すべてのおすすめ
加速しては落ちていく
打ち上げに成功した回数が
まさに成長の足取りとは限らない
草原を歩きすぎて
貴女を見失った
石鹸の匂いも
椎名林檎の唄も無い頃
カートコバーンの亡霊を ....
華奢な小枝が
今は居ない
おばあちゃんの
背中に見える
身を反らす
一張の弓に似せて
しなやかであるが
少し触れれば
脆く砕けてしまいそうだ
それなのに
見目良く
誰 ....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
....
祈りが、ケーキにすりかわる頃
ベツレヘムの星は、LEDの光となり
讚美の歌は、ソリッドステートの箱に閉じ込められる
北風が吹く、この街の
行き交う人々を眺めている
もう皆、すっかり冬の装いで
どことなく落ち着きがない
しかし、私の目に
それは映ってはいるけど
どこか、よそよそしい
その先に続く
....
仕事場のドアを開けると
早く来て掃除をしている筈の君がいない
代わりに卵がひとつ床に転がっていた
とうとう君は卵になってしまったのか
私には何も言ってくれなかった
淡いピンク色を ....
コートのポケットに
どんぐりが三つ
入っている
きのうの夕ぐれ
近所の公園でひろった
小さなどんぐりたち
てのひらの上で
ころころ転がしてみたり
両手で温めてみたりする
....
仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる
人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも
保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
小さく洩れるアナタの声
頬をつたうアナタの涙
そして、愛がまた溢れる
電動歯ブラシ一本朝の洗面台
ぶるぶる
おやおや寒いのかな
白い粉
雪のように真っ白で
雪国の少女が掴んだ歯ブラシ
ぶるぶる
ぷるぷる
ぶるぶる
ぷるぷる
今震えているのは
....
冬のある日に見ている捨てた夢
人が生きているのは悲しいからさ
手をつないでいる二人
僕にもそうしていられた何も知らない子供の頃があった
街は足早に過ぎて行く
進んでいるのかはわからない
....
その肩に
いつも少年は
かなへびをのせていたので
私はそれが作り物だと思っていた
見慣れてしまうと
日常は背景になるので
誰もそれを指差したりはしなかった
私を見ても
誰も指差したりし ....
こころは洗濯できるものだろうか
いつもその時どきなりの
こころで生きれるように
できるものならば
天気の良い日に
やさしい風の中に
干してみたいものだ
葉を落とした蔦は陰鬱な妄想
囚われた家も人も沈黙を叫ぶかのよう
十一月は開けっ放しの箪笥
風や霙しか仕舞われていない空の空
冬は心の真中から始まる
だがものごとの始まりは不明瞭
....
朝、外にでる
太陽を浴びて
風さえもすり抜けて
瞬間のみ全てを忘れる
受け入れるのか忘れるのか
同じことだ
タバコを吸う
記憶が駆け巡り
千の恵みだ
これこそサウザンハーベス ....
五時間半のパートも毎日つづくと
腕も、足も、腰も痛くなって
お風呂上がりにはからだじゅうに
星を貼って、寝ます
星は、
ツボとよばれるからだの黒点に貼るから
いくつか貼ると
わたしのか ....
雲」流れに逆らう水は行き場を失う。積もる荒れた大地に鷺は降りたち。季節は素早く足取りを止めた。
沼。葦群の中、これ以上歩めばもっと地獄をみるだろう。あなたはどちらにしても傾がなければならない。波 ....
過ぎ去ったものの影を追わないで
思い出の名前を口にしないで
あの日を小瓶に閉じ込めないで
銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの
手から手へと渡ってゆく ....
膝下五センチのスカート丈
三つ折りの白い靴下
おかっぱに切りそろえた髪
私は校則通りの平凡な中学生
ふくらはぎ下までのスカート丈
伸ばしたままの靴下
パーマがかかった茶髪
そう、あな ....
青や
赤や
白で
例えすぎて
汚れた
それは
指先
で
すこし
ふれたら
名前がついた
もっと、
最初から
ふれていたら
色なんか
なくて
とうめい
で
いれたのに ....
今、僕は、旅先の尾張名古屋名鉄ビル9階の
「矢場とん」で味噌カツ定食を待っている。
景気づけに、豚の横綱がポーズをとっている
絵柄のグラスビールをくいと、飲む。
思えばあれは9年前…独り旅 ....
横たわる死者の耳は、空いている。
薄ら目を、開いている。
顎を天に上げつつ
何か、ものを云おうとしている。
力強い耳朶から
渦巻いてゆく鼓膜へ
吸いこまれそうに視る、僕は
鼓膜の ....
フランクルの「夜と霧」の頁を閉じた後
卓上のプラスティックのケースにぎっしり入った
何本もの砂糖達の、頭部に
強制収容所につれ去られる人々の
血の失せた顔が一瞬、浮かんで見えた――
両親 ....
この雨ときたら、どうだろう
わたしたちときたら、どうだろう
ねぇ、どうだろう
踏んだアクセル
心がバネみたいに
飛び出した 夜の高速道路の対向車線から
情熱が そんな風に 感覚として
感じられないまま 私は
体をなくした 見えない 夜の世界の
闇の中から
ひど ....
近所にもらった卵等を
朱色の{ルビ巾着=きんちゃく}袋に入れて
割れないように気遣いながら
時折かさっこそっと音立てる
卵の歌が聞こえるようで
自分の歌に重なるようで
....
尾崎豊の歌詞のなかにあったことば
何にしたがい何を愛するのかかんがえていた
評論家や傍観者ではない自分
ちいさくてもほんとうの塊を掬う事
こころの網の目をとぎすませて
....
こころの2重螺旋
ことばの2重螺旋
裏階段をのぼって
巻貝の音を聴いた
気がした
あなたには奥さんがいるし
私には彼氏がいるわ
何故か晴れ間が続いている
もしも昔々
暗い道を二人で歩いた
あの恵みを全て捨てながら歩いていた日々
年上の彼女は怖いと
言った
テ ....
懐かしむ 振り返る過去が増えてくる
決してしがみつくものはなく 黄昏は生まれながらにもっている
私の夕刻の風
四季の問わない八方へ広がる 無菌空間の感情
誰にも晒されない 寂しさをずら ....
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