たちは忘れてしまう
物質とはなんだ
....
繋がりのない低音の言葉ばかりだが
それでも今日は落ち着いて聞いていられる
これはあなたの心の交響詩なのだから
いくつもの楽器が奏でるように
あなたの感情はいくつもの思い出の多重奏
おい
....
六月。
見えない空に
ひらひら、
と
ただ、
ひらひらと
飛ぶものが見えるのだ。
きみの呼吸は
もう
止まりそうだけれど。
あなたが怯えていた八つの音符で紡がれた
そこにしかない織物は
夜の冷たい川でなんども染められた幻想の世界
そして聴こえてくる九つめの誘惑の叫び
異端の絵画に連れ去られていく眩暈を覚えな ....
街は揺れているだろう
茜色の飛沫と共に
ひとつ両手で掬ってみれば
紫陽花のように
移ろいでゆく陽炎
瞳に映る乱舞に
惑わされ
それでも飛び散る
飛沫は
明日を運んでくる
....
マスターに会った
仕事帰りの立ち寄った100円ショップ
たまたま見かけて追っ掛けてきてくれたようだ
グリーンのパジェロミニ
助手席にはkさん
マスターと一緒に
お店を切り盛りしてきた
....
制御のない朝の起動
太陽はいつまでも膨らみ
乱雑な鳥の鳴き声に光は拡散していく
二つの皿の擦れる音が
寝ぼけ眼の時間を砕き割り
名のない闘牛を歓声の輪の中に運ぶ
朝はこうして夜 ....
とっくに終わったよと
あきれ顔で南の国に言われそうだが
待ちに待った開花だ
長かった冬に別れを告げる合図だ
こんにちは
思い出を咲かせる
友よ
ちいさな公園で
ブランコをこいでいる
あれはともだち
ほうりだされたカバン
あそびすり切れたクツ
おりおりのかわいい花
うつりかわる葉のいろ
近くなる遠くなる空
すりむいて熱い ....
光りが僕の身体を切り取り地面に張り付ける
重力に引っ張られ立ち上がることはない
そこにいなさいと蟻が行進する
夕日が沈み影が消えてしまって
もうそこには僕はいない
缶蹴りの音だけは
....
玄関のチャイムが鳴って出ると
幼馴染みのおばさんが
手作りのプリンを持って立っていた
上がってすぐの急な階段には
いつの間にかサンタのプレゼントが置いてある
すぐ下の弟の部屋からは
サ ....
何かにつけて生きる生きると口にしていた
生を謳歌し人生と人間は素晴らしいと書き綴ったノート
思い返すに俺は生きていたいなんて
1ミリだって心の底から思っていなかったし
今だってそれは同じだ ....
失われた回帰線(そこは闇となって届かず
赤ん坊の泣き声だけが今でも響き
菜の花が一面に咲いて揺れる高原の陽炎
詩となる前の無数の言葉の散らばりがあって
繋げることがままならない僕がいる ....
みんなイイネなんか押してないで
詩でも書けばいいのに
似てるなにかに頷かないで
ちょっと違う!って叫べばいいのに
秒速5センチメートルみたいに
青春に恋はしたけど
....
都会の中で泳いでいる
君たちと呼んでいいか は
多分睨むに違いない ひとたち
紅い鱗がまた一欠けら剥がされて沈む
ムラの中で流されたままで
僕ですよと発言してみる が
関係ない ....
これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に
おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に
めくる指 ....
こっくりとした夜の静けさに
ルノアールはおどけて傘をさしてくれたかもしれない
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ
あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして
紅葉の森を過ぎていくと
ささやかな秋の風の音さえも
白い雲の果てに枯れ落ちていった気がした
また訪れるあの人へ
遠くなってしまったあの人の温もり
忘却の彼方から
舞い降りる晴れ渡る声
....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
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